物語が動き出した2週目、鈴子指導役は宝塚不合格の現役OSK男役スター

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-10-09 15:20
投稿日:2023-10-09 15:20

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第2週「笑う門には福来る」#6

 鈴子(澤井梨丘)は梅丸少女歌劇団(USK)に研究生として入団する。鈴子たち新入生は、まず先輩の稽古を朝から見て覚えていくことになった。

 新人教育係の橘アオイ(翼和希)は劇団のトップスター。鈴子たちは橘から規律を徹底的に叩き込まれ、厳しいバレエや踊りの稽古も始まった。

 そんな中、鈴子は父・梅吉(柳葉敏郎)と見て憧れた大トップ・大和礼子(蒼井優)が華麗に舞う姿を間近で見ることになる。

【本日のツボ】

強く 逞しく 泥臭く 艶やかに

 2週目がスタート。鈴子はめでたく梅丸少女歌劇団、略してUSKに研究生として入団しました。

 鈴子の歌を聞いて、「入れてやれ」と言ってくれた部長の林嶽男(橋本じゅん)の鈴子を見つめる目が優しくてホッとしています。

 これからも、こんなふうに鈴子を理解してくれる人たちが現れ、チャンスを掴み、成長していくことになるのでしょう。

 花咲の「清く 素直に 華やかに」に対抗し、こちらは「強く 逞しく 泥臭く 艶やかに」。

3語ではなく、1語足して4語

 3語に対抗するなら3語のほうがしっくりとくるのに、そこに「泥臭く」を入れて4語にするところがいかにもUSKらしく……。

 自己紹介の挨拶で、「ワテは花咲落ちてもうてここに来ました。ワテがこまいから落とされたってなんでやねん」と余計なことをつい喋ってしまう鈴子にはなるほど、父・梅吉が言うように「似合うている」かもしれません。

 おっとりお嬢さま風の白川幸子(小南希良梨)、快活で聡明そうな桜庭辰美(木村湖音)、鈴子の良きライバルになりそうな2人も登場し、いよいよ物語が動き始めました。

【おまけのツボ】

翼 和希(橘アオイ役)

 鈴子たち新人の教育係、橘アオイを演じる翼和希はUSKのモデルOSK日本歌劇団の男役スターということで話題になっています。

 ウィキペディアをみると、彼女自身も、宝塚を目指したものの不合格だったためにOSKに入団したとありました。鈴子と同じ境遇だったのですね。

 このドラマをきっかけに、OSKの知名度が上がれば、笠置シヅ子、京マチ子ら先輩たちに喜ばれることでしょう。

 ちなみに、宝塚の「すみれの花咲く頃」と同じように、OSKには「桜咲く国」というテーマソングがありまして、一度聞いたら耳に残るとてもいい曲なので、できればドラマでも登場して欲しいなあ、と。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


【写真特集】懐かしい!16年前の渡辺梓さん
  【この写真の本文に戻る⇒】「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になって...
「じゅん散歩」のロケに突然、朝ドラ女優が登場! しかも黒髪から“ファンキーヘア”になっていた
 リモートワークの日は、羽鳥さんのモーニングショーからそのまま「じゅん散歩」(月〜金曜9時55分、テレビ朝日系)を見るの...
「クソばばあ」に「クソ小僧」、涼子のリアクションにも注目
 寅子(伊藤沙莉)は、戦争によって航一(岡田将生)が背負った苦しみに寄り添いたいと思う。  一方、寅子から「よりど...
桧山珠美 2024-08-08 16:37 エンタメ
早くも“NHK御用達俳優”の片鱗が?「虎に翼」出演の岡部ひろきはそんじょそこらの2世俳優とは違う
 1日放送「ダウンタウンDX」(日本テレビ系・読売テレビ制作)に故・西城秀樹さんの息子・木本慎之介(20)が出ていました...
なぜ令和ロマンは賞レースに出続ける?3冠制しヘイトも無視する戦闘力
 芸歴10年以下のお笑い賞レース「ABCお笑いグランプリ」(テレビ朝日系/以下ABC)が7月7日に開催。M-1に続き、令...
帽子田 2024-08-03 06:00 エンタメ
航一の秘密、明かされる。久々の回想シーンでも発揮した直道の顔芸パワー
 判決後、涼子(桜井ユキ)の店で寅子(伊藤沙莉)らと杉田(高橋克実)たちは偶然顔を合わせる。  戦争で娘と孫を亡く...
桧山珠美 2024-08-02 16:00 エンタメ
【写真特集】ワンピース姿を披露する、珍しく清楚なあやまん監督
【この写真の本文に戻る⇒】 【独自レポ】あやまんJAPANは健在だった! Tバックにぽいぽいコール、コンプラ無視の危ない...
優未の言葉「困っている子を助けるのは普通」に教えられた真っ当なコト
 寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、涼子(桜井ユキ)の店がたびたび嫌がらせを受けていたことを知る。警察に相手にされず...
桧山珠美 2024-07-31 16:30 エンタメ
赤いミサンガの女・美佐江、来た~!“放置エピソード”の回収がお見事
 寅子(伊藤沙莉)と優未(竹澤咲子)の姿を見ていきなり号泣した杉田(高橋克実)。実は杉田は昭和20年の長岡空襲で娘と孫を...
桧山珠美 2024-07-29 16:45 エンタメ
目黒、ニノを“沼落ち”続出の松村北斗「西園寺さん」が猛追!視聴率やTVerではない意外なデータが急上昇
 7月も後半に入り、2024年夏期主要ドラマの初回がほぼ出揃った。その中でも特に、STARTO ENTERTAINMEN...
こじらぶ 2024-07-27 06:00 エンタメ
「ごめんなさい」を連呼する航一。“戦時中の何か”は来週判明する?
 玉(羽瀬川なぎ)の将来を奪ったのは自分だと、涼子(桜井ユキ)も悩んでいた。寅子(伊藤沙莉)は2人の決断を応援するため、...
桧山珠美 2024-07-29 15:49 エンタメ
涼子さまの消息も明らかに…「ヒロインじゃない面々」のその後を描く意味
 寅子(伊藤沙莉)は「学校に友達はいない」という優未(竹澤咲子)の発言が気にかかる。  出勤すると、杉田(高橋克実...
桧山珠美 2024-07-23 15:45 エンタメ
夏ドラマ何見てる?『新宿野戦病院』『ブラックペアン2』への本音を調査
 2024年7月スタートの夏ドラマが出揃ってきましたね。今期もたくさんのドラマが放送していて、どれを見ればいいのかわから...
“カウンセラー”星航一(岡田将生)、ちぐはぐぶりがチャーミングだった件
 父親の話が聞きたいと言う優未(竹澤咲子)に、寅子(伊藤沙莉)は優三(仲野太賀)の話をすることができない。寅子は航一(岡...
桧山珠美 2024-07-18 15:50 エンタメ
なぜ塚地武雅、藤井隆はドラマ出演が続く? 不人気芸人との決定的な違い
 7月に入り、2024年夏の新ドラマが次々にスタートしています。なかでも話題になっているのが、宮藤官九郎脚本の『新宿野戦...
高橋克実「ショムニ」超えの名演技に注目!歴代朝ドラで舌打ちといえば…
 山の境界線をめぐる現地調停で書記官の高瀬(望月歩)と申立人の森口(俵木藤汰)との間にトラブルが発生。寅子(伊藤沙莉)も...
桧山珠美 2024-07-17 15:30 エンタメ