「面倒くせぇ!」と撤去したら災いが? 榊(さかき)の由来と効果

斑目茂美 開運花師
更新日:2023-04-05 06:00
投稿日:2023-04-05 06:00

国産の本榊はなかなか手に入らない?

 榊といっても、「本榊」と「ヒサカキ」の2種類に大別できますが、すぐに見分けがつきます。「本榊」の葉の縁はツルツル、「ヒサカキ」の葉の縁はギザギザ。加えて、本榊に比べてヒサカキの葉は若干薄くて柔らかく、小さいので「非榊」や「姫榊」とも呼ばれております。

 どちらを神棚に飾っても支障はありません。なんなら榊によく似た椿や樫(カシ)、杉やモミを神棚に飾る地域は、それらを飾った途端、「榊」と呼ぶケースもあるとか。

 日本では古代より先の尖った植物に神様が宿ると考えられています。その土地土地で入手しやすい植物を、神聖な場所とそうでない場所との境目を取るのに使われており、本榊とヒサカキを日本で使い分ける理由もここにあるのでございます。

 ワタクシの住む関東では、本榊が多く自生する地域ではないことから、榊といえば圧倒的にヒサカキ。本榊は関東より西の比較的温暖な場所で自生しているため、西で榊といえば本榊です。どちらが良い、とは申し上げられませんが、ワタクシのお店では国産本榊を採用しており、「神棚は国産本榊」という方は、遠方でも我が店を探してお越しになります。

 スーパーなどでも入手できる榊は安価な中国産が圧倒的ですが、手頃なぶん、日持ちは残念な結果に。本来なら神仏に関するものは極力国産にこだわりたいけれど、入手困難な国産本榊を入手するためのストレスを考えたら……正直どちらでもいいじゃない? と、お伝えしたく存じます。

 天候や後継者問題に左右され、価格・質ともに満足な国産本榊の仕入れが困難だった時期、ワタクシはいよいよ発狂! 花市場のお兄様に「自分で収穫するから本榊の木を仕入れてくれぃ!」とお願いしましたら、「バカ言ってんじゃねぇ」と叱られました。

 実は、雌雄一体で万世一系の神聖な本榊は皇室の象徴でもあり、簡単に挿木で増やせず、増やすのなら、実からしか育たないとされているとのこと。「実を植えたとしても収穫する頃には、斑目さん、あんたはもう死んでいる」と言われてしまいました。

榊の替え時は?

 神道では毎月1日と15日が縁起の良い日。両日が榊をお供えする日になりますが、枯れていないのであれば、無理に換える必要はないとされています。環境にもよりますが、国産の本榊の日持ちは恐ろしいほど。きちんと手入れをしていれば半年持ち、1年に2回しかお会いしないお客様もいらっしゃいます。

 手入れのコツは、こまめな水換えと茎の切り戻しを繰り返すこと。ただし、神棚がエアコンの吹き出し口近くにあったら、長持ちは諦めてくださいませ。神棚において榊は、神様の居場所でございます。繁栄を信じて絶やさずお供えを続けてください。

 お迎えした神様がいつまでもアナタに幸せと安定を与えてくれますことを……遠いお空の向こうからお入りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


女+家=嫁…「嫁ぐ」と「結婚」の違いはある?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第68回「コウメばあちゃんはどこ?」
【連載第68回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
貸したお金を催促するのにこんな手が…! モヤモヤを解消するLINE3選
 人にお金を貸した後、なかなか返してくれなかったら、とても嫌な気持ちになりますよね。  とはいえ、お金の話は、言い...
電マの営業からラブホの清掃員へ…羞恥心とも戦うストリッパーが思うこと
『電マの営業・新井です!』(略して「電マの新井」)という新作が大変好評だ。  書店員にとっての新作といえば「新しく...
口喧嘩で負けたくない! 勝ちたい時に使えるマル秘戦術3選
 みなさんは誰かと口論になった時、どんな戦法で勝ちにいきますか?  方法は十人十色ですが、今回は代表的な勝ちパターン...
凍り付いた湖の夜が更けて
 もしも突然、この瞬間に、氷が解けたらどうなるんだろう。  そう思いながら、凍て付いた湖の上に立つ自分が結構好き。...
「レンジでゆたぽん」人気じわり..足を温めると眠りやすい!
「レンジでゆたぽん」を知ったのは、年末年始に長野県の義実家に行った時。寒がりな私を気遣って、義母が用意してくれたのです。...
青空にオレンジボディが映え“たまたま”の見返りメンチにキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
私って性格悪い? 自分のダークサイドを自覚した4つの瞬間
 誰の心にだって、優しい部分と優しくない部分が存在するもの。そうわかっていても、自分の心のダークサイドを自覚すると「もし...
卒入学、彼岸、送別会【花屋が教える】予算内で理想の花束を贈る7カ条
「斑目さん、今年こそは頑張って期限内にお願いしますよ!」  お正月がなんとなく終わったばかり、なんて思っていたら、我が...
「とにかく盛り上がるやつ頼むよ」ってさぁ 先輩の無茶ぶりLINEがすぎる
 お笑い芸人の松本人志とその後輩芸人たちによるアテンド飲み会が話題になっていますね。  ニュースの真偽はともかく、...
2024-02-21 06:00 ライフスタイル
仕事のサボりがバレた瞬間4選 リモートワークは意外と見られている!
 近年では、リモートワークやフレックスタイムなどの制度が導入されて、数年前よりも働きやすくなりました。  一方で、自由...
真似から始まったファッションも、いつか体に馴染むもの
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
年の差婚の弊害?夫の“昭和の価値観”を持つ息子の将来が不安すぎる件
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  私の夫は10...
仕事のモチベが上がらない!30女40女のやる気スイッチをONにするテク
 どんなに好きな仕事でもモチベーションが上がらない時だってありますよね。気持ちが乗っていない時は、ミスしたり、時間が永遠...
この子を育てるのは無理かも…発達障害児がストレスで鏡に刻みかけた言葉
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...