公共便所どうなる?波紋広がるジェンダーレストイレ問題、誰が我慢すべき

ミクニシオリ フリーライター
更新日:2023-06-29 06:00
投稿日:2023-06-29 06:00

公共トイレが話題になりやすい理由

 登場から物議を醸す「東急歌舞伎町タワー」(東京・新宿区)のジェンダーレストイレ。多様性に配慮する目的で作られましたが、実際は「使いやすい」と判断されず、「犯罪の温床になるのでは」と人々の不安を呼びました。

 パパ活という名のもとに個人売春を行う少女たちが、性別問わず利用できることで「ラブホテル代わりにしているらしい」という情報も週刊誌から発信され、さらなる“炎上”を呼ぶことに……。

 未だ収まらない各地の「トイレ改革」に対する反対意見も飛び交い、日本の公共トイレはどうなっていくのでしょうか。

  ◇  ◇  ◇

 通称・歌舞伎町タワーは2023年4月にオープンしたばかりで、横丁系フードホールやライブハウス、映画館、演劇シアターなどジャンルレスなエンターテイメントを集めた複合型ビルです。

 高層階にはホテルを併設、国内外さまざまな利用者を見込んで同タワーの2階にはジェンダーレストイレが設置されました。

犯罪の温床になりやすい

 ジェンダーレストイレには向かって右側に女性用トイレ(5基)、左側に男性用トイレ(2基)があり、手洗い場も共用。同じ空間内に男女が居合わせる状況に実際に利用した人々から不安視する声があがりました。

 たとえば、女性からは「メイク中もトイレから男性が出てきたり、清掃スタッフも男性であることに恐怖を感じる」、男性からも「女性に気を使ってしまう」など。5月には週刊誌に「個人売春に利用している女性がいる」というタレコミも入ってしまいました。

 何かと話題になりやすい公共トイレですが、その理由は「トイレが犯罪の温床になりやすい場所」だからでしょう。誰でも使えてしまう個室空間は、設置場所によっては性犯罪や命に関わる問題に繋がりかねない。

トー横から徒歩2分

 特に歌舞伎町タワーは、家出少女や夜遊びする若者の集う「新宿トー横」のほど近くでもあります。

 かつて渋谷の某ディスカウントショップの公共トイレでも、望まない妊娠をしてしまった若者に向けて「心の健康相談ダイヤル」が掲載されていると話題になりました。今の歌舞伎町も心身の課題を抱える若者たちが集いやすく、他所のジェンダーレストイレと比べても、不安が持たれやすかったのでしょう。

ミクニシオリ
記事一覧
フリーライター
フリーランスの取材ライター・コラムニスト。ファッション誌や週刊誌、WEBSITEメディアなどで幅広く活動。女性向けのインタビュー取材や、等身大なコラム執筆を積極的に行う。いくつになってもキュンとしたい、恋愛ドラマと恋バナ大好き人間。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


大谷の“一平ちゃん騒動”で不安 友人との金銭トラブルQ&A~弁護士解説
 ドジャースの大谷翔平(29)の専属通訳を務めていた水原一平氏(39)が、違法賭博に関与したとして球団から今月20日、電...
【スナック超入門編】どんな場所?若葉印のホステスが実感する5大特徴
 みなさんは、そもそも「スナック」がどんなところかご存知でしょうか?  キャバクラやガールズバーとは何が違うの?...
高級クラブのホステス→ギャラ飲み嬢に 面識なしで突然10万円ギフトが…
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
「正しくないこと」が「美しくない」とは限らないと知った
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
松田聖子まさかの中大法学部を卒業! 通信制の学び直しで成功する人は?
 先日、歌手の松田聖子さん(62)が中央大学法学部の通信教育過程を卒業したことが話題になりました。近頃、通信制大学で学び...
瞬き厳禁! 春到来の歓びを表現する黒“たまたま”を見逃すな
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スタレビの名曲が聞きたい!仏教と深い関係のある「木蓮」とその仲間たち
 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋は、ただいま卒業式や送別など春特有のイベント仕事で、いつにも増して花まみれの毎日...
“炎上常連”麻生さん級の「ルッキズム失言」していませんか?
 最近、よく耳にするのが「ルッキズム」という言葉です。政治家や芸能人が、何気なく言った一言で「ルッキズム発言だ」と叩かれ...
女の敵は女だから?忘れた頃にぼっ発する「専業主婦論争」をガチで考える
 セックスレスやセルフプレジャー、夫婦の在り方などをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  X(旧Twi...
職場の同僚ランチが苦痛すぎる…一人の時間を確保する4つの冴えた処世術
 業務内容へのストレスより、職場でのランチタイムが苦痛という人は多いですよね。正直、仕事で疲れているのに、休憩時間まで同...
離婚→シンママになり、心底よかったこと4つ 我慢は美徳っていつの話?
 世間では、離婚してシンママになった女性に対して「かわいそう」「大変そう」といったイメージがあるかもしれません。  で...
春まであと少し?
 残雪の甲斐駒ヶ岳を背にすっかり葉も落ちた葡萄畑  春まであと少しが意外と長い
春のお花と記念撮影にゃ! ウサギみたいなしっぽの“たまたま”
 きょうは、ウサギ君みたい! しっぽの短いにゃんたま君に出逢いました。  しっぽが短い猫は長い猫と比べると、臆病で...
ほっこり癒し漫画/第70回「すぷりんぐファミリー」
【連載第70回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
男と女の物語、だからこそ「娚」の当て字が使われた
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
「場所代は200円いただくわ」堅実というかケチ!名目別に徴収するママ友
 ママ友と仲が良いといっても、子どもありきの関係。価値観や金銭感覚など、すべてが合うとは限りませんよね。  中には、マ...