妙齢って何歳? 三省堂 現代新国語辞典のいまっぽい凡例に注目

コクハク編集部
更新日:2024-01-20 19:14
投稿日:2023-12-17 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように…。

【今回の女ことば】妙齢

 ある日の校閲部内での話です。

Aさん「『妙齢のご婦人に声をかけられた』という部分は、どうしますか? 発言者は若い男性。つまりは『妙齢のご婦人』は年配の女性を指してて誤用ですよね」

Bさん「それもそうだけど…。いまは結構使ってんじゃないの。ほら、年齢相応という解釈、って辞書もあるよ」

Aさん「そうですが…正しい日本語ではないので」

  ◇  ◇  ◇

 その後、Aさんは「妙齢」を「年配」に修正。言葉の使用としては正しいので、めでたし、めでたし。

 でしたが、Bさんの言うことも間違いではないような気もします。

 この「妙齢」は、「女性のうら若い年頃」(広辞苑 第7版)のように、若い女性のことをいいます。

■三省堂 国語辞典(第8版):【妙=若い】として、若い女性のほかに、<女性の>年は重ねたが、まだまだ若いと言える年頃。

■新明解国語辞典(第8版):(壮年以上の人や男性から見た)女性の結婚適齢期の称。

「年は重ねたが、まだまだ若い」や「壮年」=血気盛んで働き盛りの年頃の人(広辞苑)から見た、結婚適齢期とは具体的に何歳を指しているのでしょうか?

「結婚適齢期=クリスマスケーキ理論」

「結婚適齢期=クリスマスケーキ理論」をご存じですか?

 1980年代、当時の初婚年齢が25歳だった(厚生労働省「人口動態統計」)ことから、クリスマスケーキ=25日(25歳)を過ぎたら売れ残りで結婚は難しい、という意味で使われていたようです。

 ワタシも20代前半に、“壮年”の男性から「タダ美さん、クリスマスケーキにならないように気を付けて」と言われたことがあり、毎年この時期になると「クリスマスケーキ理論」を思い出します。

 その忠告(?)もご指導もどこへやら、ですけどねっ。

【50歳ぐらいの妙齢の女性】

 厚労省の調査によると、現在の平均初婚年齢は夫31.1歳、妻は 29.7歳で、どちらも1980年代から4歳以上も上昇しています。

 晩婚化や未婚率も高まる中で、結婚を取り巻く状況は変化しており、「結婚適齢期」という言葉も変わってきているのかもしれません。

 三省堂現代新国語辞典(第7版)では、若い女性の他に、年齢相応の魅力をたたえていること、その例として【50歳ぐらいの妙齢の女性が私を出迎えた】とあり、これは近年の用法としています。

 Bさんが「最近使われている」と言っているのも、この点にあるようです。

 Aさんは、この「妙齢」の使い方に違和感を覚えているようですが、今後、この使い方が広がっていくのか気になるところです。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


美意識を刺激 知的なアナタを演出する「グラマトフィラム」
 ネコ店長「さぶ」が率いる我がお花屋さんには、おかげさまで最近ネコ以外の生き物も生息するようになりました。いや、無理やり...
電話の主は意外な人物…浮かび上がった“怪しい女性”の存在
 郊外に念願の一軒家を手に入れた、1組の「パワー夫婦」。会社への通勤には少々不便な地でも、テレワークがメインの今は「少し...
聖なる秘密の島で出会ったカッコイイ見返りイケ“にゃんたま”
 尊いにゃんたまωを求めて遠い島へ。  地図上で見つけにくい、ここは神聖なる秘密の「にゃんたま島」。  初め...
栄養士が太鼓判!“幸せホルモン”がアップする食べ合わせ3選
 梅雨が明け、いよいよ本格的な夏の到来です。例年ならばバーベキューや旅行など、楽しみがたくさんある季節ですが、外出や旅行...
男女にモテる優しい女性の特徴5選!本当の優しさを身につけるには?
 いつでもニコニコしていて優しい女性、あなたの周りにいませんか? そういった女性は男女問わず、人気があるでしょう。しかし...
身を滅ぼしてもウソがやめられなかったコスプレ虚言癖男の話
 一生に一度も嘘をついたことのない人はいないでしょう。人をだます悪質な嘘をつく人は少ないと思いますが、隠しごとをしたり、...
ハードボイルド“にゃんたま”のタフでクールな姿に惚れ惚れ♡
 きょうは、惚れ惚れするにゃんたまωに出逢いました。  張りがあって、形も色も……なんて美しいのでしょう! ...
男性も女性も憧れる♡ “ハンサム女子”の外見&性格12の特徴
 近頃、外見も性格も男前な“ハンサム女子”が大人気。男性も女性も憧れるハンサム女子には、一体どのような特徴があるのでしょ...
アナタにチャンスをもたらす!極楽の花「蓮」は幸運最強の花
 まさか自分がお花屋さんになるなんて思ってもいなかった、社会人1年目の夏。初めていただいた夏のボーナスで、仏教の国「タイ...
夫宛の怪しい封筒に戸惑う妻…すると固定電話が突然鳴って
 郊外に念願の一軒家を手に入れた1組の「パワー夫婦」。会社への通勤には少々不便な地だが、最近ではテレワークがメインになり...
ニャンとも大胆ポーズ…“にゃんたま”少年のオープンマインド
「にゃんたまωを撮らせてください!」とお願いすると、「ハイョ♪ 大サービス♪」と、ニャンとも大胆!  可愛いにゃん...
素直になれないのはどうして…?5つの原因&素直になる方法
 素直な人に出会った時、「私も、あんな風に生きられたら……」と思う人は多いでしょう。いつも自分に正直でいられたら、人付き...
よく言えるよね〜! 無責任すぎる義母のアンビリバボー語録
 無責任な義母がいると、親族内の問題は深刻なものになりやすいですよね。いい大人なんだから、もう少し責任感をもってほしい…...
キャラクターのカエルもびっくり!おもしろいカエルの世界
 今回はキャラクターのカエルと野生のカエルの関係について考えてみたいと思います。  「ビッキのときめくカエルライフ...
いつかはお隣の島でハレームを…夢を諦めない“にゃんたま”君
 きょうは、隣にある猫の島へ想いを馳せるにゃんたまωです。  お隣の島ではたくさんの猫が暮らしていて、可愛い女の子...
優しく光る植物が心を整えてくれる…快適な夏の夜の過ごし方
 世の中、またもやコロナが再流行の兆しでございます。  首都圏内に住むワタクシ、このコロナな世の中に慣れたとはいえ...