“ポスト嵐”が失速?グループ乱立のジャニーズ戦略は吉か凶か

コクハク編集部
更新日:2022-08-26 06:00
投稿日:2022-08-26 06:00

King & Princeは“ポスト嵐”と囁かれたが…

 バラエティー番組やドラマ、映画とジャニーズ事務所所属のタレントを見ない日はない。2019年7月にジャニー喜多川氏が逝去した際にはジャニーズ帝国の崩壊が始まったとも報じられたが、3年経った現在も、国内の男性グループ界での存在感は相変わらずだ。

 ただ、強さの“中身”は変わった感は否めない。かつてはSMAPや嵐のような揺るぎない地位の先輩グループを中心に活躍していたが、ポスト嵐と囁かれたKing & Princeでさえ、最近はなにわ男子やSnow Man、SixTONESの台頭で失速気味。グループとしてコンサートは行ってはいるものの、人気メンバーの永瀬廉(23)や平野紫耀(25)は俳優業での活動が多忙を極め、アイドルグループの頂点に君臨した嵐の代わりが務まっているとは言い難い。

 Sexy ZoneやHey! Say! JUMP、ジャニーズWESTなどの中堅組もグループ以上に個々の活動がさかんだし、ジャニーズJr.に所属するHiHi Jetsや美少年に至ってはデビュー前なのに、ドラマの主演に抜擢されるメンバーもいる。とにかく名前を覚える前に新グループが次から次へと登場し、乱立しているのだ。

滝沢秀明副社長が“一新した”戦略

 芸能レポーターの川内天子氏はこう言う。

「ジャニーさん時代の絶対的トップに『嵐』を置いて後輩グループに競争させるスタンスは、滝沢秀明副社長の時代になって一新された印象です。現在はジャニーズ以外でもダンスや歌がうまいイケメングループは少なくなく、YouTuberもライバルになる時代で、国民的アイドルグループに育てあげるのはとても困難です。

 一時代を築いた『SMAP』や『嵐』は大きなスキャンダルに見舞われませんでしたが、今はネットも普及し、メンバー全員の恋愛や素行を管理するのは難しく脱退する人も珍しくありません。時代性とリスクを鑑みて“大物グループ”の育成に注力するより、様々なタイプのグループを次々とデビューさせ、ファン総数の維持・獲得に戦略をシフトしています」

ジャニーズJr.「22歳定年制度」も影響

 ジャニーズの変革は、2023年3月31日より適用される「定年制度」も影響しているという。満22歳になった最初の3月31日までに、Jr.本人とジャニーズ事務所が今後の活動継続について話し合いをする制度だ。

「Jr.には200~300人が在籍していると言われ、定年制を考えると昔のように2、3年に1グループデビューのペースでは、デビュー出来ずに引退するメンバーで溢れ返ってしまいます。それではJr.も事務所も印象が悪くなり、尻つぼみになってしまうでしょう。

『嵐』の活動休止以降、ジャニーズのゴールデンタイムの冠番組は減りましたが、メーンにこだわらず、俳優業やYouTubeでの活動、モデル業といった枠にとらわれない売り方にシフトしたことで、結果的に活躍の場は増えました。ジャニーズ事務所の戦略は成功したといえるでしょう」(前出の川内天子氏)

 事務所が総力を挙げて売り出す期間が短くなっても、“スターの原石たち”なら必ず光る! か。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


角界一の美容力士・翔猿らが明かした脱毛&モテ事情、全力で推したいのは
 圧倒的な強さと精神力、鍛え抜かれた筋肉美、昭和の名横綱“ウルフ”千代の富士、整った顔立ちと沸き立つ色気がたまらない“各...
「僕じゃ駄目かな」あすなろ白書のキムタクを想起、優三渾身のプロポーズ
 寅子(伊藤沙莉)は、弁護士として社会的な信用を得るためにお見合いをさせて欲しいと直言(岡部たかし)とはる(石田ゆり子)...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
事件はいつも「あの階段」で起こる! 岩ちゃん演じる花岡もう婚約
 晴れて弁護士になったが、女性であることを理由になかなか依頼をしてもらえない寅子(伊藤沙莉)。「女の幸せより大事なものか...
桧山珠美 2024-05-20 15:02 エンタメ
炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ
『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。主人公は日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルとした猪爪寅子。彼女が投げかける疑...
竹もとで勉強する寅子たちは今時のノマド?法律事務所の初仕事はお茶入れ
 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び...
桧山珠美 2024-05-07 14:20 エンタメ
あさイチで光った令和の“料理男子”の新星、キスマイ横尾のライバル現る!?
 ゴールデンウィークといっても、どこかにお出掛けの予定になんの予定もなく、ただ漫然とテレビを見ていたら、神様から思わぬご...
直言ら16名全員無罪!憲法記念日に放送された寅子が語る「法」の解釈
 昭和11年12月。1年半に及んだ直言(岡部たかし)の「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。  寅子(伊藤沙莉)...
桧山珠美 2024-05-04 06:00 エンタメ
直言の判決いかに? 寅子の表情、優三腹くだり…テンポ絶妙な法廷シーン
 公判中に倒れた直言(岡部たかし)は、自分の無実を信じる寅子(伊藤沙莉)の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを...
桧山珠美 2024-05-02 17:13 エンタメ
『虎に翼』の週タイトルになぜ「?」はる記“主婦乃手帖”で一発逆転なるか
 直言(岡部たかし)は寝たきりでろくに食事も取ろうとしない。そんな様子をはる(石田ゆり子)は心配していた。  一方...
桧山珠美 2024-04-30 13:50 エンタメ