LINE履歴にあった浮気の証拠
「いや、見ちゃいけないなとは思ったんですよ？ でも、気づいたら藍美のLINE履歴を開いていました。
そうしたら、そこには外国人男性との親密なやりとりがいくつかあって、そのうちの何人かとは一夜を共にした形跡がありました。
それを見た瞬間、僕は『あー。やっぱりなぁ』と思ってしまって。
藍美とは、結婚後は僕の親が暮らす国と日本とを行き来しようねって話していたから、そのころの藍美は僕がお金を出して英会話スクールに通っていました。おそらくそこで知り合った外国人男性たちなんだと思いますが、ひとりじゃなく何人もの男と一夜を過ごしていたと知り、愕然としましたね」
あまりのショックに、藍美さんには「スマホを見た」とは最後まで言い出せなかったというマコトさん。浮気と言ってもワンナイトだし、許すべきなのか……と、それから何日にもわたって悩み続けたそうです。
「幸せになってもらいたい」
「こっちも“スマホを勝手に見た”っていう、後ろめたさがありますからね。藍美には、うまく別れの理由を告げられませんでした。
だけどやっぱり、裏切られたことには違いないし、そういう思いを抱えながら、藍美と結婚して笑顔で夫婦をしていくことはできないだろうと考え、別れを選んだんです。
しかも、当時の藍美にそれを問い詰めたところで『夜通し、英会話を教えてもらっていた』とか言いそうだよなと思ったのもありますね」
別れを決意したものの、マコトさんは藍美さんのことを、しばらく引きずっていたと話します。藍美さんと別れたあとに交際をした恋人とは、どうしても“結婚前提”にはできなかったし、短期間で別れて別の人と付き合う恋愛しかできないままだそうです。
そして、今では藍美さんに新しい恋人がいることも、風の噂で聞いてうすうすは知っているのだそう。
「僕は彼女を包み切れなかったけれど、藍美には、幸せになってもらいたいですね」と寂しげな笑顔で口にしたのが印象的でした。
◇ ◇ ◇
恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。
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