肩がこる、頭が痛い、PMS…“ちょっと不調”の原因と対応策5つ

笹山真琴 ビューティ&ヘルスケアジャーナリスト
更新日:2022-03-09 06:00
投稿日:2022-03-09 06:00
 コロナに右往左往する日々が3年目を迎え、ステイホーム、テレワーク漬けの方も少なくないと思います。ずーっと座りっぱなしで気になるのが、原因不明の“なんとなく不調”。
 放置しがちなちょっとした我慢やストレスが、知らない間に取り返しのつかない心身のダメージにつながってしまうかもしれません。
 そこで今回は、精神や睡眠障害に詳しい精神科医の芦澤裕子先生に、肩こり、頭痛、イライラ、ストレスといった“なんとなく不調”の考えられる原因と対処法についてうかがいました。

特に女性に増えている コロナ禍のなんとなくな体調不良

「なんだかいつも基本、肩が凝っている」「時々、風邪でもないのに片頭痛が……」「生理前に、昔はこんなにイライラしたかな」

 芦澤先生によると、なんとなく感じる体調不調を訴える女性がコロナ禍で特に増えているそうです。20代から40代の男女1800人を対象としたツムラのアンケート調査(2021年12月実施「第2回なんとなく不調に関する実態調査」)によると、全体の77.1%が「なんとなく不調」を感じていることがわかりました。

 特に女性では、実に83.3%にそのような実感があるそう。女性の具体的な症状としては、1位「疲れ・だるさ」62.5%、2位「肩こり」54.9%、3位「頭痛」53.5%という順。そのほか、「イライラ感」「寝つきにくい」などの悩みも挙がっていたということです。

頭痛や肩こり、イライラ感の原因って?

 多くの女性が感じている頭痛や肩こり、イライラ感。一体、何が原因なのでしょうか。芦澤先生によると主に3つ、考えられるとのこと。

1. 睡眠の質の低下

「頭痛や肩こり、不安やイライラ、また思考力の低下や注意力のおとろえを感じる場合、睡眠の質が下がっている可能性があります。質の高い睡眠を十分に確保できていれば、セロトニンという“しあわせホルモン”と呼ばれる脳内ホルモンが正常に分泌されます。

 セロトニンは、緊張やストレスに対抗する際に脳から分泌され、ノルアドレナリン(ストレスがかかった時に分泌され、活動的になるホルモン)やドーパミン(やる気につながるといわれるホルモン)の働きを制御し、自律神経のバランスを整える働きを担います。

 そのため、セロトニンの分泌量が減ってしまったり、働きが制限されることで、心身のバランスを崩し、あらゆる症状が出てくるのです」

2. 長時間のデスクワーク、動画視聴による筋肉の緊張

「特に肩こりや頭痛は、悪い姿勢を長時間続けることによって生じる筋肉の緊張によって生じます。ステイホームやテレワークなどで、PCやスマートフォンの長時間利用することが多くなっていませんか。

 自宅でのデスクワークでなかなか適切な作業環境を作れずに、猫背などのよくない姿勢を続けてしまった結果、症状が出ることも多いようです。

 筋肉の緊張が、神経を圧迫してしまうこともあり、痛みなどを感じることも。結果、ストレスがかかり、自律神経のバランスが崩れ、集中力が途切れる、なんとも言えない不快感を感じるという原因不明の体調不良につながる可能性も否定できません」

3. 食事も重要

「イライラ感やなんとなく不調は、栄養バランスのとれていない偏った食事や食べ過ぎが原因となっている場合もあります。また、セロトニンなどを作ってくれる栄養素が不足していることもあるかもしれません」

笹山真琴
記事一覧
ビューティ&ヘルスケアジャーナリスト
コンテンツ企画会社経営。医師や美容家など、医療・美容に詳しいオピニオンリーダーを取材し、最新のナレッジや製品について多数のメディアで執筆。グローバルにキュレーターを配する女性に向けたオピニオンメディア『UNICORN』主催。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


育休明けのモヤモヤがしんどい。先輩ママの体験談から紐解く3つの解決法
 育休明けのママたちは、職場復帰するにあたって多くのモヤモヤを感じているようです。子供と仕事と生活の間で、ベストな答えを...
透明ボードの下から失礼しますよ♡ 不思議&かわいい空飛ぶ“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
未来のような街の先に…
 未来のような街は、まるで先の見えないトンネルのよう。  その先にあるものは明るいものであってほしい。
ほっこり癒し漫画/第77回「もふもふサマー」
【連載第77回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
【難解女ことば】蒲魚、何て読む? 予測変換出てこない…
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
8年前に“ゆるFIRE”した男 新NISAより確実なリターンは自分への投資
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
母親は夢を諦めなきゃダメですか?夫を「支えてあげて」の言葉が悔しい
 かつて漫画家を目指していた夫婦の絵里奈と拓郎。双子の子供ができたことを機に、夢を諦め堅気の生活をしている。  夜...
浮気より酷い夫の裏切り SNSには私の知らない「もう1人の彼」がいた
 かつて漫画家を目指していた夫婦の絵里奈と拓郎。双子の子供ができたことを機に、夢を諦め堅気の生活を暮らしている。 ...
妊娠妻の電話に出ない…いまだ夢見る漫画家志望の夫とワンオペ妻の軋轢
 初夏の印象が霞むほどの汗ばむ陽気の午前中。  林絵里奈は井の頭公園の池のほとりのベンチに腰を掛け、在りし日のデー...
「晩ごはん何?」焼肉、すき焼き却下でもやし炒め! 家族間攻防LINE3戦
 仕事で疲れて帰宅した時、一番楽しみなのは晩ごはんですよね! とはいえ、主婦としては毎日の晩ごはんのメニューを考えるのも...
【ファミマ】コンビニ衣類正直レビュー、ショーパンゆる履きはOKだけど
 ファミリーマートとファセッタズム(FACETASM)のデザイナー落合宏理氏が共同開発した衣類「コンビニエンスウェア」。...
【独自】すいかばか初の“夕方専用すいか”、気になる出来栄えは?
 すいか生産量全国47位、ごくごくレアな山梨県ですいか作りに情熱を注ぐ「寿風土(こどぶきふうど)ファーム」代表の小林栄一...
インフルエンサー退職願望のアラフォー、“発信=スキル”なる大きな勘違い
 普通の会社員を続けることに不安を感じる女性が増えています。周囲に自分の才能を活かして稼いでいるがいると、「自分も何か発...
職場やママ友“ケチな人”との付き合い方5選 1円単位で文句ブーブーは勘弁
「この飲み会、私はあまり飲んでないから、あなたたちが多めに払ってくれるよね?」「ここの料理、5,000円もするの? え〜...
背徳感がたまらにゃい♡ ガラステーブルの下から見る涼し気“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
夏場の観葉植物、様子が変!間違った育て方、救済法、最新便利グッズまで
 危険な暑さが続く夏。猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は古い平屋の建屋のため、エアコンをフル活用しても、毎日が熱中...