セックスは嗜好品ですか? 子宮頸がんサバイバーの性生活を語ります
ずっと元気に暮らしていたのに…
毎日シャカリキに働いていましたし、旅行や飲み会に行ったり、ピラティスやフットサルをしたりと、精力的に動いていたので、まさに晴天の霹靂。
ただ、悠長なことを言っている時間はないんだな、とは医師の言動からよくわかりました。
ステージ1予想でも子宮全摘出、人工的に閉経へ
促されるままにCT、MRIなどを経て、がんのサイズは2cm未満。術前に子宮頸がんのステージ1B1期(この段階での予想。手術後に転移があるとステージが変わるため)と診断されました。
ステージ1予想ではあったけれども、悪性度が高いとされる「子宮頸部腺がん」ということで、2018年7月に「広汎子宮全摘出術」を受けました。
これは婦人科の中でもっとも大きな手術といわれ、卵管、卵巣、腟および子宮周囲の組織を含めた広い範囲で子宮を摘出する手術。同時に骨盤内のリンパ節郭清も行われ、手術時間は9時間にも及びました(麻酔で寝ているからこちらは何時間でも同じなんですけどね)。
42歳のときに、子宮頸がんによって「子宮、卵巣を失い」、人工的に閉経することになります。
「症状がある」のは進行の証し
子宮頸がんと診断されるまでに、1年半以上に渡って自覚症状がありました。「おりもののにおい」「そして性交後の不正出血」「激しい生理痛」です。
子宮頸がんは初期症状がないと言われているので、症状が出てくるのは進行の証し。
性交後の出血、異臭を伴うおりもの異常、性交中の骨盤痛が症状とのことですが、まさにすべてを自覚していました。婦人科を受診したり、人間ドックで相談したりしていたのですが、見つからなかったのですよね。
子宮頸がんのうち8割が「扁平上皮がん」。検診で早期に発見されるほとんどが、このがんだそう。逆に「腺がん」は検診での発見が難しく、進行して症状が現れてから発見されるケースが多くなっているそうなので、今の医学では限界だったのでしょう。
とはいえ、幸いにも「転移がなく、がんは手術ですべて取りきれた(はず)」ということで放射線や抗がん剤といった化学療法はなく、術後は体力の回復をはかりながらこれまでのように日常生活を営めることに。
……という、簡単な話ではなく。
卵巣がないことで、想像以上に体に不調をきたすようになります。
次回に続きます。
(文=石見かぐら/ライター)
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