万年腰痛、諦めるな!苦痛から解き放たれるセルフケア3選【専門家監修】

コクハク編集部
更新日:2023-05-25 06:00
投稿日:2023-05-25 06:00

4. つらい万年腰痛には漢方もおすすめ

 慢性的な腰痛には、漢方でからだの内側からアプローチするのも有効です。腰痛に効く漢方薬には「急性の腰痛に効くもの」「慢性の痛みに効果が期待できるもの」などがあります。

 腰痛は、血行不良や冷え、ストレス、加齢や体力の低下、悪い姿勢などが原因で、腰や背中の筋肉が緊張して硬くなり、神経が刺激されることで生じると考えられています。

 腰痛の改善には、鎮痛作用で急性の痛みを和らげるだけでなく、

・血流をよくして痛みを改善する
・からだを温めて筋肉をゆるめる
・自律神経を整えて心因性の痛みを和らげる
・加齢による体力の衰えを補い痛みを和らげる
・全身に栄養を届け、関節や筋肉の機能を回復する

 といった働きのある生薬を含む漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 からだの内側から根本改善することで、腰痛をくり返さない体質を目指します。

 忙しい現代人にとって、ストレッチやツボ押しなどを毎日続けるのは大変かもしれません。しかし、漢方薬なら症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、無理なく気軽に継続できます。

 腰痛に効く漢方薬にはさまざまな種類がありますが、自分の症状や体質に適したものを選ぶことが重要です。自分に合った漢方薬を見極めるため、漢方薬に精通した専門家に相談してみましょう。

5. 万年腰痛の緩和におすすめの漢方

 万年腰痛で悩む女性におすすめの漢方薬を3つ紹介します。

5-1. 五積散(ごしゃくさん)

 慢性的に経過する腰痛で、痛みの程度が比較的穏やかな場合に処方される漢方薬です。

 冷えや月経痛、神経痛が気になる人にも用いられます。

5-2. 桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

 比較的体力があり、のぼせて便秘気味の人に向いています。

 腰痛や更年期にともなう肩こりや頭痛、めまいの改善などにも処方されます。

5-3. 牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

 疲れやすくて四肢が冷えやすく、排尿トラブルのある人に適した漢方薬です。腰痛のほか、冷えやしびれ、頻尿が気になる場合にも処方されます。

 また、スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。

 お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

6. 負のスパイラルを断ち切って万年腰痛にさようなら!

「えりのさん。万年腰痛について教えてくださって、ありがとうございます」

 まさみさんは、穏やかな笑顔でお礼を言いました。

「お役に立てたみたいで嬉しいわ」

 えりのボスは、まさみさんの顔を見てふと気づきました。

「あなた、とてもいい笑顔になったわね!」

「私、今、笑ってました?」

 まさみさんは、ちょっと驚いているみたいです。

「そういえば私、今は腰痛のことを忘れていました。えりのさんの言うように、痛みを気にしすぎないようにするのって、とても大切ですね」

 幸せそうにつぶやいたまさみさんを見て、えりのボスにも自然と笑顔がこぼれます。

「また気になることがあったら、いつでもサロンにいらっしゃい」

「はい!」

 明るい表情でサロンを去っていくまさみさんを、優しく送り出すえりのボスでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)

 薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


30代でもう更年期?【薬剤師監修】原因不明のイライラモヤモヤ…「プレ更年期」の症状と軽減方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
聞こえづらさの“元凶”はあのイヤホン!? 【薬剤師監修】老化以外に考えられる意外な原因の正体
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代の“愛されボディ”ってなに? 自分をもっと好きになるための美習慣&エクササイズ
 40代になると、どうしても筋肉量が落ちてきたり、たるみが気になったりと20代と同じにはいきません。  でも、40代な...
40代の“好印象デート”はスニーカーorヒール、どっちが正解? 賢い選び方と注意点
 40代女性がデートをする時、スニーカーとヒール、どちらが男性から好印象を抱いてもらえるのでしょうか?「デートといえばヒ...
あー、「髪のうねり」で見た目も不満も爆発寸前! 薬剤師が紹介する毎日の簡単ヘアケア&セットテク
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
毛剃りといえば貝印!VIO専用電動シェーバー2種を徹底比較。本田真凜のように肌の上を美しく滑るのか?
 話題のコスメや、広告でよく見かける化粧品や日用品。「webでよく見るあの商品、本当にイイの?」「買ってみたいけれど、口...
JK界隈で流行りの「seju顔」とは何ぞ? アラフォーでも“違和感ゼロ”なメイクのコツ
 seju顔とは、インフルエンサーやタレント、モデルなどが所属する芸能事務所「Seju」が由来になっている言葉。元テレビ...
キスに集中できん!彼氏の塩対応はいやーな口臭のせい?【薬剤師監修】口の臭いの原因・セルフチェック・対策
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
老け疲れ顔の原因No.1目の下のクマ! 種類別、ヒアル顔回避の治療法は?【目元の美容専門医師が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、...
【美容のウソ・ホント】ほうれい線がマッサージで消えるって本当? 医師3人の答えは/専門家監修
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
更年期のセックス「痛いから演技しちゃう…」【薬剤師監修】性交痛対処のイロハ&おすすめの漢方薬
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
運動不足を5つの工夫で解消! 忙しいワーママの美BODYゲット大作戦
 体を動かすのが好きな人やダイエットをしたい人、健康になりたい人にとって、運動はとても大切ですよね。でも「忙しいワーママ...
「目が死んでる」アラフォー女性の“大損”アイメイク。20代女性が僭越ながら再現してみました
「目は口ほどに物を言う」ということわざの通り、目元が周りに与える印象は大きいですよね。  ですが、アイメイクのせい...
食欲の秋ですが! ダイエット失敗談“あるある”6連発、そりゃ痩せないよね…
「ダイエットをしても、いつも必ず失敗してしまう」と、痩せられないことに悩む人は多いようです。なぜ、みんななかなか痩せられ...
歳は取るもの、尿はちょい漏れるもの!? 40代向け尿漏れ対策に取り入れたいセルフケア【薬剤師解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...