思いもつかない理由で「常識」は簡単にひっくり返るから…

小原玲 動物写真家
更新日:2024-03-01 06:00
投稿日:2024-03-01 06:00
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナガの写真とともに、勉強に仕事に恋愛に、毎日をがんばる私たちの背中を押してくれる、きょうのシマエナガちゃんの“ひとこと”です。

 そういえば、数年前と比べて街の風景が大きく変わった。マスク。まあ、変わったというか、戻ったんだけど。

 それまでの常識が一変して先が見えないあの頃、「今後、もうマスクなしの世界は戻ってこないんじゃないか」という気持ちにさせられたこともあった。

 電車のなかで、マスクをつけてない人が白い目で見られたり、咳をした人が責められたり。それを「まあ、そうだよな」と思う空気が「常識」になってた。

 みんながマスクをして歩いてる風景が常識になるなんて、さらにその数年前は、誰も予想してなかったよね。そして、あれほど簡単に常識って「転換」しちゃう。

 最近ふと、あの頃の街の風景を「異様だったな」と思い出す。でも、そんな常識なんて、空気なんて、ウイルスひとつでひっくり返る。

 今回は元に戻ったけど、ひっくり返ったまま変わらない常識もあるはず。次は来るのは、どんな「転換」なんだろう。

小原玲
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動物写真家
1961年、東京都生まれ。茨城大人文学部卒。写真誌「フライデー」の専属カメラマンを経て報道写真家として国内外の雑誌での活動後、動物写真家に転身。近著に写真集「シマエナガちゃんの日々 - ぼくはここにいるよ -」(ワニブックス)や「Kiss!」(小学館)や「アザラシの赤ちゃん かわいいのヒミツ」(講談社)などがある。2021年11月、永眠。
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