「らんまん」のデジャヴ? ヤバ藤化するダンサーの中山、秋山逃げて~

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-11-14 16:15
投稿日:2023-11-14 16:15

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第7週「義理と恋とワテ」#32

 内緒の話があると松永(新納慎也)から呼び出されたスズ子(趣里)は、梅丸のライバルである日宝に一緒に移籍しないかと誘われる。

 突然の引き抜き話に戸惑うスズ子に、羽鳥善一(草彅剛)は大反対する。梅丸には義理があるとスズ子は悩むのだが……。

 一方、秋山(伊原六花)は、ダンサーの中山(小栗基裕)からプロポーズを受ける。しかし、どこか違和感を抱いている秋山は、この話を受けていいのか悩んでいた。

【本日のツボ】

ヤバ藤(@らんまん)化する中山

 ※※以下、ネタバレあります※※

 東京に来て1年。スズ子も秋山もすっかり洗練されました。この1年に何があったの、というくらいに。もうすっかりモガ(モダンガール)です。

「ちょっと内緒の話がしたいんだ」

 松永に誘われ喫茶店に行ったスズ子。そこで持ち出されたのは日宝への移籍話。

「僕と一緒に日宝へ行かないか?」

 それにしても松永、詰めが甘いといいますが、スズ子にちゃんと口止めしなかったようです。その足で、羽鳥(草彅剛)のもとを訪れ、引き抜きの件を報告します。この時の羽鳥の慌てっぷりときたら。

「そんなのダメダメ。だって僕はどうなるの!? 僕のやりたい音楽に福来くんは必要なんですよ。必要不可欠です」

 自分の目指す音楽にいかにスズ子が必要かをまくし立てます。

「いったいどこからその話きたの?」

「松永さんから」

「アーーアイツーー」

「今、福来くんにいなくなられては絶対に困ります。福来君を離さないよ絶対に僕は!」

 ギューッっとスズ子の肩を掴んで放さない羽鳥。あまりにもコミカルな話しぶりと仕草で笑ってしまいました。

「らんまん」のデジャヴ?

 場面代わって、秋山と中山。試着室から出て来た秋山は赤いドレス姿。「想像通りだ。どれを着ても君に会うんじゃないか。僕はこんなのも好きだけどね」そう言って、秋山にドレスを渡します。

「秋山くん、将来、僕の伴侶にならないか? そうすれば、君はもっともっと輝く。僕はそう確信している」

 ゾワリゾワリ。この感じ、デジャヴかと思いました。そう、あの「らんまん」のヤバ藤こと高藤(伊礼彼方)です。中山のまさかのヤバ藤化に、思わず「秋山、逃げて~」と叫んでしまいました。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


結婚は愛か経済力か?「不実な女と官能詩人」で考察してみる
 甘美な欲望に貪欲かつ忠実なオトナ女子に、オススメの作品を紹介する「コクハク」発のエンタメ情報です!
期待どおり! 「108」は松尾スズキ節炸裂のR18禁コメディー
 甘美な欲望に貪欲かつ忠実なオトナ女子にオススメの作品を紹介します。今回は絶賛公開中の松尾スズキ氏最新作です!
小栗旬主演「人間失格」が描くデカダンスと女優3人の“艶技”
 甘美な欲望に貪欲かつ忠実なオトナ女子にオススメの作品を毎回紹介しています!
路線図を見て萌える 「腐鉄子」が楽しめる濃い演劇は超満員
 鉄子とは、鉄道好きな女子のこと。腐女子とは、BL好きな女子のこと。そしてこの2つの趣味が”合体”したのが腐鉄子という存...
内藤みか 2019-05-09 06:00 エンタメ
名脇役 故・佐々木すみ江さんが演じた“もう一つの母親像”
 さる2月17日、肺炎のため亡くなった女優・佐々木すみ江さんをしのんで、4月13日(土)から19日(金)まで東京都中野区...