なぜホス狂いする?「エース」は好きなホストを“独占”できる

内藤みか 作家
更新日:2022-08-25 06:00
投稿日:2022-08-25 06:00

エースという満足感

 本にはエースという立場へのこだわりを口にする女性も複数出てきます。エースとは、そのホストに一番お金を使っているお客さんを意味しています。

 このエースという地位に君臨するためには多額のお金を費やす必要がありますが、その代償として誰よりもホストを支えているという自尊心を得られるのです。

 傍目から見れば、無理してお金を作ってまでエースにこだわらなくてもいいじゃないと感じるでしょうが、彼女たちは必死です。

 ホストに恋心を持つと「私が一番彼を愛しているんだから!」と主張したくなるのも当然です。エースだとホストからも特別扱いをしてもらえるし、営業後にアフターデートしてもらえる確率も高いからです。

自ら望んでホス狂いに

 こうした「ホス狂い」の女性たちについてルポしたものはいくつもありますが、この本の特色は、官能小説家である大泉りかさんが、しっかりと彼女たちを分析しているところにあります。

 大泉さん自身はホストクラブにハマったことはなく、だからこそクールな観察が光ります。

 特に「”ホス狂い”になることを望んでいるような気がしてならない」、「積極的に”ホストに多額のお金を投じたい”という意向と感じる」という指摘はかなり鋭く彼女らの性質を表しています。本の中にも、稼いだお金の使い道を探していたという女性の話が出てきます。

消費依存とホスト

 筆者はホストクラブのホストたちから何度も「煽っているわけではないのに、自分から巨額のボトルを入れてくれる客がいる」という話を聞いたことがあります。

 ホストが客を騙して大金を巻き上げているという悪いイメージが先行していますが、ホストが心配するほど散財する女性客が少なくないのです。

 これには、買い物依存と同じような、消費依存的なものを感じています。買い物でストレス発散するのがクセになり、次第に巨額の支払いに発展していっているのではないでしょうか。

 本の中にも売掛を抱え、風俗で働きながらも消費を続ける女性たちが出てきますが、スリルある日々を送るのを自分自身で望んでいるケースがあるのです。こうした消費依存的な女性へのケアは今後必要になっていく気がしています。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

関連キーワード

ラブ 新着一覧


40代ほぼ童貞彼氏ってアリかも? メリット3つと幸せなお付き合いの心得
 恋愛経験の少ない男性の中には、40代でほぼ童貞の人もいます。童貞の彼氏は、恋愛経験が豊富な男性と比べて物足りないところ...
恋バナ調査隊 2023-08-31 06:00 ラブ
コロナで途切れたのに…女性から望む「復活不倫」が密やかに増え始めた
 コロナが5類に移行してから、少しずつ復活の兆しを見せはじめている関係があります。それは、不倫。コロナ以前の不倫関係が再...
内藤みか 2023-08-31 06:00 ラブ
恋愛がうまくいかない本当の理由とたった3分でできる解決法
「出会いの場に行っても、誰も私に興味を持ってくれない」 「関係がまだ浅い人とのデートが緊張してうまくいかない」 「な...
若林杏樹 2023-08-30 06:00 ラブ
彼の脳内で一体なにが? 一度じゃない、いっぱいキスする男性の心理5選
 好きな彼にいっぱいキスされたら嬉しいですよね。でもあまりに多いと「どうしたの?」「なにかあるのかな……」と、違和感を覚...
恋バナ調査隊 2023-08-30 06:00 ラブ
専業主婦をなめんなよ!「家事しないグータラ夫」3つの操縦法を試して
 専業主婦は家にいるからといって、決して暇なわけではありません。家事には終わりがありませんから、休みなく働いている人もい...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
夫とのセックスしかダメ、その夫に拒否される私はどうしたらいいの?
 不倫や浮気の原因の一つとしてあげられるのが「セックスレス」です。  筆者も既にセックスレス状態になって9年ほど経...
豆木メイ 2023-08-29 06:00 ラブ
ビール買うの、彼氏は毎日コンビニ、私はネット…ツボが合わないけど!
 彼氏と一緒にいて「あれ? ちょっとツボが合わないな」と気になる時ってありますよね。わざわざ伝えるほどでもないささいなツ...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
デニムという名の家事作業着を脱ぎ…セックスレス解消したきっかけ5選
 夫や彼氏とセックスレスになり、悩んでいる女性もいるでしょう。彼への気持ちが冷めているわけでないなら「なんとかしたい」「...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
節約してくれない夫に言ってはいけない! あとで“泣きを見る”NG文言3つ
 節約してくれない夫に、「何でこんなに使ってるの!? もっと節約してよ!」とモヤモヤ……。浪費癖のある夫に悩む女性も少な...
恋バナ調査隊 2023-08-29 06:00 ラブ
アプリに潜む「既婚者ダメ男」を見抜く!チェックポイント5つと対策法
 出会いを求め、マッチングアプリを利用している人もいるでしょう。最近では、アプリを通した出会いは当たり前。しかし、中には...
恋バナ調査隊 2023-08-28 06:00 ラブ
うちの奥さんピアスしないからって何? 不倫をやめるきっかけLINE3選
 不倫に溺れると、確率は低いと分かっていても「いつかは私が彼の妻に……」とどこかで期待してしまいますよね。でも、明るい未...
恋バナ調査隊 2023-08-27 06:00 ラブ
婚約破棄、自己犠牲、嫉妬…「恋愛に燃え尽きた」心を立て直す3つの方法
 仕事や恋愛に対して、ある日突然プツンと心の糸が切れてしまう「燃え尽き症候群」をご存知ですか? 今回は恋愛で燃え尽きてし...
恋バナ調査隊 2023-08-27 06:00 ラブ
犬を飼うと結婚できない説は古い 視野を広くし良縁を手繰り寄せる!
 独身生活をしていると、寂しさが身に沁みる夜だってあります。孤独な心を癒すために「犬を飼いたい!」「でも、犬を飼うと結婚...
恋バナ調査隊 2023-08-26 06:00 ラブ
たった一度のデートでも蛙化現象? 女性が冷めるポイントと対処法3選
 せっかくデートまで漕ぎ付けたのに、「こんな人だったなんて……」と気持ちが冷めてしまうことがあります。「こんなことで冷め...
恋バナ調査隊 2023-08-26 06:00 ラブ
「コロナ前の“俺スタイル”だけど?」口うるさい妻との不仲に達観する男
「冷酷と激情のあいだvol.157〜女性編〜」では、夫・ジュンジさん(41歳・仮名)の金遣いに悩む啓子さん(39歳・仮名...
並木まき 2023-08-26 06:00 ラブ
飲み代だけで月4万円! 赤字なのに危機感がなさすぎる夫に震える39歳妻
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-08-26 06:00 ラブ