声かけが大切! 子どもの“やる気スイッチ”をONにする方法

小阪有花 子どもの心スペシャリスト
更新日:2019-07-28 06:37
投稿日:2019-07-28 06:00
 子どもの心スペシャリストとして子育て中のお母さんたちと接していると、「子どもにやる気を起こさせるにはどうしたらいいか?」と悩んでいる声が多いと感じます。
 好きなことを伸ばせば良いのはわかっているけれど、それ以外のことはやれない、できない、のままでいいの?と、不安になりますよね。今回は、子どものやる気の引き出し方をご紹介します。

子どものやる気は毎日の声かけで決まる

 子どものやる気を引き出したいのなら、日ごろの声かけを意識してください。まずは、子供たちがやる気になって取り組んだ先に何が待っているかを考えてみましょう。達成感や褒めてもらえて嬉しい、といったことが挙げられると思います。

 この、達成感や褒めてもらえて嬉しい気持ちを、やる気になって取り組んだから得られたものだ、と子どもにしっかりと理解させる声かけが重要です。

 例えば、子どもが洗い物を手伝ってくれたとします。その時、あなたは子どもに何と声をかけますか? 「洗い物を手伝ってくれてありがとう」「お皿きれいに洗えて偉いね」などで会話が終わってしまうのが一般的かと思います。

 しかし、これらは全て結果に対しての言葉に過ぎません。声かけとして間違っているわけではないのですが、やる気になったから褒められたのではなく、結果を出したから褒められた、と子どもは感じてしまいます。なので、これだけでは足りません。

 結果だけを評価されると、結果を出さないと褒めてもらえない、ということになってしまい、褒められるまでのハードルが高くなります。それでは、難しいものにチャレンジする際、きっとこれは自分にはできない=褒められないと感じ、やる前からやる気をなくしてしまう場合があるのです。

結果ではなく、まずは行動を褒める

 では、どう声かけをしたらいいか? 先ほどの洗い物の会話を例に説明します。

子 「お皿洗ったよ」

母 「本当に? お皿、どうやって洗ったの?」

子 「台所が高くて届かなかったから、お椅子の上に立って洗ったよ」

母 「お椅子使ったの? フラフラしなかったの?」

子 「危ないからお父さん呼んだんだよ」

母 「洗い物するために、色々考えてくれたのね。ありがとう! どうすればいいのか? を考えられることはとても凄いことなのよ!」

 このように、結果を褒めた後に、洗い物をするためにはどうしたらいいか? を考えた“思考”を評価してあげること。この、結果と思考の両方を評価されることで、自分で考えて結果を出す喜びを体験することができます。

 むしろ結果がどうであれ、考えて行動したことを褒めてあげることで、まずは考えることが大切だということを伝えることができます。

あれこれ考える習慣がやる気になる

 思考力とは、考える力のことをいいます。物事に対して、すぐに「できない」を口にする子は、考える力が足りていないのかもしれません。そんな時、「まずは考えてごらん」と伝えていると思いますが、普段から考えることを習慣づけることで、「できない」と言う前に考える子どもに育ちます。

 そのためには、普段から結果に対して「どうして、こうしたの?」と逆算して問いかけることが大切です。そして、考えて導びき出したその過程に対し、評価をしてあげましょう。

 考えることを褒められることで、考えることはいいこと、素晴らしいことなんだ、と子どもは理解します。その“褒め”の積み重ねが思考力となり、やる気に満ち溢れた子どもになっていくのです。

 あれこれ考えているうちに良いアイデアが出てきます。良いアイデアに出合えば、体は自然と動き出します。この繰り返しが「やる気のある子ども」の習慣へとつながっていくのです。

小阪有花
記事一覧
子どもの心スペシャリスト
保育コンサルタント。アイドル時代の旧芸名は小阪由佳。「ミスマガジン2004」グランプリで芸能界デビュー。09年に引退後、保育園の先生を経て現職に。チャイルドカウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター、家族療法カウンセラーなどの資格を持つ。
XInstagram

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


クリスマスを「自分へのご褒美」の口実にしてもいいかしら?
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
ギャラ飲みとラウンジで荒稼ぎも…まともな恋愛ができない29歳港区女子
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
再婚しても元夫・家族に子どもを会わせる?本音は「面白くない」だけど…
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
「こっちに付いてきて」広島で“たまたま”が秘密基地にご案内
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
枕元にプレゼントがなくても…満天の星空に心奪われる特別な夜
 出雲の国の満天の星空を眺めていた。  日付が変わった頃、天の川を切り裂くように飛行機が音もなく飛んでいった。 ...
ほっこり読み切り漫画/第64回「みんな揃って、メリークリスマス」
【連載第64回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
「不倫」と「浮気」の違い、知ったかぶりしてませんか?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
愉快な酔っ払い友達「どこ?寝室に辿り着けない」 私「あんたんち、1R」
 お酒の飲み方は人それぞれです。楽しく飲める人もいれば、酔っ払って記憶を無くす人も…。今回は酔っ払い状態の友達から届いた...
ドライアイ解消にも 目もと専用「アイシャンプー」の効果
 数カ月前、眼科で右目の上まぶたにあった霰粒腫(さんりゅうしゅ)の切除手術をしました。その際、医師に「できやすい体質って...
セクハラに時間が解決?責任を負わない事なかれ主義者の無責任LINE3選
 波風を立てず、責任を負わず、誰かがどうにかしてくれると見てみぬフリばかりする「事なかれ主義」。  一見、平和主義...
見た目とキャラが合わないのは当然!悩んだときの考え方
「見た目の印象とキャラがだいぶ違うよね」と言われて、悩んだことはありませんか?  自分が周りに与える印象と実際の自分と...
SNSや現実でも…他人の容姿批判がやめられない人は2種類いる
 みなさんの周りに、他人の容姿(ビジュアル)についてうるさい人、いませんか?  私はそういう人を見るたびに「かわいそう...
夜明けとともに起きだしたコハクチョウの胸の内
「あ~! 眠いけど、きょうも1日がんばるかあ!」  なんて言ってたりして。今朝の自分のことだけど(笑)。  ...
バカにしてる、よね? 部下になめられる理由と上司が改めたい悪癖3つ
 キャリアアップはうれしいけれど、部下ができると「なんだかなめられている気がする…上司としての威厳がないのかな?」と新し...
そのあえぎ声、どこまでが本当ですか?
 素朴な疑問、と頭に付ければ何を聞いても許されるとは思っていないのだが、失礼を承知で、どうしても聞きたいことがある。 ...
いつだって癒しを提供…成長が楽しみな“たまたま”を愛でる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...