「セックスは心でするもの…」乳房、卵巣を失った人妻の甘美な気付き #5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-03-01 06:00
投稿日:2024-03-01 06:00

「分散」をスタート

 こうして、タカさんとの付き合いが始まりました。

 いきなりLINEのIDを交換せず、サイト内のチャットでやり取りをする姿勢にも好感が持てました。というのも、何かトラブルがあった際、既婚者サイトの運営側は『LINE等の、サイト外でのトラブルは責任を負いかねます』との注意喚起があったんです。

 なので、ゆっくりと親交を深めていこうとするタカさんには、純也さんとは全く違う信頼感が芽生えてきましたね。

 だからといって、純也さんを切ったわけではありません。いわゆる『分散』です。

 分散の利点は、以前も話したように『一人の相手に沼らない』『愛情を分散させることで、自分自身も苦しい婚外恋愛をしない』『相手にも迷惑をかけない』など、さまざまです。

見えてきた2人の違い

 ただ、並行してやり取りをしていると、2人の違いが徐々に見えてきました。体の関係を持った純也さんからの連絡が急激に減ってきたんです。

 すでに2度セックスしたからでしょうか。一日に数回あったLINEも日に一度。それも『今日もお疲れ様、おやすみー』と無難で一方的な内容です。

 男ってここまで変わるのかと驚きましたね。

 タカさんという存在がなければ、私は確実に病んでいたでしょう。

 対して、タカさんは『体調は大丈夫ですか?』『スイーツは和菓子と洋菓子はどちら派?』『韓流映画で面白いものを見つけました。韓流は好きですか?』など、私の心に寄り添ったやり取りです。

 次第にタカさんとの心の距離が縮まり、2度目のデートで男女の関係になったんです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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