セカンドパートナーを求める不動産会社の経営者
私たちはテーブル席でL字に座りました。
――あの…私で大丈夫でしょうか?
開口一番、私は彼に聞きました。むろん『異性として合格か?』どうかです。
――もちろん、僕にはもったいないくらいです。
――よかった。安心しました。お写真ナシでOKとのことでしたから、正直ドキドキだったんです。
――そうでしたか。実は女性は写真を加工している方も多いので、あえて写真ナシでお会いするようにしているんです。
その口調から『写真と実物が違う』と残念な思いをしたのかな? とも感じたんです。
その後、アフタヌーンティーを頼み、スイーツと紅茶をいただきながら、互いのことを話しました。
彼は3代続く不動産会社の経営者。奥さまは歯科医で、子供を作ることを望まず、次第に夫婦の溝が深まって既婚者の出会い系サイトに登録したとのことでした。
ハイスペックなご夫婦なのに、セカンドパートナーを求める現実に驚きましたね。
私自身も『不倫7年の彼との別れをきっかけに、既婚者マッチングサイトに登録したこと。家庭を壊すつもりはないけれど、日々の生活に潤いと癒しが欲しい』と、プロフィール通り伝えると、
――香織さんも旦那さんと別居なんですよね?
そう質問されたんです。
癒しあえるセカンドパートナーには出会えず…
――はい…別居です。息子も独立して完全に一人暮らしですね。家賃は主人が支払ってくれています。
――このサイトに登録して、どれくらいでしょうか?
――1カ月も経っていません。出会い系サイトは初めてです。
――どなたか、素敵な方は見つかりました?
一瞬、答えに迷いましたが、
――いいえ…お会いしたのはタカさんが初めてです。
純也さんの件は伏せました。すると、
――ありがとうございます。立ち入ったことを聞いてしまって申し訳ありません。
タカさんは恐縮しました。そして、自身のことを語ってくれたんです。
入会したのは3カ月前。4名の女性と初顔合わせをしたけれど、うち2人は『パパ活』目的で金銭的援助を持ちかけられ、もう1人は『セフレ』目的。
最後の1人は『夫と離婚したいので、私をあなたの自宅に住まわせて欲しい。タカさんも奥さんと離婚して』と迫って来たそうで…。
心地いい距離感で癒しあえるセカンドパートナーとは程遠かったと…図々しい女性もいるのだと驚きました。だからこそ、私にも確認したのでしょうね」
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