シングルマザー3年目の今も息子に言えずにいる私
実は私は、離婚から3年目の今も「シングルマザー」という言葉だけではなく、「母子家庭」「ひとり親」「親権」など、そういった“離婚用語”を息子に話せていません。
きちんと言葉の意味を教えるのが億劫なのと、単純に息子がどう思うか、傷つかないかが気になるからです。
でも、あの時、もしも事前に「シングルマザー」の意味を息子に話していたら、息子が「そうだよ!」と、ひとこと言って終わっただけの話のはず。そんなシーンはこれからいくらでも発生するかもしれないのに、いまだ言えずにいる私。
……でも、この原稿をきっかけに、息子に話してみようかなと思っています。
「シングルマザー」と名付けた人に言いたい
「シングルマザー」と名付けた人に言いたい。どうせなら、もうちょっとポジティブなイメージの言葉にしてくれたら良かったのに、と。
「シングル=ひとり」という言葉自体が、なんだか暗いんですよね!
「インディペンデンスマザー」とか「リバティーマザー」とか「パワフルマザー」とか、そう言うだけでちょっと陽気になれる意味合いの言葉だったら、「うちはインディペンデンスマザーだったからね……」なんて言われたとしても、ちょっと明るくなれるかもしれないのに(笑)。
なんて、妄想が進んでしまうほどに「シングルマザー」って、なんだかやっぱりあまり好きじゃない言葉。今、あらためて、そう思います。
独立していて、自由で、かわいそうではないからこそ、少し意地のような感情になってしまいますね。
追記
この原稿を書いた今日。お風呂で湯船に浸かりながら、「『シングルマザー』って、どういう意味か知ってる?」と、思い切って息子に聞いてみました。
息子は「ママが言ってるの聞いたことあるけど、知らない」と。
なので、「パパとママが喧嘩して離れて、そのあとに子供と一緒に暮らすママのことをそう言うんだよ」と、教えました。
ただ、一概にそれだけではないため、「あと、パパがいなくなってしまったり、死んでしまってママと子供だけの家族になった場合もシングルマザーって言うし、最初から結婚しなくて子供を産んだ場合も……」と話しはじめたら、だんだんまとまりがつかなくなってきました。
そうこうしているうちに、息子はのぼせて「暑い」「出たい」と言い始めたので、断念(笑)。
まぁただ、私の中で大きなハードルであった「シングルマザー」という言葉を息子に伝えたことは、一歩前進かもしれません。これからも、少しずつ話していくとします。
(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)
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