「モダンラブ・東京」2話がセックスレス世代にぶっ刺さり!

ミクニシオリ フリーライター
更新日:2022-11-08 06:00
投稿日:2022-11-08 06:00

待つ、グレーを許すという選択肢も

 もちろん、見ないふりをするのが一番の正解ではないはずだが、加奈も「急いで答えを話し合うことが正解ではない」という考えにたどり着く。白黒はっきりしたい女性からすると、男性がのらりくらりとセックスから逃げることにストレスを感じるかもしれない。

 逃げていることは確かかもしれないが、そこには相手を思いやる優しさや、好きゆえの「失いたくない」という気持ちも含まれている。

 好きなら、セックスがなくても、今すぐ離れずに済む方法を探したっていい。そんな深みを残しながら、加奈はまだ好意のある圭介と、離婚という道以外を模索するかのようなエンディングを迎える。

セックスだけ良好に戻すのは無理がある

 セックスは「しよう!」と言えばすぐ成立するものではないことは、女性自身もよく分かっているはずだ。2人の関係が変わらないままに、セックスだけを良かった時に戻そうとするのは、無理のある話でもある。

 セックスレス夫婦の中には、セックス以外は至極順調で仲もいい夫婦もいる。しかし、セックスに向き合うことで、その仲を壊し、離婚に発展してしまう加奈のような夫婦もいる。

 セックスレスは夫婦にとって、重大な問題の一つであるのは確かだ。しかし、加奈の物語は「セックスするか、しないかに限ることもない」というグラデーションのある答えを見つけている。

 もちろん不倫は法に触れることではある。しかし、風俗店を利用する方法もあるし、今は女性でもそうできる。

セックスばかりに捉われない夫婦のカタチ

 結婚している2人には、時間はたくさんある。すぐに別れたいという気持ちがないのなら、待つのも優しさだし、スモールステップを踏むのも一つの手だ。

「じゃあセックスするの? しないの?」という問いかけは、時に相手を傷つける。ボディタッチを増やしたり、夜の一緒に過ごす時間を大切にしたり……セックスばかりに捉われずに、お互いの歩幅に合った方法で歩み寄っていかないといけない。

 物語を見て、男性が不倫する理由がぼんやり分かるだけでも、安心する女性もいるだろう。

 私たちはただ、相手が何を考えているのか分からないのが怖いだけなのだ。相手に聞けば早いけれど、結婚している2人だからこそ分かる考え方もあるはず。

 すぐに相手に答えを求めず、セックスレスにおいて「相手の立場に立ってみる」のは、お互いに必要なはずだ。

ミクニシオリ
記事一覧
フリーライター
フリーランスの取材ライター・コラムニスト。ファッション誌や週刊誌、WEBSITEメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。
XInstagram

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


地殻変動!下剋上球児、うちの弁護士…視聴率では見えないバズり作品は
 シリーズものを除いた主要民放プライム帯ドラマ全12作の全話平均視聴率が5.9%(ビデオリサーチ調べ・関東地区・世帯=以...
こじらぶ 2023-11-25 06:00 エンタメ
ゴンベエ(宇野祥平)の素性が明らかに…上方新喜劇ばりの人情劇がグー
 ツヤ(水川あさみ)が亡くなり、スズ子(趣里)は梅吉(柳葉敏郎)と今後のはな湯をどのようにしていくか相談する。  ...
桧山珠美 2023-11-24 16:11 エンタメ
母ツヤ(水川あさみ)笑顔の最期、「ナレ死」に救われた
 大阪に戻ってきたスズ子(趣里)は病床のツヤ(水川あさみ)と再会する。ツヤの病状のことを受け止めきれないスズ子は、梅吉(...
桧山珠美 2023-11-23 16:05 エンタメ
六郎役・黒崎煌代の将来性、母ツヤとやり取りに泣けて泣けて笑える
 六郎(黒崎煌代)の出征の日がせまり、六郎は頭を丸め恥ずかしそうにしている。相変わらず体調が悪いツヤ(水川あさみ)は専門...
桧山珠美 2023-11-21 17:30 エンタメ
「下剋上球児」で“令和のキムタク”になりそうなイケメン俳優は?
 2019年のドラマ、「3年A組-今から皆さんは、人質です」(日本テレビ系)を覚えていますか?  菅田将暉が教師役...
「らんまん」のデジャヴ? ヤバ藤化するダンサーの中山、秋山逃げて~
 内緒の話があると松永(新納慎也)から呼び出されたスズ子(趣里)は、梅丸のライバルである日宝に一緒に移籍しないかと誘われ...
桧山珠美 2023-11-14 16:15 エンタメ
木下優樹菜から迸るガチヤンキー魂!前言撤回、TV再登場するタチの悪さ
木下優樹菜様(元タレント・35歳)  やっぱりユッキーナ(木下優樹菜)様のヤンキー魂には惚れ惚れしてしまいます。 ...
堺屋大地 2023-11-14 06:00 エンタメ
市川染五郎は眉毛、堅あげポテト、ラ・マンチャの男なくしては語れない
 先日、歌舞伎で「ルパン三世」をやることが報じられました。題して、新作歌舞伎「流白浪燦星(ルパン三世)」。  ルパ...
上原多香子は不倫を繰り返す“恋愛単発ドラマ”の女王!続編不要体質の業
上原多香子様(女優、美容家・40歳)  元SPEEDの上原多香子様は、あまり役者業のイメージはないと思いますが、す...
堺屋大地 2023-11-14 16:23 エンタメ
スズ子覚醒!茨田りつ子(菊地凛子)と渋谷のり子の表情がオーバラップ
 歌うコツを掴んだスズ子(趣里)は、羽鳥善一(草彅剛)とのレッスンを続け、その歌声はぐんと熱を帯びてきていた。  ...
桧山珠美 2023-11-10 14:30 エンタメ
“おぼこ娘2人”の初々しい恋バナ! つよぽん演じる羽鳥は「まさに笑う鬼」
 スズ子(趣里)と羽鳥善一(草彅剛)の厳しいレッスンは相変わらず続いている。しかし、羽鳥はスズ子の歌に相変わらず満足しな...
桧山珠美 2023-11-09 15:46 エンタメ
BLACKPINKの再契約なるか?「7年目のジンクス」結末に4つのシナリオ
 世界的なK‐POPブームの昨今。「コクハク」読者の中にも、K-POPにハマっている方も多いのではないでしょうか? ...
2023-11-09 06:00 エンタメ
「マイホームヒーロー」を嗜む!なにわ男子高橋“俳優武者修業”に高好感度
 すっかり忘れていました。佐々木蔵之介(55)の存在を。最後の独身大物俳優などと言われ、過去には、小野真弓や丸山桂里奈な...
大和玲子(蒼井優)の戒名に「礼」と「優」、位牌の細部にまで抜かりなし
 スズ子(趣里)たちは、大和礼子(蒼井優)が出産後に病院で亡くなったと知らされる。スズ子はお別れの会で、大和が梅丸少女歌...
桧山珠美 2023-11-03 14:30 エンタメ
スズ子のナレ出世、股野のナレ求婚…感動のシーンを描いて欲しかった!
 昭和12年、スズ子(趣里)が香川から戻ってきて3年。梅丸少女歌劇団は、秋山(伊原六花)のタップダンスとスズ子の歌を二本...
桧山珠美 2023-11-01 15:37 エンタメ
SMILE-UP.(旧ジャニ)俳優部の演技&将来性、飛躍の片鱗見せたの誰?
 嵐の二宮和也(40)がSMILE-UP.(旧ジャニーズ)からの独立を発表しました。  中丸雄一、山田涼介、菊池風...