「金魚妻」安藤政信がイケオジ参入!失楽園級の体当たり演技

ボルドー太田 イケメンソムリエ
更新日:2022-03-13 06:00
投稿日:2022-03-13 06:00

キタノ映画「キッズ・リターン」で鮮烈デビュー

「マーちゃん、俺たちもう終わっちゃったのかな?」

「バカヤロー、まだ始まっちゃいねえよ」

 北野武監督映画「キッズ・リターン」(1996年)ラストシーンの主人公、落ちこぼれ高校生マサルとシンジの台詞です。

 私、これまでに見た映画やドラマでいいなあと思った台詞を密かに書き溜めているのですが、これはその中でもかなりお気に入りの台詞です。うまくいかなかったり、落ち込んだりした時、この台詞を想い出し、「まだ始まっちゃいねえよ」とマーちゃん口調で呟いてみたり……。

 マサルを演じていたのは金子賢(45)。昨今はすっかり総合格闘技やボディビルダー、筋肉キレッキレのイメージしかありませんが、そこそこいい俳優さんだったのにもったいない。

安藤政信に惹かれてしまうのは自然の摂理…

 ま、去る(マサル)もの追わずということで、注目はシンジ。「シンジ、エヴァに乗れ」(byハリウッドザコシショウ版碇ゲンドウ)のシンジではなく、こちらのシンジを演じていたのが、何を隠そう(別に隠してないけど)安藤政信(46)なのでした。

 で、見た目ヤンチャな金子も悪くはないのですが、イケメン好きとしては甘いルックスの安藤に惹かれてしまうのは自然の摂理でしょう。安藤はシンジで数々の映画賞を総ナメにし、輝かしいデビューとなりました。

「金魚妻」でのDV夫も嫌いになれない…

 あれから26年ーー。あの高校生がいまや美容サロン「hiraga TOKYO」の経営者。しかも住まいはタワマンの最上階。妻の誕生日にはタワマンのラウンジで高層階の住民を招いて盛大なパーティを開く愛妻家。金も名誉も地位もすべて彼のもとに集まる絵に描いたような成功者です。

 ところが、裏の顔はといえば、妻を支配するDV夫で、タワマンの奥様や美容室の従業員まで、複数の女性と関係をもつ、とんでもない野郎なのでした。

 でもね。嫌いにはなれないのですよ。だってイケメンなんだもん。甘いルックスは変わらず、それに渋みが増してなかなかよい塩梅です。

 ちなみに、これ。NETFLIXで配信中の「金魚妻」の話です。やたらとおススメされてしまうので、見てみたらそういうことになっていました(編注:記事内にはドラマに関する多少のネタバレを含みます)。

篠原涼子のDV夫役

 主人公は安藤演じる平賀卓弥の妻さくら(篠原涼子)です。夫の仕打ちに耐えかねて、タワマンの最上階妻というステイタスを捨て、金魚屋の年下男・春斗(岩田剛典)と恋に落ちる物語です。それをメインにサイドストーリーとして、タワマン妻たちの物語が進行します。

 うちの近くにもタワマンがそびえ建っていて、高そうなワンちゃんを散歩させるセレブ妻を見かけますが、あの人たちもきっと不倫してるに違いない……。そう思わずにはいられない、そんなお話です。

引き締まったボディに眼福×3!

 コンプライアンスっていうんですか、そのせいで地上波ドラマではすっかり見られなくなった濡れ場シーンも満載。あの頃のテレビはよかったなあと、「失楽園」の川島なお美と古谷一行の絡みを想い出してしまいました。「いやあ、官能って本当にいいもんですね」(水野晴郎口調で)。

「金魚妻」で多くのベッドシーンを担っているのが、安藤政信で、それはもうカラダを張っています。さすが、ボクシング(これは「キッズ・リターン」の話)をやっていただけのことはある。引き締まったボディに眼福×3を差し上げます。女性が露出少なめなぶん、カラダを張ってくれているのはありがたいことです。

 妻が自分の元を去り、仕事も下半身も制御不能。DV夫からED夫になってしまうのも、ほかの俳優なら因果応報、ザマーミロなのですが、そうは言えません。イケメンだから。

 というわけで、「金魚妻」でリターン・イケメン安藤政信を堪能すべし、というのが今回の結論でした。

【安藤政信(あんどう・まさのぶ)】
☆1975年5月19日生まれ。神奈川出身。O型牡牛座のブレない男。
☆22年1月期ドラマ「ゴシップ #彼女が知りたい本当の○○」(フジテレビ系)ではラスボス感をプンプン漂わせている。

ボルドー太田
記事一覧
イケメンソムリエ
毎クールすべてのテレビドラマをチェックする最強のドラマウォッチャー。が、その目的がイケメンにあることは誰も知らない。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


原作は4コマ漫画! 名作“ぎぼむす”のイケメントリオを味わい尽くそう
 新年あけましておめでとうございます。  例年であれば、大晦日は「ジャニーズカウントダウンライブ」で年越しするので...
特攻隊の前で「別れのブルース」、過去の“淡谷のり子物語”と異なる描き方
 1945年、日本の戦況はますます悪くなっていた。富山に慰問に来ているスズ子(趣里)は、女中の静枝(曽我廼家いろは)の話...
桧山珠美 2024-01-05 14:00 エンタメ
制作費の都合?「夜来香ラプソディ」音楽会シーンなしは残念すぎる
 上海の羽鳥善一(草彅剛)は、音楽会の準備を進めていた。羽鳥は、黎錦光(浩歌)が作曲した「夜来香」にブギを取り入れた音楽...
桧山珠美 2024-01-04 17:50 エンタメ
【2023年人気記事】マッチ様は逃げ上手と無責任のプロだった
【「残念プロフェッショナル」の流儀】  2023年も「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大き...
堺屋大地 2024-01-02 11:44 エンタメ
辻希美&杉浦太陽はニベアのCM…仲良しラブラブ芸能人夫婦はお金を生む
 元モーニング娘。のなかで1番の勝ち組は、やっぱり辻ちゃん(辻希美)でしょう。  先日も元モー娘。の中澤裕子、保田...
スズ子と愛助の無償の愛、平和ボケの今とは違って生きるも愛するも命がけ
 東京に戻ったスズ子(趣里)は、空襲で一面ががれきになっている惨状を目の当たりにする。  スズ子が三鷹の家に戻ると...
桧山珠美 2023-12-28 14:10 エンタメ
東京大空襲、愛し合うスズ子と愛助の運命は…金曜放送回を前におさらい
 トミ(小雪)の許しが出て、山下(近藤芳正)が正式に楽団のマネージャーとして加わることになった。  スズ子(趣里)...
桧山珠美 2023-12-27 17:40 エンタメ
コワモテ黒田の起用は大正解! スズ子派に寝返り、顔芸と手振りが秀逸
 結核が再発した愛助(水上恒司)の看病を、三鷹の家で続けることになったスズ子(趣里)は、日々愛助のために身を尽くしていた...
桧山珠美 2023-12-26 15:50 エンタメ
藤井風「いちすき」で見せた弾き語りに惚れ惚れ、黒髪に代わってホッ
 21日、木曜劇場「いちばんすきな花」(フジテレビ系)が最終回を迎えました。  昨年、社会現象を巻き起こした目黒蓮...
平野・神宮寺・岸のNumber_iデビュー間近 24年は注目多数の群雄割拠
 滝沢秀明氏創設のTOBEに合流し、本格始動が待たれている元King & Princeの平野紫耀(26)・神宮寺勇太(2...
こじらぶ 2024-02-16 10:40 エンタメ
朝ドラでは珍しい正面からの接吻!愛助ママ(小雪)来襲で“恋の炎”燃ゆる
 愛助(水上恒司)は母・トミ(小雪)に呼び出される。トミからは、スズ子(趣里)に会うのはやめるように言われ、山下(近藤芳...
桧山珠美 2023-12-22 14:40 エンタメ
北川景子に長澤まさみ…SNS離れの深層、イメージ戦略には逆効果?
 12月16日、女優の北川景子(37)の写真集『『「37」 20th anniversary』公式アカウントがInsta...
東京コミコン2023は大盛況 ひときわ異彩を放った“大衆演劇”
 千葉・幕張メッセにて、12月8日(金)~10日(日)に開催されたポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション20...
熊田曜子のSNSが放つ鋼のメンタル ハレンチ不倫疑惑もよき母アピール
 プロデューサーとの不倫疑惑と元夫とのドロ沼離婚裁判を経て、離婚成立後はSNSでたびたびセクシーな姿を披露している熊田曜...
堺屋大地 2023-12-20 06:00 エンタメ
恋はつらいものよ…愛助への想いが募るスズ子に麻里(市川実和子)の名言
 スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)の仲はすぐに広まり、羽鳥善一(草彅剛)や麻里(市川実和子)にもうわさについて追求される...
桧山珠美 2023-12-22 14:23 エンタメ
スズ子と愛助の恋路を妨害! メッセンジャー黒田のメッセンジャーぶり
 愛助(水上恒司)と坂口(黒田有)の話を聞いたスズ子(趣里)は、耐えきれずに部屋に押し入る。  ここで話をつけよう...
桧山珠美 2023-12-18 14:45 エンタメ