直言の判決いかに? 寅子の表情、優三腹くだり…テンポ絶妙な法廷シーン

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-05-02 17:13
投稿日:2024-05-02 17:00

NHK朝ドラ「虎に翼」~第5週「朝雨は女の腕まくり?」#24

 公判中に倒れた直言(岡部たかし)は、自分の無実を信じる寅子(伊藤沙莉)の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを告白する。

 これで一安心と胸をなでおろす花江(森田望智)に対し、寅子と優三(仲野太賀)は検察が認めるはずがないと考えていた。

 無罪を勝ち取ることは絶望的と思われたが、自傷防止のために革手錠を使用した、という検察の説明から、寅子はある法律の条文を思い出す。

【本日のツボ】

桂場には圧力よりもお団子では!?

 ※※以下、ネタバレあります※※

 父・直言が、寅子を振り返り、「ごめんな、寅」などと言うものだから万事休すかと思ったら、「今まで迷惑をかけた娘への謝罪です」からの~「私はすべて否認します」。

 これに、傍聴マニアの笹山(田中要次)も「よく言った!」と思わず声をあげ、記者の竹中(高橋努)も登場以来最高の笑顔を見せました。

 取り調べで自白を強要された、と直言。その勢いで、登場以来一貫して感じの悪い検察官・日和田(堀部圭亮)に対し、「その扇子のパンパン、やめてください」ときっぱり。直言の勇敢な姿に寅子の笑顔と涙の混ざった表情がなんともいえませんでした。

 法廷の描き方も秀逸でした。チーム弁護人と検察官のやりとりに、寅子たちが奔走し、証拠を集めている映像を重ねるなど、実にテンポよく見せます。

 極めつきは、穂高教授(小林薫)vs日和田。傍聴席の寅子が「監獄法施行規則第49条」と穂高に囁いたのをきっかけに、形勢逆転…!?

 検察の高圧的な取り調べが発覚し、世論も味方になり、後は判決を待つのみ。

明日が待ち遠し過ぎる!

 おなじみ裁判所の大階段では、「共亜事件」の黒幕と思われる貴族議員の水沼(森次晃嗣)が、「君の正義感を発揮するときは今ではない。それに見合う地位についた時だ。悪いようにはしない、約束しよう」と裁判を担当する桂場(松山ケンイチ)に圧力をかけ、さらに、日和田が「わかったな?」と念を押しました。

 桂場を懐柔するなら、圧力よりもお団子なのに、と思いましたが、果たしてどうなることやら。

 いよいよ、判決の日。大階段の下には、寅子の仲間たちに、優三(仲野太賀)の姿も。緊張でお腹がギュルギュルするのもお約束。「判決を言い渡す」。緊張が高まったところで、「つづく」。

 絶妙な終わり方で判決は明日に持ち越し。明日が待ち遠し過ぎます。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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