山下智久「正直不動産2」、永野芽郁月9「君ここ」冬期ガッカリドラマは

こじらぶ ライター
更新日:2024-01-27 06:00
投稿日:2024-01-27 06:00

山下智久主演「正直不動産2」が好調のワケ

NHK火10とフジ月9。冬期おススメ&ガッカリドラマは…/(C)日刊ゲンダイ
NHK火10とフジ月9。冬期おススメ&ガッカリドラマは…/(C)日刊ゲンダイ

 山下智久(38)主演の「正直不動産2」(NHK総合)が好調だ。初回平均世帯視聴率5.8%、個人視聴率3.0%から第2話世帯6.6%、個人3.5%と数字を上げた(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。

 大好評を博した22年4月期の第1弾に続き、山下は今作でも、かつては嘘をいとわない強引な契約で成り上がったが、ある祟りに遭ってから嘘がつけない“正直すぎる”不動産営業マンとなった永瀬財地を演じている。

 同じく前作から後輩役の福原遥(25)、上司役の草刈正雄(71)、元同僚役の市原隼人(36)らが続投し、今作からライバル会社社員にディーン・フジオカ(43)が加わるなど共演陣も盤石だ(以下、ネタバレを含む)。

 今作ではこれまでに、タワマンに引っ越しを希望する家族、自分名義の一軒家を売却したい男性、狭小住宅から広い一軒家に買い替えを希望する家族などを接客してきた財地。

不動産業界のカラクリや法的知識も扱う

山下と良いバディ感のある福原/(C)日刊ゲンダイ
山下と良いバディ感のある福原/(C)日刊ゲンダイ

 かつてのように成約に有利な嘘をつければ容易に事が運ぶところ、毎回肝心な場面でお馴染みの祟りの風がCGで財地を煽ると、接客相手に「なんともならないんです!」「あなたのお気持ち、お察し…なんてできるか! カッコつけてんじゃねえ!」などなど、バカ正直に客に真実を伝えてしまう。

 ストレートに伝えられた客は、その場はあ然とし、時に契約自体を諦めるなど必ずしも財地の業績には結びついていない。それでも財地は、信用という財産をコツコツと積み上げている過程にある。

 視聴者側としても、不動産業界のカラクリなど、テロップを使った丁寧な説明で学ぶことができる。

 例えばタワマンは優雅な生活の具現のようで、いざエレベーターが使えなくなったら生活に支障が出るといった暮らしのワンポイントから、口約束でも成立する賃料の支払いを伴わない「使用貸借契約」など、法的知識も扱われている。

ヒューマン×コメディの好バランス

ライバル会社の宿敵を嫌味なく演じるディーン・フジオカ/(C)日刊ゲンダイ
ライバル会社の宿敵を嫌味なく演じるディーン・フジオカ/(C)日刊ゲンダイ

 家を巡る人々のヒューマンストーリーに毎回ホロっとさせられながらも、上司や女性に対してもバカ正直で不躾にもなる財地のコメディパートで笑ってしまう。

 まだ週が始まったばかりの火曜午後10時という放送枠で、ライバル会社や同僚との成約競争など、下手をしたら気が重くなりそうなお仕事ドラマだが、財地の人間味に後押しされて、今週も頑張ろうと思える視聴者も多いのではないか。

 そんな財地を力強く、繊細に演じる山下の奮闘もあって、今後も多少の視聴率の増減はあっても、大きく落ち込むことはないだろう。

フジ月9「君ここ」はヘビーな展開

 一方、週明けからドーンと気を重たくしてくれるのが、月曜午後9時放送の「君が心をくれたから」(フジテレビ系)だ。

 フジ伝統の月9はかつて、山下主演の「プロポーズ大作戦」など華やかなラブストーリーでお馴染みだった。しかし、マンネリ化が進み様々なジャンルで試行錯誤しつつも、恋愛モノは2クール前の「真夏のシンデレラ」などで大苦戦している。

悲運の連発で視聴者を泣かせる

社会現象となった「silent」主演の川口/(C)日刊ゲンダイ
社会現象となった「silent」主演の川口/(C)日刊ゲンダイ

 そんな中で、Snow Manの目黒蓮(26)演じる聴覚障害を患う青年と、川口春奈(28)演じる元恋人の純愛ストーリーで、社会現象にもなった木曜劇場「silent」(同)に影響されてか、「君が心をくれたから」は悲運の連発で視聴者を泣かせにくる。

 永野芽郁(24)演じる主人公・逢原雨は、つらい生い立ちから暗い性格だったが、同じ高校の友人で山田裕貴(33)演じる朝野太陽に励まされ、心を通わせる。

 雨と太陽はそれぞれの夢を叶えての10年後の再会を約束し、離ればなれに。雨は実力不足によって、太陽は色覚障害もあって、夢半ばで約束の時を迎え再会。お互い夢に再挑戦することを確認し合うも、太陽は帰り道に交通事故に遭う。

 すると、あの世からの“案内人”・日下(斎藤工)が雨に「心を差し出す」、すなわち聴覚、視覚、嗅覚、味覚、感触の五感と引き換えに、太陽の命を助ける奇跡を起こすという。

 それも3カ月かけて、1つずつ五感を失っていく。

こじらぶ
記事一覧
ライター
ジャニーズ、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


トラコ入学、伊藤沙莉は表情筋を自由に操る女優…男装の山田よねにも注目
 昭和7年。晴れて「明律大学女子部法科」に入学した寅子(伊藤沙莉)のクラスには女子の憧れの的の華族令嬢・桜川涼子(桜井ユ...
桧山珠美 2024-04-08 18:38 エンタメ
“お騒がせ”青井実アナが心機一転、なにわ男子の道枝駿佑と似てるって⁉
 世の中の人がNHKに持つイメージといいますと、「真面目」「お堅い」「地味」といったところでしょうか。  そんな中...
逃げ恥の百合ちゃん役が“頭のいい女は頭の悪いふりをするしかない”発言
 穂高(小林薫)に出くわしたことで女子部への出願が母・はる(石田ゆり子)にばれてしまった寅子(伊藤沙莉)。  娘に...
桧山珠美 2024-04-05 15:30 エンタメ
「虎に翼」語りは尾野真千子 NHKアナと俳優のナレーションの違いは?
 寅子(伊藤沙莉)がお見合いに苦戦する中、親友の花江(森田望智)は寅子の兄・直道(上川周作)との結婚準備を順調に進めてい...
桧山珠美 2024-04-05 15:14 エンタメ
「虎に翼」シン・朝ドラの予感!わずか1話、たった15分で心つかんだ描写
 昭和6年・東京。女学校に通う猪爪寅子(伊藤沙莉)は父・直言(岡部たかし)、母・はる(石田ゆり子)から次々とお見合いを勧...
桧山珠美 2024-04-01 22:28 エンタメ
僥倖!世界に挑む赤西仁ほど「サムライマック」のCM向きな俳優はいない
 マクドナルドのCMにイケメンあり!  そんな声をちらほら耳にするようになりました。たとえば4月2日から全国放送さ...
平野らTOBEがドーム公演大成功の一方、暗雲立ち込める旧ジャニの逆転は
 3月14日から17日にかけて、滝沢秀明氏創設のTOBE所属アーティストによる東京ドーム公演「to HEROes ~TO...
こじらぶ 2024-03-30 06:00 エンタメ
ブギウギ最終回、水を差すようでスンマセン! 残念すぎる4つの演出と描写
 スズ子(趣里)のさよならコンサートが始まる。客席には懐かしい多くの面々がかけつけている。茨田りつ子(菊地凛子)、愛子(...
桧山珠美 2024-03-30 11:41 エンタメ
スズ子引退会見、“天敵の文屋”鮫島の「シャッポを脱ぐ」演出を読む
 歌手・福来スズ子(趣里)の引退会見の当日。スズ子は結局、羽鳥善一(草彅剛)とは話ができないまま会見に臨むことになってし...
桧山珠美 2024-03-27 14:30 エンタメ
超鈍感力! 羽鳥の絶縁宣言を屁とも思わないスズ子とタケシは似た者同士
 歌手引退――。スズ子(趣里)はその決断を、愛子(このか)や大野(木野花)に伝えた。  羽鳥善一(草彅剛)に絶縁す...
桧山珠美 2024-03-26 15:40 エンタメ
「GTOリバイバル」注目の新人イケメンは?松嶋菜々子は本当に出るのか
 反町隆史主演「GTO」が26年ぶりに帰ってきます。反町演じる元ヤン教師・鬼塚英吉がさまざまな問題を解決する学園モノで、...
ドヤ顔のアユミとヘイヘイブギー歌唱シーン温存の理由がわかる回だった
 昭和31年、大みそか。第7回オールスター男女歌合戦当日。スズ子(趣里)は、楽しみに会場へと向かう。スズ子が楽屋で支度を...
桧山珠美 2024-03-22 14:30 エンタメ
最終回秒読み…スズ子はブレずにお人よし、NHKと沼袋勉の手腕いかに!?
 愛子(このか)は、翌日の体育の時間に足の早い転校生と競争することになっていた。しかし、勝てる見込みがなく、愛子は学校を...
桧山珠美 2024-03-21 16:07 エンタメ
和田勉が転生したら中村倫也に!? 強烈インパクトで霞んだ礼子娘の初登場
 東京ブギウギのヒットから9年、ブギブームも下火になってきつつある中、スズ子(趣里)や羽鳥善一(草彅剛)のブギは古いとい...
桧山珠美 2024-03-18 14:30 エンタメ
「光る君へ」主人公バージン喪失!大石静氏が描く平安エロ&バイオレンス
 NHK大河ドラマ「光る君へ」は、平安中期の貴族社会を舞台に、吉高由里子演じる主人公のまひろ(紫式部)の生涯を描くもので...
沢尻エリカ不死鳥の如く女優復帰!大衆は真似できぬ人生転落リアルショー
 2月25日、沢尻エリカの女優復帰作となった主演舞台『欲望という名の電車』が千秋楽を迎えました。  「『残念プロフ...
堺屋大地 2024-03-16 06:00 エンタメ