「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」って最上級の褒め言葉?

コクハク編集部
更新日:2024-04-28 06:00
投稿日:2024-04-28 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。
 毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように…。

【今回の女ことば】立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花

 初夏を代表する花のひとつといえば「芍薬(しゃくやく)」。英名の「ピオニー」のほうがピンと来る方もいるでしょうか。

 スッと伸びた茎の先に幾重もの花びらからなる大輪の花は、とても豪華でエレガント。ウエディングブーケとしても大人気で、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉があるように、女性の美しさを象徴するお花でもあります。

 はて、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の意味は?

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の意味

どこから見ても美しい女性を芍薬・牡丹・百合という花にたとえた表現(たとえことば辞典 第1版)

美人の形容で、立ち居振る舞いや姿を花にたとえていう初夏に芍薬はすっくと伸びた枝の先に花を咲かせ、牡丹は短めの茎にふっくらと大ぶりの花を咲かせる。百合の花は清楚な趣がある。それぞれの花の咲きぶりからの形容。牡丹は中国ではその気品とあでやかさから「富貴花」「花王」「花神」などと呼ばれる。(「言いたいこと」から引ける慣用句・ことわざ・四字熟語辞典 第1版)

●江戸中期の洒落本「無論里(ろんのないさと)問答」には<踊の歌にいはく立ば芍薬座居(とい)すりゃ牡丹あるき姿は山丹(ゆり)の花」と見えるので、舞踏歌に発したもののようである>とある(岩波 ことわざ辞典 第3版)

 花の好みもありますが、自分がたとえられても悪い気はしないかも。

褒め言葉かどうかを決めるのはいわれた側

 ただし――。

「きょうも、べっぴんさんだね~」「いつも奇麗ですね」と発言して、セクシュアルハラスメントや外見至上主義のルッキズムにもとられかねない場合があるとお伝えしました。

 職場でコミュニケーションを図ろうとして、芍薬や百合のようなステキな花にたとえ、最上級の言葉をもって褒めたつもりでも、相手側がセクハラでは? と感じる場合もなくはない。

「不適切」が支持されたのは、阿部サダヲさんが扮する小川市郎だったからこそ、をお忘れなく。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【漢字探し】「鎌(カマ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★☆☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
40代、気づいたらぼっち…まぁ、仕方がない3つの理由と“新しいつながり”の見つけ方
 40代を過ぎてから「友達が減った」と感じていませんか? 学生時代に親友と呼べるほど仲の良かった友達でも、気がつけば年賀...
メン地下「推し活」でメンタル崩壊、ストーカー寸前…沼りすぎた女たちの壮絶リアルな体験談
 いろんな意味で話題の「メン地下(=メンズ地下アイドル)」は、激しいハマり方をする女性ファンが多いことでも有名です。 ...
義母からの過干渉が「上司より怖い…」30歳新妻を追い詰めた“凶器”のようなLINE
 私の友人ユリ(30歳・事務職)が結婚して半年。幸せいっぱいの新婚生活を想像していた彼女を待っていたのは、思わぬ“監視網...
やってもた! 買って後悔した“便利グッズと家電”無駄遣いエピソード。バナナケースってマジで何で買った?
 今日も日本中で便利グッズや便利家電が生み出されています。でも、中には便利なはずなのに使ってみると「絶対いらないわ…」と...
マイメロがちょこん♡ 100均の“ワッペン”で服がめちゃ可愛くなった! 芸能人もハマる、手芸が密かなブーム?
 もともと裁縫が好きで洋服や小物を作るのを趣味としていたのですが、引越しのタイミングでミシンを仕舞い込んでから、すっかり...
おばば軍団から聞いた不思議な話。植物のパワーって本当にある? 花屋おすすめの“魔除けになる”飾り方
 ワタクシはいわゆる「スピなお話」が「都市伝説」関連と合わせて大好物でございます。  仕事柄、葬祭や宗教関係の方々...
姑の「無事でよかった」にウルッ…。義母からの“心に染みた一言”4つ。「うちの宝よ」って照れくさいなあ!
“姑”と聞くと「うわぁ…」とマイナスなイメージが浮かぶ人もいるかもしれませんが、素敵な姑も存在するもの。そんな姑をもつ女...
猫さま「ただ受け止めよ…」風に身を任せる“にゃんたま”のありがた~い説法が聞こえる?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スター猫ににゃんたま総長まで。個性的なモフモフが大集合! 秋に愛でたい8連発♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年8月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
中年の“集中力”はどこに消えた? 若い頃と「同じ脳じゃない」と気づいた私の小さな工夫
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
なんで全部マネするの?次男の妻が意味不明…悩む57歳義母が見つけた意外な突破口
 かつての嫁姑問題といえば「同居」や「家事」、「子育て」をめぐる衝突が定番でした。しかし令和の時代を迎え、別居が当たり前...
“イヤホン女子”は狙われる? 知っておきたい夜道のNG行動と自衛テクニック
 悲しいことに、女性をターゲットにした物騒な事件が続いています。日頃から防犯意識を高め、対策をしておきましょう。今回は特...
で、出た~! 絶対に謝らない奴らのお通りだ。友人・職場・恋人のトンデモエピ7連発。逆切れに納得いかない…
「明らかにあなたが悪いよね?」という場面でも、絶対に謝らない人、いますよね。素直に「ごめんね」の一言を言えば済む話なのに...
私だって一人になりたい! 家族は大切だけど…ママが「自分時間」を確保する工夫と伝え方6つ
 夫や家族と過ごす毎日は幸せいっぱいだけれど、たまには「ひとりになりたい」と感じることってありますよね。特に、小さな子供...
「味噌汁の味を覚えないのよ~」義母の“昭和な価値観”に苦しめられ…28歳新妻が取った静かな逆襲
 幸せなはずの新婚生活に影を落としたのは、姑からの「お嫁さんなんだから当然」という圧力と、夫の無関心だった――。令和の時...