美男子だらけの環境…「イケメン評論家」ってどんなお仕事?

内藤みか 作家
更新日:2019-04-18 06:00
投稿日:2019-04-18 06:00
「イケメン評論家」という職業を聞いたことがある人はいるでしょうか。イケメンについてあれこれコメントする人だと思っていただければ間違いはありません。実は2004年に新しく作られた職名なのです。

名乗ることで職業になる!?

 2004年に「イケメン評論家」という職業があったら楽しいだろうな、と妄想していたのは、作家の内藤みか、つまり、この私です。世の中にはいろいろな評論家がいるのだから、イケメンを評論する人がいてもよいではないか、と思ったのです。試しにGoogle検索をしたところ結果は0件でした。なので「誰もやっていないのなら私がなる」と、半分冗談で名乗り始めたのがはじまりでした。

 名乗るだけではいけない、ちゃんと活動もしなくては、と始めてみたのが「イケメン評論家」としてのブログでした。もちろんイケメン芸能人が大勢いるアメーバブログで作り、大勢のイケメンをフォローしてスタートしました。そして毎日のようにいろいろなイケメンのニュースについて好き放題に語っていたところ、突然コメントの依頼をいただいたのです!

「このイケメンを評論してください」

 私にコメントを依頼してきたのが、いわゆる民放キー局と言われているメディアだったので、仰天しました。しかも「このイケメンについて電話でコメントしてください」という願ってもないお仕事だったのです。けれどブログでは好き放題言っているくせに、喋ることについては素人の私。あがってしまい、しどろもどろになり、なにをお話ししたのかも思い出せないほどでした。

 これにとても反省した私は、冗談で名乗るだけではなく本物のイケメン評論家になろうと、自分なりに努力を重ねました。いろいろなイケメンコンテストの歴代受賞者や、歴代仮面ライダー出演者をチェックしたりと歴史も辿りました。また、ひとりひとりのイケメンについてそれぞれの個性を見出し、顔について違う表現ができるように練習もしたつもりです。たとえばAくんは眉毛が太くて凛々しい男前、Bくんは色白で美少女と見まごうくらい繊細な顔立ち、という感じです。

ついにイケメン審査員の仕事が!

 密かな鍛錬の成果でブログにすごみが出たのでしょうか、その後もテレビや雑誌でのコメント仕事をいくつもいただくようになりました。そしてついに審査員の仕事依頼もやってきたのです。原宿にできるコンセプトカフェ「ギャルソンカフェ」にイケメンを揃えたいということで、私は勇んで面接会場に向かいました。

 そのカフェのもとには、原宿の一等地のカフェで働きたいイケメンの応募が殺到していました。私は男子を一度に数人ずつ、何時間も面接し続けました。1日に何十人ものイケメンを目の当たりにしたその夜は、テレビでイケメンを見かけても何も思えず、自分でも驚くほどイケメンでお腹いっぱいなイケメン酔いになってしまったのでした。

マニアックな知識が仕事を産む

 それからも、イケメン舞台の脚本を書かせていただいたり、自らの撮影でイケメン写真集を作ったりと私はイケメン評論家としての仕事の幅を広げています。私以外にもイケメン評論家と名乗ってくださる方も増え、賑やかになってきました。今の夢は、イケメン地下アイドルに作詞を提供すること。その実現に向けて、自宅で密かに作詞の練習にも励んでいます。願望を実現させるためには、こうした隠れた努力は必要だと思っています。

 私もイケメン評論家になりたいです、というメールも何通もいただいています。でも、先に名乗っている人がいるところにやってきても、おそらくあまりうまみはありません。おすすめは、私のように自分で職業を作ってしまうことです。何かマニアックに夢中になっているものがあるのなら、その分野での評論家を自称し、ブログやSNSを始めてみてはいかがでしょう。何かに突出して詳しい人は、重宝され、コメント依頼が到来するもの。思い入れたっぷりの情報発信を続けていると、やがてメディアから声がかかるかもしれないのです。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


うーん…友達と「金銭感覚が合わない」と感じた瞬間。疲れたらタクシーに乗る? 我慢する?
 30年、40年と生きていれば、友達と距離を置いたり縁を切ったりしたこともありますよね。関係が続かなかった友達に対して「...
この倦怠感は自律神経? それとも…更年期の症状は神出鬼没。妊活アプリのように「通知」が来る方法はないのか
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
離婚で「実母と義母」のバトル勃発! 嫁を“敵認定”した義母が放つ衝撃的な一言【身内のありえない発言】
 嫁と姑の付き合い方が見直され、昔ほどフィーチャーされにくくなった「嫁姑問題」。ですが、実際はトラブルが発生しているもの...
「ミスっても死なない!」優柔不断とおさらばする“前向きマインド”5つ
「優柔不断な性格を直したい…」「いつもクヨクヨ悩んでしまう」こんな悩みを抱えている優柔不断な方、集合! 優柔不断を改善す...
“神たま”のそば、羨ましいでしょ? 進むたび揺れる「にゃんたま」をソッと撮るお仕事です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
わかるけど…LINEの「疲れた」アピールにウンザリ。愚痴って対応に困るんです!
 何気なくする“疲れたアピール”は、ときに人を困らせてしまうもの。相手に遠慮や我慢をさせてしまったり、無理させたりする場...
仕事一筋の私が『対岸の家事』詩穂に共感した理由。くだらない「専業主婦vsワーママ」対立してる場合じゃない
 多部未華子さん主演のドラマ『対岸の家事』が6月3日に最終回を迎えた。毎回放送されるたびに話題になり、SNSを中心に視聴...
ストゼロでも消えない死への恐怖。介護に離婚…友人それぞれが歩む人生に救われた夜。人が最後に行きつく先は
 学生時代から今に至るまで赤羽に20年住む百恵。非正規雇用、独身だが、行きつけのスナックが居場所となり、不自由なく暮らし...
48歳、乳がん検診の「要精密検査」に衝撃。独居暮らし男の孤独死に重なる…誰にも看取られない恐怖
 学生時代から今に至るまで赤羽に20年住む百恵。非正規雇用、独身だが、行きつけのスナックが居場所となり、不自由なく暮らし...
40代は“知人の訃報”がくる年齢だ。憎んだ男の「死亡通知書」で20年ぶりに集う同級生、独身の私はどう映る?
 板チョコのような重い扉を百恵が開けると、真っ赤な口紅を施したママさんがいつものように明るく出迎えてくれた。 「い...
「20年モノのフライパン」がかっこいい? 貧乏戦線に異状あり!
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
お酒の席の“あのルール”に物申したい! グラスに注ぐベストタイミングは…
 働く側としても、お客さんとしても大好きなスナック。今後も良いところをどんどん書いていければと思っているのですが、今回は...
若者が『めおと日和』の“昭和な恋愛”に胸キュンするのは何故? タイパ重視じゃないもどかしさ
 アラフィフ独女ライターのmirae.です。前回のコラムでは、「50代の恋愛にときめきは必要なのか?」というテーマについ...
婚活に介護…もう頑張れない。アラフォー女性が抱えがちな問題、6つのケースを聞いた
 今回ご紹介するのは、アラフォー女性の悲鳴。「もう頑張れない」と思っていることを教えてもらいました。同じ悩みを抱えている...
怒った中年の顔は「ブス」だと知った。更年期世代がイラついた時にするべき大事なアレ
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
ゴロンする一瞬♡ 奇跡のモフモフ“にゃんたま”とプニプニ頬っぺが尊すぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...