天才・晴原の見せどころがない回も…
第4話にいたっては、晴原に付く出口夏希(22)演じる新米研究助手・雲田彩の姉妹の物語が展開され、竜巻が発生するも大事には至らなかった。いよいよ天才・晴原の見せどころがない。
こうした流れで「ブルーモーメント」は視聴者離れを起こしてしまったが、やはり「コード・ブルー」の藍沢耕作よろしく、逞しい肉体美を誇る山下が現場の最前線で人の命を救う姿を期待した視聴者を、“思ってた山Pと違う”と落胆させたことが大きな要因だろう。
巨大なひょうが降り重症患者が出て、晴原含め濃霧の中で緊急車両で現地に突っ込んでいく救出劇を描いた第5話は、平均世帯視聴率6.1%とやや持ち直している。
主人公の赤楚衛二に共感できない
「Re:リベンジ」の苦戦の原因はより明白だ。主演の赤楚衛二(30)演じる天堂海斗は、父親が亡くなってから天堂記念病院の理事長の座を継ぐまでに、様々な陰謀に巻き込まれる。だが、海斗の言動は“甘えたお坊ちゃん”にしか見えず、主人公に共感できない。
錦戸演じる“敵役”の人間像が分かりづらい
生前、権力にしがみついていると父親を非難していた海斗。自身は医学部を道半ばで退学し、週刊誌記者としてもやる気を見せていなかったが、敵対する錦戸演じる外科医・大友郁弥への対抗心などで理事長の座を奪うと、欲望を丸出しにする。
しかし、医療においても経営においても素人な海斗は、頭のキレる大友にハメられるなど、大病院を巡る思惑に振り回されている。そんな海斗に対し、大友は医師としての技量は確かながら、何を考えているか分かりづらく、天堂家を貶めようとしているように描かれている。
だが、医療や経営面で正論を放ち、実は患者の子どもに優しく男気のある一面を見せるなど、大友は極めて魅力的な人物に描かれている。もちろん、それは円熟味を増した錦戸の妖艶さや憂いを帯びた表情があってこそで、大友をダークヒーローとして主人公にした方が良かったのではないかという声まであがっている。
海斗の“甘えたお坊ちゃん”ぶりについていけずドラマ視聴からは脱落しても、大友を演じる錦戸には好印象を持っている視聴者も多いのではないだろうか。
山下、錦戸の役者ポテンシャルは“証明”された
「ブルーモーメント」では、もっと分かりやすいヒーローである山下が見たいという需要を高め、「Re:リベンジ」ではどんな脚本であっても錦戸は魅力的に見えることを証明して見せた。その点において、2人の民放復帰作は十分意義があったように思う。
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