期待はずれの「夕暮れに、手をつなぐ」
広瀬すず(24)主演、King & Prince・永瀬廉(24)共演のドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」が苦戦している。初共演となる2人の美しいラブストーリーを期待されていたが、世帯平均視聴率は初回8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)から、第2話で6.6%に下落して以降、最新の第6話で5.9%を記録するなど6%前後をうろうろしている。
番組の面白さの指標として世帯視聴率だけでは判断できない時代になったとはいえ、初回から明らかに数字を落としているのは、脱落者も多く出てしまったと考える。見逃し配信も初回こそ260万回と同局火曜ドラマで1位を記録したものの、以降は低迷しているようだ。初回の数値はキャスティングの話題性で取っていたのだろう。
「silent」との決定的な違いは何か
同じ演技派美形女優×ジャニーズイケメンの純愛ものという意味では、川口春奈(28)とSnow Man・目黒蓮(26)が共演した昨年10月クール放送の「silent」(フジテレビ系)の一大ムーブメントが思い起こされる。
こちらは平均世帯視聴率こそ7%台だったものの、初回の6.4%から最終回では9.3%まで数字を上げており、また見逃し配信も安定して400万台、500万台とオバケのような数値を叩き出し続けた。
どちらも美男美女の共演と、美しい映像という共通点がありながら、「夕暮れに、手をつなぐ」と「silent」との違いは、ストーリーや設定が現実的で視聴者が感情移入できるか否かだ。
「silent」では川口演じる主人公・青羽紬が、高校時代に付き合っていた目黒演じる佐倉想と、偶然最寄り駅ですれ違うことから再び恋愛に発展するまでが描かれていた。
ヒロイン・浅葱空豆に突っ込み相次ぐ
実際の世田谷代田駅前が使用され、紬は渋谷のタワーレコードの店員。登場人物がお手頃価格の洋服を着回しするなど、徹底的にリアルさを醸し出していた。
想が聴力を失い、手話で会話をするといったことは日常でよくあることではないものの、主人公に感情移入した視聴者は、実際大切な人と同じ状況に置かれたらと想像し、涙したり、心を温められたりした。
一方で、「夕暮れに、手をつなぐ」で広瀬が演じるのは、浅葱空豆(あさぎ・そらまめ)という九州の片田舎で育った野生児みたいな女の子。だが目につくのは、超非現実的なぶっ飛んだ言動の数々だ。
オリジナルのブレンド九州弁でズケズケとものを言い、公園の噴水で顔を洗い、目上の人にも厚顔無恥な態度で場の空気をかき乱す。ネット上では「田舎をバカにしすぎ」との声も噴出した。
「サイコパス」の声も
オリジナル九州弁の丸出しも上京したてならまだ理解できるが、回が進んでも、下宿先の家主の口利きで有名高級ブランドに勤められることになっても、全く変える気配がない。
方言を使ってはいけないということではなく、職場の人が理解しづらいレベルの訛りで、自身を「おい」と呼び、しばしばタメ口になるのを一向に直さないのは常識の度を越えている。
また、家主の120万円するという高級ワンピースを「服ちゅうもんが、どがんに作られているか知りとうなった」という理由で躊躇なくハサミで分解するエピソードは、奇行を超えて「サイコパス」とまで言われてしまった。
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