King & Princeは“ポスト嵐”と囁かれたが…
バラエティー番組やドラマ、映画とジャニーズ事務所所属のタレントを見ない日はない。2019年7月にジャニー喜多川氏が逝去した際にはジャニーズ帝国の崩壊が始まったとも報じられたが、3年経った現在も、国内の男性グループ界での存在感は相変わらずだ。
ただ、強さの“中身”は変わった感は否めない。かつてはSMAPや嵐のような揺るぎない地位の先輩グループを中心に活躍していたが、ポスト嵐と囁かれたKing & Princeでさえ、最近はなにわ男子やSnow Man、SixTONESの台頭で失速気味。グループとしてコンサートは行ってはいるものの、人気メンバーの永瀬廉(23)や平野紫耀(25)は俳優業での活動が多忙を極め、アイドルグループの頂点に君臨した嵐の代わりが務まっているとは言い難い。
Sexy ZoneやHey! Say! JUMP、ジャニーズWESTなどの中堅組もグループ以上に個々の活動がさかんだし、ジャニーズJr.に所属するHiHi Jetsや美少年に至ってはデビュー前なのに、ドラマの主演に抜擢されるメンバーもいる。とにかく名前を覚える前に新グループが次から次へと登場し、乱立しているのだ。
滝沢秀明副社長が“一新した”戦略
芸能レポーターの川内天子氏はこう言う。
「ジャニーさん時代の絶対的トップに『嵐』を置いて後輩グループに競争させるスタンスは、滝沢秀明副社長の時代になって一新された印象です。現在はジャニーズ以外でもダンスや歌がうまいイケメングループは少なくなく、YouTuberもライバルになる時代で、国民的アイドルグループに育てあげるのはとても困難です。
一時代を築いた『SMAP』や『嵐』は大きなスキャンダルに見舞われませんでしたが、今はネットも普及し、メンバー全員の恋愛や素行を管理するのは難しく脱退する人も珍しくありません。時代性とリスクを鑑みて“大物グループ”の育成に注力するより、様々なタイプのグループを次々とデビューさせ、ファン総数の維持・獲得に戦略をシフトしています」
ジャニーズJr.「22歳定年制度」も影響
ジャニーズの変革は、2023年3月31日より適用される「定年制度」も影響しているという。満22歳になった最初の3月31日までに、Jr.本人とジャニーズ事務所が今後の活動継続について話し合いをする制度だ。
「Jr.には200~300人が在籍していると言われ、定年制を考えると昔のように2、3年に1グループデビューのペースでは、デビュー出来ずに引退するメンバーで溢れ返ってしまいます。それではJr.も事務所も印象が悪くなり、尻つぼみになってしまうでしょう。
『嵐』の活動休止以降、ジャニーズのゴールデンタイムの冠番組は減りましたが、メーンにこだわらず、俳優業やYouTubeでの活動、モデル業といった枠にとらわれない売り方にシフトしたことで、結果的に活躍の場は増えました。ジャニーズ事務所の戦略は成功したといえるでしょう」(前出の川内天子氏)
事務所が総力を挙げて売り出す期間が短くなっても、“スターの原石たち”なら必ず光る! か。
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