飛ぶためには一度なにかを手放す必要がある 2023.7.23(日)

小原玲 動物写真家
更新日:2023-07-23 06:00
投稿日:2023-07-23 06:00
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナガの写真とともに、勉強に仕事に恋愛に、毎日をがんばる私たちの背中を押してくれる、きょうのシマエナガちゃんの“ひとこと”です。

 小さな子どもって意外と所有欲が強い。集団でいても「これは○○ちゃんの!」としっかり線引きしていたりする。

 そんな中で、両手いっぱいにモノを抱えて動けなくなっている子がいた。お気に入りの絵本に毛布、ボール、ぬいぐるみ……どれも手放す気になれないようで、にっちもさっちもいかなくなっている。

 初めて自覚的に何かを手放したのはいつだろう? 何かに負けたような気がしてつらかった記憶がある。

 それでも、ひとつ下ろしてみたら思いがけず体が軽くなった。どこへでも走って行けそうな気がした。

 手放すのがイヤなら、すべてを持ったまま走れる筋肉を鍛えるのもひとつの選択肢。軽く生きるか、重く生きるかは人それぞれ。

小原玲
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動物写真家
1961年、東京都生まれ。茨城大人文学部卒。写真誌「フライデー」の専属カメラマンを経て報道写真家として国内外の雑誌での活動後、動物写真家に転身。近著に写真集「シマエナガちゃんの日々 - ぼくはここにいるよ -」(ワニブックス)や「Kiss!」(小学館)や「アザラシの赤ちゃん かわいいのヒミツ」(講談社)などがある。2021年11月、永眠。
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