「俺は関係ない」嫁姑問題を女性同士のイザコザと軽んじる夫

並木まき ライター・エディター
更新日:2022-03-12 06:00
投稿日:2022-03-12 06:00
冷酷と激情のあいだvol.81〜女性編〜」では、感情の波が激しい義母の存在に悩む美恵子さん(仮名・43歳女性)が、夫であるコウイチさん(仮名・50歳男性)に理解を得られず苦労している話をお届けしました。
 では、夫であるコウイチさんは妻と母親との関係について、どう捉えているのでしょうか。

仲が悪くなってるのは知っているけど

「どうもこうもないですよ。女性同士のイザコザに俺を巻き込まないでもらいたいっていうのが本音です。

 俺は男なので、女性の心理とか気持ちとかはわかりません。妻とオフクロのあいだに何があったのかは知りませんけど、関係がよくないことは見ていてわかります。

 だけど、それを俺にどうにかしろっていうのは、違うと思うんですよ」

 今の妻と結婚して3年が経ち、隣に暮らす実母と妻との関係が新婚当初に比べると、格段に悪くなっていることは認めているコウイチさん。しかし、妻と実母とのあいだに入って関係を調整する気は全くないと断言します。

お互い似た者同士だからじゃないの?

「オフクロは気が強いところがあるけれど、性根が悪い人間ではないはずです。美恵子も美恵子で気が強いので、似たもの同士みたいなところがあって、だから反発しているんじゃないの? って気がしますね。

 女同士って、いろいろあるって昔から聞くじゃないですか。まさにウチは、それだと思います。

 まぁ、前妻もオフクロとは仲が悪かったので、オフクロにも問題があることはあるんでしょうけどね。でも、だから俺があいだに入ってなんとかするって言うのは、やっぱり違うと思うんですよ。

 だって2人ともいい大人だし、俺は関係ないですから」

 コウイチさんは、嫁姑問題が存在することはわかってはいるけれど、自分とは無関係だと考えているとのこと。その理由として「他人同士がそもそも仲良くなれるわけないんだから、それぞれがお互いにうまくやってくれよ」と思っているのだそうです。

「最近では、家にいると必ず、美恵子からオフクロへの恨み節を聞かされて、俺も疲れてきています。自分の母親の悪口を言われているのを黙って聞いているのって、けっこうしんどいですよ。妻と喧嘩になるのは面倒なので、黙って聞いていますけどね」

2人とも俺の立場を考えてほしい

 コウイチさんはコウイチさんで、妻である美恵子さんの態度や振る舞いに不満があり「だけどそれをいちいち口に出して文句は言っていないんだから、妻ももう少し“自分の中で収める”ということをやってもらいたい」と考えています。

「美恵子も、40代のいい大人です。40や50になってまで、オフクロの問題でガタガタしているなんて、恥ずかしい話ですよね。

 今後は介護の話なんかも出てくるだろうから、いがみ合っていないで仲良くやってくれればいいのに、なんでそれができないんですかね?

 女性同士っていうのは、なんでこじれると仲良くできないんですかね?

 妻もオフクロも、もうちょっと俺の立場を考えて、表向きは仲良くしてくれてもいいんじゃないのって思っちゃいますよね」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


社内不倫やってるよね? 怪しい二人ならでは特徴と波風立てない対処法
 社内にどう見ても怪しい二人がいると「不倫しているのかな?」と気になってしまいます。もちろん、恋愛は二人の問題で周囲が口...
恋バナ調査隊 2024-03-18 06:00 ラブ
家庭に戻った彼との復縁できる? 本気だったからこそ気になる選択肢3つ
 あなたと不倫中の彼が、そっけなくなり家庭に戻った時、「もう復縁は無理かも」と思うはず。男性が家庭に戻る理由には、いろい...
恋バナ調査隊 2024-03-18 06:00 ラブ
プロ愛人の腕に男性メロメロ? 性欲、癒し、出世に貢献しまくるLINE
 世の中にはたくさんの仕事がありますが、「プロ愛人」という職業をご存知ですか?  プロ愛人の女性たちは、お金をも...
恋バナ調査隊 2024-03-17 06:00 ラブ
床下手の恋人はまるでトドのぬいぐるみ! 57歳モテ男が引いた貧乏くじ
「冷酷と激情のあいだvol.186〜女性編〜」では、マッチングアプリで知り合った10歳年上の恋人・ヒデナリさん(57歳・...
並木まき 2024-03-16 06:00 ラブ
マチアプリ交際3カ月目、57歳の彼氏が性の亡者に変貌! 悔やむ47歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2024-03-16 06:00 ラブ
結婚10周年、何もしないのありえない? みんなのエピソード
 結婚10周年は、夫婦にとって大きな節目。でも、世間の夫婦の中には、結婚10周年にお祝いする夫婦だけでなく、何もしないで...
恋バナ調査隊 2024-03-16 06:00 ラブ
40代の結婚前提交際…でも縁がない相手だったら? 見極めポイントを解説
 40代になると「結婚を前提に付き合っている彼氏」がいる人も多いですが、どうしても結婚だけは決断できないと悩む人も…。そ...
恋バナ調査隊 2024-03-16 06:00 ラブ
自民青年局はチップ口移し会合 夫の夜のハメ外しはどこから浮気と不倫?
 夫の夜の店通いやハメ外しは裁けないのか――。  2023年11月、自民党青年局の懇親会で行われた過激なダンスショ...
彼氏のスマホやPCに「エロい検索履歴」を見つけたら…要注意ワードは?
 彼氏の検索履歴が目に入ってくる時があります。そこにいかがわしいワードや動画を見つけてケンカになる人も…。けれどちょっと...
内藤みか 2024-03-14 06:00 ラブ
会話なしの40代夫婦が増加中? 3つのワケと幸せに暮らすコツ
 まだ結婚したばかりなのに、まったく会話なしの40代夫婦は多いようです。実際に、ネット上では「結婚1年目にして、まったく...
恋バナ調査隊 2024-03-14 06:00 ラブ
妊活中の女性が抱えるお金より切実な悩み パートナーとの食い違い第1位は
 多様な価値観やライフスタイルが変化する中で、2022年4月より不妊治療の保険適用範囲が拡大し、人工授精等の「一般不妊治...
ミクニシオリ 2024-03-13 06:00 ラブ
気持ちいいな♡ 上手なキスと下手なキスの違いはなに?
 好きな人とのキスの相性がいいと、恋の気持ちも倍増するというもの。 でも、キスが苦手な女性もたくさんいるわけで…。「上手...
恋バナ調査隊 2024-03-13 06:00 ラブ
花粉症カップルにおすすめの屋内デート5選 おうちデートのマンネリ打破!
 花粉症の人にとっては、つらい季節になりましたね。花粉の時期の悩みといえば、「外でのデートが楽しめない」こと。とはいえ、...
恋バナ調査隊 2024-03-12 06:00 ラブ
60代で月1回の性交渉は17.7%の実態 我々はいつまで現役でいられる?
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。普段からレスのつらさや...
豆木メイ 2024-03-12 06:00 ラブ
結婚に恋愛感情はいらない説を検証 家族愛のほうが大事?
 近年、「結婚に恋愛感情はいらない」といった考え方が広まりつつあります。特に、婚活中の女性からすると、紹介された男性に短...
恋バナ調査隊 2024-03-11 06:00 ラブ
私が48歳まで処女だったワケ。30代日本人女性の3人に1人が性体験なし
 はじめまして。今回、「コクハク」で「処女」に関するコラムを書かせていただくことになった、mirae.(みれ)と申します...
mirae.(みれ) 2024-10-08 11:39 ラブ