かまととの由来はオンナと蒲鉾! 類義語にぶりっこ、はまちっこ

コクハク編集部
更新日:2024-03-17 06:00
投稿日:2024-03-17 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように…。

【今回の女ことば】かまとと

 新しい言葉が登場する一方で、廃れる言葉も出てきます。辞書によっては、「古い言い方」などと表記される場合も…。今回取り上げる「かまとと」もそのひとつかもしれません。

【由来】
・ある女性が「蒲鉾(かまぼこ)は魚(とと)か?」と聞いたことから。

【意味】
・(男女間のことなど)知っているくせに知らないふりをして、うぶをよそおうこと。またその人。

(明鏡 国語辞典 第3版より)

 さらに「続・消えた日本語辞典」では「食前食後」(池田弥三郎著)の一節を引用し、

《かまととというのは、その道で海千山千のつわものの女優さんが、『あらッ。かまぼこっておととなの』という名言をはいて以来、そういう、何事にも百も承知の助の人の、そらとぼけぶりを、言うようになったのだが、蒲鉾の原料が魚であることを知らなかったというほかに、いい年をして、おととなど幼児語を使った点への、ヒンシュクも含めている》

 などと教養の乏しさや年齢不相応の意味合いがあると、なかなか辛辣に解説しています。

ぶりっこの前にはまちっこ

 類義語は、いいこぶりっこ、かわいぶりっこ、はまちっこ、ぶりっこ(日本俗語大辞典 初版)。

 はまちっこは、ぶりっこを出生魚のブリに見立て、ぶりっこする年齢よりさらに年下女子を指すぶりっこ予備軍として1980年代前半、使われていたようです。

 では、かまととはいつ頃、使われていたのか。前出の「続・消えた日本語辞典」(1995年発行)では近年ウブな女性が少なくなり、「かまとと」も消えてしまったと解説しています。

 同じく90年代半ばに発行された罵詈雑言辞典(初版)では、《女子高校生も相当なあばずれで、とても「かまとと」など通用しなくなった》と紹介。“古い言葉”認定されてから30年が経ったいま、東京・渋谷の街頭インタビューで、どれだけの人が「かまとと」の意味を正確に答えられるでしょうか。

 えー、最後に「かまとと」ぶった質問を(笑)。

 赤いベンツで、カナダ人のミュージシャンと食事のあとに、歌舞伎町のホテルに行った女性がいたとか。その後、その女性は『チョメ姉さん』というあだ名がついたそうですが、チョメって何ですか? ホテルで何をやっていたのか教えてください。

 チョメの意味は人気ドラマ「不適切にもほどがある!」(TBS系)の公式HPで紹介されている「ふてほど版 昭和用語集#1」が参考になりますよ。

(日刊現代校閲/タダ美)

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