セックスは嗜好品ですか? 子宮頸がんサバイバーの性生活を語ります

更新日:2023-06-22 18:37
投稿日:2023-06-03 06:00

がんになって変わること

 日本人の2人に1人が罹患するといわれる「がん」。

 ひと昔前なら不治の病とされていましたが、今は早期発見と手術や化学療法で寛解する人も珍しくなく、がんサバイバーとしてその後の人生を豊かに過ごすことも可能になっています。

 とはいえ、がんの治療で体や心に傷を負うと、これまでの生活とまったく同じ、とはいかないことも多いです。

 食事が難しくなったり、呼吸が苦しくなったり、排尿や排便が難しくなったり、見た目に変化が起きたり。そしてその1つに、性生活があります。

がん患者の性生活は語られてこなかった

 がんの中でも、特に女性特有の乳がん、子宮がん、卵巣がんなどや、男性特有の精巣がん、そして男女ともに膀胱がんなどは性生活に影響するとはさほど知られていません。というよりも語られていないといったほうが正しいでしょうか。

「命が助かったんだから、それはもういいじゃないの」と、いうことでしょうか。セックスは嗜好品かなにかのように捉えている医師もいると聞きます。

 がんになったことで、性生活に対する考え方が変わったり、性生活に前向きになれなかったりすることもあると思います。

 でも、性交渉はコミュニケーションの1つの手段として、やはり大切なこと。いえ、コミュニケーションとかかっこつけた大仰な言い方をしてみましたが、「欲望のおもむくままにしたい!」と言ったっていいはず。

 だって生きてるんですから!

 前置きが長くなりましたが、子宮頸がんに罹患した者の1人として、がんと性生活について語ってみようと思います。

42歳女、未婚。突然のがん宣告

 さかのぼること5年、2018年5月のことです。

 止まらない不正出血を相談するために婦人科に行きました。内診ののち「異常はなさそうだけど、ご希望があれば子宮頸がんの検査もできますよ。念のためしておきます?」と聞かれ、子宮頸部の細胞診を受けました。

 1週間後、病院から連絡があり、結果は「クラスⅤ」。

 細胞診の分類はクラスⅠ~Ⅴまであり、クラスⅠは以上なし~クラスⅢaで軽度異形成~クラスⅣbで高度異形成。高度異形成は「前がん状態」などとも言われます。

 これまで子宮頸がん検診は年1回欠かさず受けており、前がん状態を疑われたことは一度もなかったのに、いきなりのクラスⅤ。クラスⅤは「悪性腫瘍」、つまり「がん」だと言うのです。

 がーん。

 当時、私は42歳、未婚。突然のがん宣告でした。

 ところで、私自身もそれまで知らなかったのですが細胞診のクラスと、がんの進行具合でよく耳にするステージは違います。ステージ5かと思って「4より先…! 怖っ!」と思ったんですよね。

よく調べないとがんの状態はわからない

 子宮頸がんは(おそらく他のがんもだと思いますが)、細胞診だけでステージは確定しません。細胞診のあとに精密検査を受け、原発を特定し、がんの大きさや浸潤の深さ、そして転移の有無を調べ、ようやくがんの状態がわかります。

 そして、場合によっては手術後までステージは確定しないのです。

 がん告知といっても、とにかくがんであることだけが伝えられ、私の場合はそのがんの「悪性度の高さ」が伝えられました。

 がんにもタイプがあって、見つけやすいがん、見つけにくいがん、治りやすいがん、再発しやすいがん……。私の場合は見つけにくく、再発しにくい「腺がん」でした。

ライフスタイル 新着一覧


夏の納会、どうする? 幹事の “苦労あるある”と負担を軽くするコツ
 会社の飲み会、友人同士の集まり、歓迎会に送別会。イベントの数だけ“幹事”は存在します。「幹事を任されるのは、信用されて...
黄色いドライフラワーで「金運」アップを! 置いちゃいけないNGゾーン。埃まみれは問題外です【専門家解説】
 お花を飾りたい気持ちはある。それなのに…気づけば水は干上がり、葉っぱもカリカリ。そんな経験ございませんか?  ワ...
毎日バレー2時間って部活か!?地獄の「PTA役員」5つの体験談
“PTA役員”と聞くだけでゾワッとする保護者は少なくないはず。その理由の大半は、このような地獄体験が待っているからでしょ...
大容量コスメで“損”をする? お金がたまらない人がやりがちな「美容アイテム」のワナ【美容家監修】
 物価高なのに、所得は満足に上がらない我が国ニッポン。その影響は、日々の美容費にも。  しかし「おトク」だけを意識...
夏休み目前! 旅行で失敗したこと、2位は「移動」問題。老体に“夜行バス”はもう無理~
 旅行中、「ここは節約しよう」とケチったことであとから後悔した…なんて経験はありませんか? 「なんであのとき、もうちょっ...
スキマに夢中な“にゃんたま”くん、向こうに何が見える?「もう一つの世界があるにゃ」
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
あれ、意外と楽しい? PTA役員をやってよかったこと6選。変な校則を改定、学校のマル秘情報もゲット
“PTA役員”と聞くと、「なりたくない」「面倒くさそう」とネガティブな感情が湧く保護者が多いでしょう。しかし、「なってみ...
キャー!ガチで恐ろしかった5つの体験談。義父が亡くなった日、義母がニヤリと笑っていた
 あなたがこれまでの人生でいちばん怖かった出来事はなんでしょうか? 霊的な体験、人間の恐ろしさなど、今回はさまざまな“ゾ...
【動物&飼い主ほっこり漫画】第100回「お散歩のバイトだワンワン」
【連載第100回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
独身と既婚、正反対な女ふたりの悲しい共通点。高級ディナーより“551の肉まん”が羨ましい理由
 実久は妻子ある男性と交際をしているが、その日は彼に「仕事が入った、先に行っていて」と言われ、大磯のプールリゾートに先乗...
仕事や恋に謳歌する私と、髪を振り乱して子育てする彼女。本当に「幸せ」なのはどっち?
 実久は妻子ある男性と交際をしているが、その日は彼に「仕事が入った、先に行っていて」と言われてしまう。大磯のプールリゾー...
子供の粗相は許して当然? 鼻につく母親の口ぶり…私は「子連れの女」に同情することにした
 東海道線・グリーン車で都内から1時間弱。それからバスで10分くらい。やっとたどり着いたのは、歴史あるのどかなリゾートホ...
プロ童貞の足が「渋谷」から遠のいたワケ。行かなくなった街と人気が出た街、どう違う?
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
夫が「子育て」のこと全然わかってない! 妻が心底ゲンナリした無知発言
 男性も育児に関わるようになった時代ですが、まだまだ女性がメインでしている家庭は多い様子。そして夫の一言に「子育てわかっ...
“謝罪”LINEにイラッ「ごめんねww」って笑いごとじゃないのだが?
 自分が原因の問題に対して謝罪をするとき、心をこめないとかえって相手を怒らせてしまいます。文字や絵文字でしか伝えられない...
マジ最悪! “隣人ガチャ”大ハズレ、悪夢の引っ越し体験談。浮気相手が隣ってどんな確率?
 異動や転職、結婚などで新生活をスタートさせる際、引っ越しをする人もいますよね。その際、隣人ガチャでハズレを引き、トラブ...