更新日:2021-10-15 06:00
投稿日:2021-10-15 06:00
ただ温もりが欲しかった
――ツライどころのレベルではありませんね。
「はい……狂気の沙汰と言うか、異常としか言えなくて……。もちろん、B子さんも怒って店を出ていきました。帰り際『A美の性格の悪さは、まったく変わってないね。あなたと付き合ったことは、私の人生の黒歴史よ!』と捨てぜりふを吐いて……。
でも、そんな言葉も耳に入らないのか、A美は笑いながら酒を呑んでいました。
このまま私もB子さんのように『A美との付き合いを黒歴史』としてしまうのかしら……と考えていたら、涙が頬を伝って……。
気づけば、かろうじて歩けるA美の肩を抱いて、二丁目にあるラブホテルに入っていました。
ベッドに横たわらせたA美の服を脱がせて、私も裸になって……。
唇を重ねると、温かく柔らかな感触がたまらなくて……シャワーも浴びていないのに、A美のアソコにキスをして、足をひろげさせてクンニリングスをしていました。
汗と香水の匂い、わずかな残尿臭が鼻をかすめましたが、不思議と嫌じゃなかった。
A美は『あ……ああっ』とヨガリ声をあげ、クンニをする私の髪を撫でてくれました。それがまた優しくてね。普段、傷つけられている分、こんなふうに優しくされると、また離れられなくなってしまう。
肌も粘膜も溶けそうになるほど、抱きしめ合いました。
自分でも、よくわかりません。その日はただただA美の温もりが欲しかった。B子さんに『黒歴史』と捨てゼリフを吐かれた彼女に同情したのかもしれません」
続きは次回。
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