お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説

斑目茂美 開運花師
更新日:2023-12-20 06:00
投稿日:2023-12-20 06:00
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の花屋仕事中は「豪快脇汗」と、記事を書く間は「ジンワリ脇汗」と闘いながらの半袖姿でございます。

年末ってそろそろ気がついてくれ

 猫店長「さぶ」率いる我が愛すべきお花屋にも年末ならではのご注文、「しめ縄飾り」が例年に比べるとだいぶ遅れておりますが、入り始めました。

 製作担当ですか? 日々脇汗と闘うこのワタクシ。年末気分が薄い今年は、まだ一つも製作しておりません。年末だってことをそろそろ気がついた方が良いと思うぞ、ワタクシ…。

 そういえばお正月って、しめ縄が必要なものなんですかね?

 と思ったことはありませんか。今回はそんな疑問にお答えいたします。「来年の開運を願うなら必要なんですよ。しめ縄は」の解説でございます。

しめ縄とはなんぞや

 簡単にいえば、しめ縄とは結界を意味します。神域(常世)と現世(俗世)を作る結界でござんすな。神社の鳥居や境内、神様が宿る御神木などにはしめ縄がぐるりとまいてあったり、八百万の神の国である日本では、あらゆる場所に神域があり、厄払いや魔除けの意味もある「しめ縄」のある風景は、よく目にします。

 そんなしめ縄ですが、お正月は花より何より欠かせないものの一つ(花屋のセリフとしてはNGよ)。

 アナタのお家は歳神様がやってくるに相応しいかどうか。玄関にしめ縄がアルorナシで、歳神様がジャッジするといわれています。

しめ飾りとしめ縄飾りと何が違うの?

 年末のこの時期、スーパーや雑貨屋、あるいはお花屋さんの店頭で売られている「しめ縄飾り(お正月飾り)」は、近年とてもオシャレなタイプが登場してきました。

 ワタクシもオシャレお飾りを作りはじめて、かれこれ四半世紀…。イケメンタレントの写真に囲まれた作業場(今年は高橋文哉氏と志尊淳氏に決定)で“彼ら”に励まされながらのお仕事でございます。

 オシャレなしめ縄飾りと神社で見るしめ縄、一体何が違うのか。

 答えは、しめ縄に飾りをつけるか否か。そして、飾りをつける目的は、お迎えする神様に違いがあるから、が正解。

 お正月にアナタの家にやってくる神様は歳神様。神社の神様とは違います。歳神様は地方・地域によってイロイロ。基本的には山から降りてくると考えられ、古くから地域を守る神様だったり、豊作を司る神様だったり、はたまたご先祖だったり…。なんだかたくさんの神様がいらっしゃいます。

 いずれにしても、オシャレしめ縄飾りや玉飾りに使われる飾りは、山から降りてくる歳神様をお迎えするための木の葉や収穫されたものであり、縁起物やおめでたいものを意味します。

 お正月に「しめ縄」を目印にやってくる歳神様をお迎えするのに相応しいめでたい気持ちが、しめ縄飾りに集約されているのです。

神棚に飾るしめ縄の飾り方

 しめ縄にもいろいろあります。大根に似た太いサイズの大根巻き。ゴボウに似た細いサイズの牛蒡巻き。これだけ聞くとまるで食べ物ですが、そういうわけではございません。

 ねじる方法も縄とは逆の左綯い(ひだりない)、左は聖、右は俗という考え方からですな。

 神棚に飾るしめ縄には決まりはなく、土地柄も大いに関係しております。おめでたい飾りをつける地域もあれば、ペロンペロンした白い紙をつける地域も。

 あ、あのペロンペロン紙を「紙垂(しで)」と呼びます。切り方にも流派、作法があって、はー! ですわよ。

 花屋の店頭でよく聞かれる質問に「向きはどっちだ?」があります。しめ縄の向きでいえば神棚に向かって右側(神様から見たら左)にしめ縄の始まりである太い方を飾るのが一般的。

 加えて、右が太いのは「入船」と呼ばれお商売をなさってるかたがこちらを選択でござんす。逆が「出船」で左が太い方。外で稼いでいらっしゃる方はこの方式を選択。ですから、どっちでも正解。あえていうなら右が太い、が一般的です。

オススメなしめ飾り

 しめ飾りの素材は、歳神様の関係で「稲藁」が一般的ですが、別にこだわらないというのが最近の考え方のようで、紙や化学素材、水引…なんでもアリっぽい。

 綺麗だなーっと思って仕入れたしめ縄がアルミ素材だった、なんてことも過去にはありました。確かになんか重かったわ。

 ワタクシのオススメなオシャレしめ飾りは、やはり松やマツカサ(自然素材の生がいいよねー)がついているとイイね! とは思います。

 松は永遠の命の象徴であり、繁栄の象徴。松竹梅でいえばトップランクに君臨し、金運を呼び込む超スーパーアイテムでございます。

 なんといっても松に向かって神様が降りてくる、神を「待つ」いわば神様の依代。門松っていうくらいですから。

 玄関には生の松を使っていただきたいところですわよ。松としめ縄。これセットで決まりでござんすよー!

 しめ縄を目印にアナタのお家に歳神様が来てくださいますように…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


「なめられてたまるか」出産直前、夫は女と沖縄へ…密会場所に乗り込む“元ギャル妻”の計画
「明日の本社への出張さ、やっぱ早朝に出て新幹線で行くわ」  1カ月前から予定されていた夫・慶士の大阪出張。 ...
「ウチは犬派だ」で険悪に…義両親との会話がハードモードすぎ! 帰省時のテッパン会話5つ
 お盆の帰省で、頭を悩ませるのが義実家との付き合いです。義実家とは年に数回、長い休みの時しかにしか会わないという方も多い...
65歳の男が「完璧な人間=幸せ」じゃないと気づいた瞬間。やっぱり人間は好きなことでしか頑張れない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
スナックで見た! 実際にあった“ホステス同士”の陰湿なバトル「京都の女、嫌いなんだよねー」にヒヤッ…
 夜の世界を描いたドラマや漫画、きっとみなさんも一度は見たことありますよね。  その中に出てくる女同士のケンカって...
“毒親”に我慢しないで。酒で暴力、友人と肉体関係…絶縁を決意した5人のエピソード
 実の親子であっても分かり合えなかったり、親に苦しめられたりする人もいるもの。場合によっては、縁を切る選択がふさわしいケ...
賃貸の壁、将来の不安…独女が「ひとりで生きていく」ってどうすれば? これからの“住まい”を考える
「アラフィフ独女、51歳、フリーランス」この3点セットで生きていると、ふとした瞬間に「このまま、ひとりで歳を重ねていくの...
41.8度だってよ! 暑すぎて働けない…夏のやる気ゼロ→私がモチベUPできた対処法4つ
 夏本番。朝から照りつける日差し、ムワッとした湿気、汗が止まらない毎日…。そんな中で「今日も仕事か…無理かも」と思ってし...
ゴクリ…日本最大級“にゃんたま”様に出会ってしまった。撮影困難な生きる伝説にひれ伏す!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
大切な“お盆”は何を供える? 花屋がオススメする4選。ホオズキにはご先祖様を導く願いが
 もうすぐお盆がやって参ります。  お盆の時期は地方によって7月か8月に分かれますが、お盆とは、仏教でいうところの...
中年の会話は「あれ、あれ」のオンパレード。それでも“物忘れ”は悪くないと感じた女同士のとある会話
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
この夏「帰省しない」派は4割。理由は“夫の態度”にある? 妻が悩む2つのケース
 大型連休になると訪れるイベント、“義実家への帰省”。せっかくのお休みなのに、「帰省のことを考えるだけで憂鬱」という声は...
1時間の「孫を見せて~」攻撃がキツ…。電話魔の義母に妻がついた“大胆なウソ”
 令和を迎えた今の時代にも、姑の行動に深刻な不快感を示す妻もチラホラ…。一方、激しい対立をするほどの事柄ではなくても妻が...
神か? タクシーが来ず大ピンチ→おばちゃん登場! 25歳の女性が海外で救われた話
 日本とは違った体験や景色が味わえる、それが海外旅行の魅力。しかし、その“違い”が思わぬトラブルを呼ぶこともあるんです。...
【芸能クイズ】ある“美人女優”の発言、兄の恋人に「お前が挨拶しろよ」と言ったのは誰でしょう?
 テレビやネットでふと耳にした、あのひとこと。記憶の片隅に残る発言の背景には、ちょっとした物語があるのかも?  ネ...
90分間、尿意と戦った女性の悲劇。どこも“使用不可”…我慢できるか!? 日本と違う海外のトイレ事情
 日本とは違った体験や景色が味わえる、それが海外旅行の魅力。しかし、その“違い”が思わぬトラブルを呼ぶこともあるんです。...
島のスター!にゃんたま「小虎」に密着。その視線の先には何があるの?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...