花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-05-10 15:30
投稿日:2024-05-10 15:30

NHK朝ドラ「虎に翼」~第6週「女の一念、岩をも通す?」#30

 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃部寸前だった明律大学女子部は息を吹き返す。

 初の女性弁護士誕生と新聞が大々的に報じ、大学では祝賀会が開かれることに。

 口述試験に落ちたよね(土居志央梨)は寅子のもとを訪れ、「いつか必ず合格してみせる」と寅子に約束する。祝賀会の席で寅子はスピーチを求められ――。

【本日のツボ】

「もしダメでも俺がいるからって」

 ※※以下、ネタバレあります※※

 祝われても祝われても、祝われても祝われても、もやもやが残る寅子。そんな寅子と花岡(岩田剛典)の関係に、見ているこちらももやもや。

 黄色いバラの花束が素敵にラッピングされ、おまけにリボンまでついていて、この時代にこんなおしゃれ花束があるのか、とツッコミたくなる気持ちは抑えて…。

「猪爪なら、成し遂げると思っていたよ。もしダメでももう一度挑戦するよう説得するつもりだった」と言う花岡の次の言葉です。

「もしダメでも俺がいるからって」。これって、匂わせプロポーズ!? ではないですか!!

 しかも、その後に続くのが「その頃には僕も一人前になってるだろうからさ」ですから。

 なのに、寅子ったら、一瞬、「えっ?」となったものの、「ありがとう。私のこと考えてくれて」と愛想笑い。ちなみに黄色いバラの花言葉が、「友情」「薄れゆく愛」というのも気になります。

 口述試験は完璧だったというよね(土居志央梨)。しかし、面接官に「弁護士になってもそのトンチキな格好は続けるのかね?」と言われ、「トンチキなのはどっちだ。あんたらの偏見をこっちに押しつけるな!」と反論したと、寅子に打ち明けます。

「私は自分を曲げない。曲げずに必ず合格してみせる」

 自分の信念を貫き通すと寅子に宣言するよね。男装の弁護士が活躍できる世の中になりますように、と願わずにはいられません。

寅子、吠える!

 祝賀会の席で、寅子の「はて?」が出ました。「さすが、日本で一番優秀なご婦人方だ」という記者に反応します。

「私たち凄く怒っているんです。法改正がなされても結局女は不利なまま。女は弁護士にはなれても裁判官や検事にはなれない。男性と同じ試験を受けているのにですよ。女ってだけでできないことばっかり。そもそもがおかしいんですよ。元々の法律が私達を虐げているのですから…。

 生い立ちや信念や恰好で切り捨てられたりしない、男か女かでふるいにかけられない社会になることを、私は心から願います。いや、みんなでしませんか? しましょうよ。私はそんな社会で何かの一番になりたい。そのために良き弁護士になるよう尽力します。困っている方を救い続けます。男女関係なく!」

 寅子がついに吠えました!

 その力強い演説に反応したのは桂場(松山ケンイチ)と穂高教授(小林薫)だけ。会場を白けさせた寅子のスピーチでしたが、それを記事にしたのが竹中(高橋努)だけ。

 竹中の株が上がったところで、来週からはいよいよ、寅子、弁護士になるの巻が始まります。

桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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