乳房切除を告げようとしたけれど
――ご不安な気持ち、とても理解できますよ。続けてください。
「部屋は13階の眺めのいいツインルームでした。私はガンを患っていることや乳房を無くしたことをいつ言おうか迷っていると、
――香織さん、ずっと抱きしめたかった。
ドアを閉めると、すぐさま抱きしめられたんです。
――あ…あの…純也さん。
私は抱きしめられた驚きよりも先に、乳房の膨らみがバレないか、そちらを心配したんです。前回もお伝えしたように私の胸は『板』ですし、乳首も切除しました。
前開きのパッド入りブラジャーで、かろうじて衣服の上からは女性らしいシルエットを作っているのですが、
――純也さん…あなたに話しておかなきゃならないことがあるの。
――何かな?
この時点で、彼の唇が私の唇をふさぎました。柔らかく温かな感触に、うっとりとなって…パンティにも愛液がしみてきたんです。
――ン…ダメ。
拒みつつも、彼の差し入れた舌に私も舌を絡めていました。
唾液の音がニチャニチャと響き、互いの息がぶつかり合って…。そうこうするうちに彼の両手が私のヒップを撫で、揉みこねてきたんです。
――あんっ…いやっ。
抗うその声は、自分でも恥ずかしいほど甘やかでした」
女として見てくれる! 彼の言葉に救われる
――不安と昂揚が行き交う女心、お察しします。続けてください。
「私はキスを解いて、彼に告げたんです。
――私の体、女じゃないの…。
――どういう意味?
――実は…ガンで両乳房と卵巣をなくして…。
しばしの沈黙がありました。あまりの沈黙の重苦しさに『私を拒まないで』と心で叫ぶ自分がいたんです。
でも、それは杞憂でした。彼は私の目を見つめ、愛おしそうに笑みを浮かべたんです。
――大丈夫。胸がなくても、抱きしめ合えるでしょう?
その言葉に、私は心底救われました。元カレはガンが原因で私から離れ、別な彼女を作った。でも、純也さんは違う…乳房を失っても私を女として見てくれる。
――よかった…ずっと不安だったの。
私たちは再度キスをして、順番にシャワーを浴びました」
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