アイドル→デキ婚→六本木のホステスへ 禁断愛の口内射精 #2

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-04-28 19:43
投稿日:2023-04-21 06:00

これまでのあらすじ

地下アイドルやってます(写真:iStock)
地下アイドルやってます (写真:iStock)

 10代からアイドルデビューし、現在も地下アイドルとして活躍中のR美さん(43歳/バツ2独身・子供アリ)。

 サラサラのロングヘアにキュートで愛らしい顔立ち、スリムな体型はとても40代で2人の息子を持つ母には見えない。まさにアイドルのオーラを感じさせる。

 そんな彼女には常に「男運の悪さ」が付きまとっていた。DV男、アル中男、浮気男――元カレは揃ってダメンズばかり。

 しかし、気づいたら落ちているのが恋だ。40代になった今、R美さんには恋心を抱いている年下の男性がいる。

 相手は、地下アイドルのライブを開催しているライブハウスの店長Jさん(35歳/独身)だ。コロナの影響で定期的にライブを行っていたライブハウスが潰れてしまい、困惑したタイミングでの出会いだったという。

念願のアイドルになるも妊娠→活動休止

家族への憧れがあった(写真:iStock)
家族への憧れがあった (写真:iStock)

 前回に引き続き、まずは、R美さんのアイドルに至る経緯、男性遍歴をお伝えしたい。

 17歳の時に某人気アイドルグループの「追加オーディション」に合格したR美さんは、高校を退学し、アイドルの道を歩み始める。しかし、活動は4年間しか続かなかった。理由は「妊娠」だ。

 秘かに付き合っていた9歳上のバンドマンの男性との間に子供ができ、彼女は産む選択をする。その背景には、早くに父を亡くし、実母が女手ひとつで育ててくれた母子家庭ゆえの家族への憧れがあった。

 事務所は渋々「体調不良による活動休止」とファンに公表した。22歳で男の子を出産したR美さんは、母になった幸せを噛みしめていた。

酒におぼれた夫からの暴言

将来がパーだ!(写真:iStock)
将来がパーだ! (写真:iStock)

 夫も最初こそ喜んでいたが、徐々に酒浸りの生活に変わっていく。実は、R美さんを妊娠させたことで、ミュージシャンとして決まっていた仕事が立ち消えし、大きなチャンスを失ってしまったという。

 夫は酒に溺れ、帰宅しない日が続いた。その上、R美さんはショッキングな暴言を吐かれてしまう。

――「今日は安全日だから」と誘ったのは、お前のほうだったよな。

――えっ?

――まんまとお前にハメられたよ。くそっ! お前のせいで、俺の将来がパーだ!

 離婚したのはR美さんの息子が10カ月になったころだ。幸い、実家が東京の品川にあったため、R美さんは息子をつれて実母と3人で暮らすようになる。

離婚後は六本木の高級クラブで働くように

「担当」の黒服に恋心を(写真:iStock)
「担当」の黒服に恋心を (写真:iStock)

 そして生活のため、知人に紹介してもらった六本木の高級クラブのホステスとして働く流れとなった。24歳のことだ。

 R美さんは水商売に溶け込めた。もともとお酒が好きで、人と接するのも嫌いではない。何よりも「人気アイドルグループの元メンバー」は売りになり、加えて5時間の勤務で日給3万円という大金を稼ぐことができた。

 ホステス業に慣れたことのひとつに、黒服Nさん(26歳/独身)の存在が大きかったという。クラブでは、ホステスの仕事やプライベートの悩みを相談できる「担当」がいる。

 R美さんの担当はNさんだった。スラリと背が高く、野性味あふれる濃い顔立ちの彼は、もともとR美さんのアイドルグループのファンだったようだ。

 しかし、公私混同せず、指導は厳しかった。

 R美さんが少しでもだらけた接客をしていると「R美ちゃん、あんなだらけた接客じゃお客様に失礼だよ」とビシッと注意し、反面、リピートのお客様から指名が入れば「R美ちゃん、その調子!」と励ましてくれる。顧客をつかむための相談にも親身になってくれる彼に、次第に惹かれていった。

 ホステスと黒服の恋愛はご法度だが、育児とホステス業のノルマに追われるR美さんは、Nさんへの思いを膨らませてゆく。

仕事で痛恨のミス! 落ち込んでいるときに…

もう限界…(写真:iStock)
もう限界… (写真:iStock)

 2人が一気に接近したのはある事件がきっかけだった。

 その夜、同伴の高級料亭で酔ったR美さんは、出勤時間を1時間も遅刻する失態をおかしてしまう。店に迷惑をかけ、先輩ホステスからは「プロ失格よ!」とのキツイ言葉を浴びせられた。

 閉店後、更衣室でひとり泣いているR美さんに、ドア越しにNさんから声がかけられた。

――R美ちゃん、着替えが済んだら少し話さない? 悩みでも、文句でも、言いたいことは何でも言っていいから、話を聞くよ。スタッフもホステスも帰ったから大丈夫。

 穏やかな声だった。入店時には新鮮だったホステスの仕事だが、同伴ノルマや指名ノルマが増え、日々、お客様をもてなす業務に疲弊し始めていた。

 リピート客を狙って無理やり笑顔を作り、派手なリアクションで場を盛りあげる。全ては生活のため。そして息子を育てるため――。

 本当の私をさらせるのはどこなの……?

 そう思っていたところに、Nさんからかけられた優しい言葉だった。

――ごめんなさい。少しだけ、甘えさせて……。

 R美さんは更衣室のドアを開けるなり、Nさんの胸に抱きついてしまった。彼女のその後は――。

 気になる続きの前に、第1話はコチラからお読みいただけます。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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