「レチノール」って大丈夫? シミ・シワに“ほどほどケア”で取り入れたい

コクハク編集部
更新日:2023-09-07 06:00
投稿日:2023-09-07 06:00

3. シミ・シワの対策で自分でできる3つのこと

 レチノール以外の、手軽にできるシミ・シワ対策を3つご紹介します。

3-1. 正しいお手入れ方法

 高価なスキンケア製品を使っていても、お手入れ方法が間違っていたら十分な効果が得られません。下記の正しいお手入れ方法で、美肌を目指しましょう。

a. ハンドソープで手を洗い、清潔にする。

b. クレンジングを、おでこ、両ほほ、鼻、あごの5点に置き、くるくると塗り広げてメイクとなじませ、ぬるま湯で洗い流す。

c. 洗顔料は泡立ててから顔の5点に置き、泡をクッションにして優しく洗い、ぬるま湯で洗い流す。

d. こすらずに、タオルを顔に押し当てて顔の水分を取る。

e. 手やコットンで、摩擦に注意しながらすぐに化粧水をつける。

f. 化粧水がなじんだら美容液を塗り、最後に乳液やクリームを塗る。乾燥が気になる部位は重ね塗りをする。

  ◇  ◇  ◇

 夜はクレンジング、朝は洗顔から始めます。外出するときは、レチノールの使用の有無に関わらず、日焼け止めを塗りましょう。

 美容液は、製品によって使うタイミングがさまざまなので、使用方法をよく確認しましょう。また、どのアイテムも使用量が少ないと、肌に摩擦が起きたり保湿効果が十分に得られなかったりするため、パッケージに記載されている目安量を守ることが大切です。

3-2. 食事と睡眠の見直し

 栄養や睡眠が不足すると、肌細胞の産生や修復が十分にできず、肌悩みが増えやすくなります。

 食事は、厚生労働省と農林水産省が共同で策定した「食事バランスガイド」を参考に、さまざまな栄養素をバランスよく摂取することを心がけましょう。

 睡眠は、成長ホルモンがもっとも分泌される入眠から3時間前後に熟睡していると美肌作りに効果的です。

3-3. 「医薬部外品」や「薬用」を使用してお肌のケアを行う

 市販のスキンケア製品のなかには、日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐ、シワを改善するなど、有効な成分が配合された医薬部外品があります。「薬用」は医薬部外品として認められている表示です。

 レチノールも、シワを改善する有効成分として、2017年に認可されました。

 スキンケア選びが難しいと感じる方やより効果を実感しやすいものを求めている方は、医薬部外品や薬用の表示を参考にしてもいいでしょう。

4. レチノールやお手入れ方法の見直しで肌の劣化を防ごう

「シミやシワ対策は、レチノールだけでなくて、いろいろな方法があるのですね」

 博美さんは目を見開いて、えりのボスの話を聞いていました。

「ええ、自分に合う方法を見つけて、ケアを頑張ってほしいわ。レチノールも、エイジングケアには高い効果を期待できるから、一度試してみてもいいかもしれないわね」

「たくさん教えていただき、ありがとうございます」

「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 優しい表情でサロンを去っていく博美さんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方ライター 円山 真由佳(えんやま・まゆか)

 医薬品登録販売者。ドラッグストアでの医薬品・化粧品販売を経て、市販薬の使い分け方を広めるべく執筆・情報発信を行う。美容薬学・アロマテラピーの資格を保持し、インナーケアや女性の不調ケアにも精通している。表面的な悩みの奥にある潜在的な悩みをくみとり、対症療法ではなく根本改善を目的としたアドバイスを得意とする。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


“ながら”美容ローラーちょっと待って! やってはいけない8つの美容習慣
 年齢とともに、肌や身体の変化を感じながらも「いつまでも若々しくいたい!」と抗ってしまうのが女ゴコロ。自分なりの美容習慣...
「首&デコルテ」に年齢が出ます! 毎日習慣化させたい4つのセルフケア
 40代を超えると、シワやシミなどの肌ケアに力を入れる人は多いですよね。でも、意外と忘れがちなのが「首とデコルテ」のケア...
マッサージいらずの肩こり解消法!根本原因の改善におすすめの漢方薬3種
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
やすりで削ると逆効果?ゾウ級「ガサガサかかと」正しい角質の落とし方
 足にまつわる悩みで多いのが「ガサガサのかかと」ですよね。ひどくなると、ストッキングが伝線してしまったり、パキッと割れて...
「フェイスパウダー」の使い方をマスター! プレストとルースの違いは?
 フェイスパウダーの正しい使い方をご存知ですか? メイク用品のなかではなんとなくスタメン落ちしがちなフェイスパウダーです...
ぷりっと美尻を作る4つの簡単“ながら”体操!アラフォーは始め時です
 アラフォーになると、だんだん代謝が落ちてきて体型が崩れてきますよね。何とかしようと、ダイエットに挑戦する人は多くいます...
関節が鳴る!ポキポキの正体は気泡!? 注目の骨活を解説【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
振袖腕どうにかしたい!薄着になる前にはじめたい二の腕ケア
 アラフォーに突入し、運動不足が原因で体がたるんできたなんて人も多いのではないでしょうか? 特に薄着の季節に気になるのが...
美髪で“後ろ姿年齢”-5歳に…「夜のヘアケア」正しい順番でやってますか
 若い頃は、艶がありボリューミーな髪の毛の人でも、加齢とともに髪はパサつき、ボリュームがなくなってしまうものです。つまり...
忙しい朝の救世主!5分で「血色メイク」ができる神コスメ4選
 慌ただしい朝はゆっくりメイクする時間もなく、丁寧にメイクするのが難しいですよね。しかしテキトーなメイクでは、いかにも手...
驚愕! 雑誌の付録なのに「EMS電気ブラシ」が付いてきた
 最新号「&ROSY」には、なんとEMS電気ブラシが付録でついてきます! 超軽量で使いやすく、頭皮・顔・ボディなど毎日の...
40代女性必見! 老けて見えないアイライン5つのテクニック
「なんか、今までのメイクがしっくりこない!」と感じている人はいませんか。特に、年齢が出やすい目元のメイクは悩みのタネ。「...
「お、いい感じ」美容家が惚れ込んで実践する『40代からの美髪レシピ』
 アラフォーと呼ばれる年代を過ぎてから、髪の不調に悩む人が増えます。ツヤやうるおい不足、なんとなく頭皮がかゆい、フケが増...
プチプラで節約美容! 高価じゃなくてもキレイになれる♡
 値上がりラッシュが続く今、財布の紐を引き締めて節約したいところです。もちろんプチプラでも、良いものはたくさんあります!...
メノポーズケアって何?“更年期予備軍”35歳から始めたい【専門家監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代の小娘が失礼を承知で…「アラフォーアイメイク」3つの残念すぎる
 街を歩いていると、まだまだマスクをつけている人が多いですよね。マスクをつけていると、どうしても人の視線は目元に集中しが...