恋はつらいものよ…愛助への想いが募るスズ子に麻里(市川実和子)の名言

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2023-12-22 14:23
投稿日:2023-12-19 14:40

NHK朝ドラ「ブギウギ」~第12週「あなたのスズ子」#57

 スズ子(趣里)と愛助(水上恒司)の仲はすぐに広まり、羽鳥善一(草彅剛)や麻里(市川実和子)にもうわさについて追求される。

 しかし、スズ子は返事を待つ身で、相手のことはどうしようもない状況で、思い悩むばかりだと伝え相談する。

 一方の愛助は、母トミ(小雪)から手紙をもらったことがきっかけで、スズ子との交際を心に決める。そうしたある日、スズ子たちの楽団事務所に愛助が訪ねてくる。

【本日のツボ】

市川実和子(47)と市川実日子(45)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 羽鳥家のシーンはほのぼのしますね。伝蔵(坂田聡)のおでん屋台が店じまいしてしまった今、スズ子にとって貴重な憩いの場です。

 それにしても羽鳥夫妻、いつの間にかカツオ(長男)に妹が出来ていて、麻里のお腹の中には赤ちゃんも。

「母ちゃんが今、これだからね」と妊娠していることをジェスチャーで伝えるカツオ、おぼっちゃん刈りがよく似合っています。

 それにしてもカツオがちっとも成長していないように見えるのは、「サザエさん」方式を採用しているのでしょうか。カツオだけに(笑)。

 妹の名前はワカメ!? 気になります。夫婦円満、なによりです。

一井はおしゃべりキャラだった

「みずくさいわ~」(麻里)

「まったくだ。君、聞くところによれば大恋愛してるそうじゃないか」(善一)

 どうやらスズ子の恋愛は、早くも羽鳥夫妻の耳に入っているようで、スズ子を前にニタニタする2人。

「誰がそないなことを…」とスズ子が聞くと、「一井(陰山泰)ちゃんがラッパよりうるさく言いふらしているよ」と善一。一井ああ見えておしゃべりキャラだったとは!

 スズ子が愛助(水上恒司)とのことを相談し、「ワテ、こういうん、待ついうの初めてで。結構つらいですね」と心の内を打ち明けると、「恋はつらいものよ。自分と同じくらい大切な人ができるってことだもの」と麻里。

 名言いただきました。「歌詞みたいなことを言いますね。さては僕との恋の時も…」と茶化す善一に、「私の恋はあなただけではありません」とピシャリ。

「スズ子さん、つらかったらいつでもはき出しにいらっしゃいね」と麻里。頼りになります。

市川姉妹は恋のキューピット

 ところで、麻里を演じる市川実和子は、「カムカムエヴリバディ」でベリー、野田一子を演じていた女優さんと同一人物とカン違いしている人もいるようですが、ベリーを演じていたのは、妹の市川実日子さんでした。

「カムカム」では、ヒロインるい(深津絵里)の恋敵からのちに親友になったベリー。額の傷を気にしてジョー(オダギリジョー)からのプロポーズの返事をためらっているるいの背中を押すなど、素敵な役どころでした。

 スズ子の恋も麻里を味方につければ大丈夫。市川姉妹は恋のキューピット、ということで。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」嵩(北村匠海)の“ジェラシー”がなんとも可愛い! 寛(竹野内豊)の診察シーンが見たかった
 昭和10年、高等女学校の5年生になったのぶ(今田美桜)は、ある日、貴島中尉(市川知宏)と再会。祭りのパン食い競走で使う...
桧山珠美 2025-04-14 19:03 エンタメ
15分の朝ドラで高揚感を得られるんだ! のぶ&嵩の“子役最終回”が見せた未来の夫婦関係
 久しぶりに登美子(松嶋菜々子)の顔を見て胸がいっぱいになる嵩(木村優来)だったが、登美子は困惑した表情を浮かべる。のぶ...
桧山珠美 2025-04-12 06:00 エンタメ
旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?
 2023年9月および10月、旧ジャニーズ事務所は創業者問題で2度記者会見を開いた。その後、同社所属タレントのテレビ・C...
こじらぶ 2025-04-12 06:00 エンタメ
「あんぱん」阿部サダヲの配合絶妙な演技。高知つながりで“しょくぱんまん”登場!
 元気のない家族のために力を貸してほしいというのぶ(永瀬ゆずな)の頼みに、草吉(阿部サダヲ)は1回きりの約束であんぱんを...
桧山珠美 2025-04-09 17:20 エンタメ
『あんぱん』RADWIMPSの主題歌は本当に「合っていない」のか? 正統派・朝ドラOPの真逆を貫いた意味
 2025年3月31日より、NHK連続テレビ小説『あんぱん』の放送が開始された。国民的キャラクター「アンパンマン」生みの...
「R-1」さや香・新山や吉住らベテラン勢はなぜ負けた? 売れっ子は予選で有利、決勝で不利な理由
 最もおもしろいピン芸人を決める「R-1グランプリ2025」(フジテレビ系)が3月8日に開催された。決勝常連組やベテラン...
帽子田 2025-04-09 09:48 エンタメ
ヤムおんちゃん草吉はあんぱん代をきっちり集金。ジャムおじさんとは違う“先導”に期待膨らむ
 草吉(阿部サダヲ)のあんぱんを食べて、生きる力をもらった朝田家。羽多子(江口のりこ)は内職の仕事を始め、釜次(吉田鋼太...
桧山珠美 2025-04-07 17:20 エンタメ
「あんぱん」ウラの見所~初週からブチかまし!細部に神経が行き届いた作品だと印象付けた中園脚本
 結太郎(加瀬亮)があの世に旅立ち、悲しみに暮れる朝田家。しかし、のぶ(永瀬ゆずな)は一粒の涙も流さなかった。そんなのぶ...
桧山珠美 2025-04-05 06:00 エンタメ
“百戦錬磨”香川照之ゆえの提案「全6話、スイッチを仕込んでいます」【主演ドラマ『災』インタビュー】
「連続ドラマW 災」(WOWOW、6日22時スタート)は、湿り気を帯びた陰鬱な雰囲気とぞわりとする劇伴が感情を揺さぶる不...
朝ドラ「あんぱん」の描写に25年前の“名台詞”が…CA役だった松嶋菜々子の変わらぬ美貌はさすが過ぎる
 ある日、のぶ(永瀬ゆずな)は千尋(平山正剛)とシーソーに乗る嵩(木村優来)を見かけるが、千尋が軽くて動かない。そこでの...
桧山珠美 2025-04-02 17:20 エンタメ
「あんぱん」ヒロインの着物がオレンジ色の納得。ドキンちゃんのモデルゆえの演出
 昭和初期、家族の愛情をたっぷり受けて育った少女が高知の町中を勢いよく駆けていく。「ハチキンおのぶ」こと朝田のぶ(永瀬ゆ...
桧山珠美 2025-03-31 17:20 エンタメ
朝ドラ「あんぱん」男性俳優陣がめちゃ豪華! 赤楚衛二路線で大ブレーク必須な最注目の若手は?
 31日(月)から新しい朝ドラが始まります。その名も連続テレビ小説「あんぱん」。あの「アンパンマン」の作者やなせたかしと...
【おむすびにモヤっと】伏線をまき散らして放送終了、そしてモヤモヤが残った。結はとんでもなくヤベ~やつ?
 歩(仲里依紗)から詩(大島美優)を引き取ろうとするのは甘かったかもしれないと聞いた結(橋本環奈)は、仮定の話を気にして...
桧山珠美 2025-03-29 06:00 エンタメ
【写真特集】倖田來未の美し過ぎるバスト♡ギリギリショット5連発
【この写真の本文に戻る⇒】40代の倖田來未が《全盛期と変わってない》と話題に…20年前と同系ファッションでも、なぜ痛くな...