「私から略奪する気よ!」被害妄想の強い恋人に辟易する男性

並木まき ライター・エディター
更新日:2022-12-31 06:00
投稿日:2022-12-31 06:00

波風を立てないために嘘を重ねて

 同棲をしている恋人に対し、隠し事をしなければならない状況に不満を覚えているとケイタさん。しかし波風を立てずに生活を送るには「これしか方法はなかった」と振り返ります。

「でも結局、そんなふうに真実を話せない間柄の関係なんて、偽物の恋みたいなものじゃないですか。だから僕は有香里との結婚を考えられなくなって、ダラダラと8年も交際だけ続けてしまっているんですよね。

 有香里みたいな女性と結婚したら、本当に大変だと思います。だって真実を妻に言えない生活を、延々と送らなくちゃいけないってことですから。

別れを切り出されるのを待つのみ

 だから僕は、今は単純に“現状維持”を選択しているだけですよ。このまま有香里と結婚の話を進める気もないですし、だけど僕から別れ話なんて出そうものなら、また『私を捨てて、浮気相手と付き合いたいんでしょ!』などと罵られるに決まっていますから。

 僕はね、有香里が僕に飽きるか、僕以外の好きな人ができてくれるのを待っているんです。向こうから別れ話をしてくれないと、経験上ああいう女性とはきれいに別れることができないですからね。

 この作戦を進めてからもう半年以上になりますから、もう少しで有香里から別れ話を出してくれるんじゃないかなって期待しているところです。僕からは絶対に別れようとは言いません。好きな人がいるわけでもないし結婚願望があるわけでもないので。

 僕はただ、トラブルを最小限にして有香里と別れたいと考えているだけなんです」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
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ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
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日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

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