ガーデナーの必見「服部牧場」ルポ ペレニアルガーデンってなんですか?

斑目茂美 開運花師
更新日:2024-07-03 18:17
投稿日:2024-07-03 06:00

【夏の草花問題】灼熱の太陽の日差しとゲリラ豪雨

 神奈川の片田舎が立地の猫店長「さぶ」率いる我がお花屋にも夏がやってきました。店先には鮮やかな夏の花が、屋外にはガーデニング商材の苗物たちが並び、灼熱の太陽の日差しとゲリラ豪雨という“夏の洗礼”を甘んじて受けながらたくましく生きております。

 店の横の“ほっぽらかし園芸Lab”もいつの間にか夏の花が元気よく咲き(聞こえは良いけど宿根草・多年草を植えただけ)、美しいグラス系(草系)や楚々としたさまざまな花がリレーをしながら春夏秋冬なんだかんだと楽しませてくれています。

夏のお庭の醍醐味

 ところで、夏を迎えた神奈川で「これは…!」とうなる素敵なガーデンが無料で拝めるナイスな観光スポットがございます。今回は、ガーデニング愛好家なら一度は訪れてみたい「こんなお庭に憧れる! 理想的なペレニアルガーデン」の解説です。


【人気で読まれています】青い星「ブルースター」は夏の暑さに強い!ポット苗見つけたら即買いで☆

ペレニアルガーデンってなんですか

 ペレニアルとは「永続的な」という意味合いですが、園芸でいうペレニアルはペレニアルグラスのこと。宿根草や多年草を指します。

 宿根草は冬季は地上部の葉が枯れてなくなっても根は生きていて、春の訪れとともに芽が出て復活する植物のこと。多年草は常緑で年間通して地上部の葉は枯れずに残ります。

 ペレニアルガーデンは宿根と多年を中心に組み合わせた庭のことで、年間通してさまざまな植物が花や彩のリレーをしながら季節の移ろいを感じられるのです。

 ペレニアルガーデンは植物が根付いて馴染むまでは若干の手入れが必要ですが、その後は多少の剪定や草取りを残して年間通して楽しめます。一年草のように一年で枯れてなくなるわけではないので、それぞれの植物の特性を知ったうえで、計画的に配置を設計するわけですが、うまくハマったときの喜びもまた格別…!

 そんな究極の、お見本のようなペレニアルガーデンが神奈川に存在! 大好きな牛ちゃんに会えるのも楽しみに、仕事をサッサと片付けて大人の遠足に行ってまいりました。

美しいガーデンがあまりに有名な牧場

 神奈川県愛川町にある観光牧場「服部牧場」は、牛・羊・ウマ・ウサギ…未確認な動物もなんだかいっぱいの観光牧場ですが、敷地内にはガーデナー憧れのペレニアルガーデンがあります。

 牛舎の赤いサイロをバックに広がるガーデン。そこには初夏を彩る楚々とした花や風になびくグラス(草)たちが美しく輝いておりました。

 実は5月にも訪れてまして、一般公開前とはいえ、すでにモーレツ綺麗。花が咲く前のガーデンでは色とりどりのグラスたちが楽しめましたが、1カ月経ったお庭はさらに植物が育ち、ガーデン全体が膨らんでいるように見えました。

 決して派手ではないけれど、宿根草や多年草特有の渋い・可愛い・奥ゆかしい花々がまるで迷路のような通路の両脇に咲いていて、生きてるけどアノ世に来た気分w。

 花だけでなく、色や形がさまざまなグラスが、足元からワタクシの身長をはるかに超えたものまであり、とにかく豊富すぎる植物の饗宴に雑草なんて生えてる隙間もねぇ。超絶理想のペレニアル状態でござんすよ。

 ここまでになるには緻密な庭園設計とよほどの植物知識がなければできないな…と、我が店の“ほっぽらかし園芸”とは比べものにはならないけれど、魂揺さぶられるガーデンとのご対面でした。

どうする「雑草生えちゃう」問題

 ガーデニングにとって、最も困った現象といえば「雑草生えちゃう」問題。ペレニアルガーデンでは計算し尽くされた植物の配置により、美しいグランドカバーの植物で解消されております。

 一年草はこぼれ種で翌年花開き、わずかな隙間でもみっちりと埋め尽くされた宿根草たちが、色鮮やかな花と葉で途切れることなく一年通じて楽しませてくれます。

 宿根草や多年草は一年草に比べると若干お値段が張るものが多いのですが、一度植えて完全に根付いてしまえば毎年楽しめるので、かえって安上がりかもしれません。

 一年草に比べて花やグラスの色や形も豊富。選択肢がグッと広がり、長期間にわたって少しずつ増やしながらガーデンを作り上げる醍醐味が味わえます。何より根付いてしまえば手入れも楽チン。

 自然を感じるけれど、人の手仕事と気持ちがこもった庭がペレニアルガーデンなのでございます。

 入場無料とは思えないお得感満載の「服部牧場」で動物とアイスクリーム、そしてペレニアルガーデンを満喫する夏もいいかもね~なんて、旨旨ソフトクリームとドイツウインナーを頬張りながら、呑気な羊の顔を拝んでしまったワタクシでございます。

 今年の夏もアナタにとって素敵な夏がやってきますことを…遠いお空の向こうからお祈りしておりますよ~。

服部牧場
神奈川県愛甲郡愛川町半原6087
https://kanagawa-hattoribokujou.com/

斑目茂美
記事一覧
開運花師
半導体エンジニアを経て花業界に転身。イベント・ホテルなどの装飾も手がける生花店を営む傍ら、コンテストで優勝・入賞を重ね、雑誌・新聞等に作品を発表する。神奈川各所にて花教室を開催。障害者支援も花で実践。悩ましくも素敵なお客様を「花」で幸せへと導く道先案内人。ブサかわ猫店長「さぶ」ともに奮闘中。Facebookやってます。

ライフスタイル 新着一覧


ずーっといい子ちゃんとか無理!「笑える悪口LINE」で上手に息抜きを
 友達や同僚から人の悪口を聞かされたらあまり良い気分にならないでしょう。でもそれがユニークな悪口だとしたら、思わずクスッ...
ほっこり読み切り漫画/第57回「隣りの芝生はオーノー」
【連載第57回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 生きものたち、...
これって良心ですか、マウントですか?「おまいう」説教LINE3選
 説教をされて、いい気分になる人はあまりいませんよね。でも、いつもどこか偉そうで、何かと説教をしてくる人はいるもの。 ...
相棒のぬいぐるみは無理! 大人になっても捨てられないもの6選と対処法
 物や情報に溢れた現代では、断捨離やミニマリストに憧れる人が多いですよね! でも、大人になってもどうしても捨てられないも...
40代で振り返ると納得!いろいろあった人生の転機、思い出してみない?
 人生の転機とは、その時には気がつかず、後になってから「転機だった」と気がつくもの。特に40代を過ぎると、人生の前半を振...
今年はお日様が大きく見える そろそろ落ち着いてくれるかな
 この数年で男性の日傘がすっかり定着したのも納得の暑さ。  日陰に逃げても、どこまでも太陽に追いかけられている気が...
記事読んだらソワソワ♡ 予定がない週末は寝溜めより楽しい6つのことを
 子どもの頃は暇さえあれば遊んでいたのに、大人になると週末は「予定もないし、寝溜めしておくか〜」と何もしない1日を過ごし...
人生これで正解? “30代からの思春期”ミッドライフクライシスに勝つ法
 大人のみなさん、「私の人生、これで良かったの?」と考えて不安になる時はありませんか? そしてその不安、名前がついている...
マジで買ってよかった! 猛暑に活躍&まだまだ使い倒す涼感アイテム3選
 8月の東京はなんと31日連続真夏日! いやー、暑かった。9月になったらちょっとは涼しくなるかなと思いきや、まだまだ厳し...
モフらずにはいられない!無防備すぎる“たまたま”にメロメロ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
“我が城”で1ミリも後悔したくない!自宅の間取り注意すべきポイント8つ
 こだわり抜いて設計したはずの夢のマイホームでも、住み始めたら「え、この間取り不便!」とガッカリすることがあるようです。...
「事故物件に住んでるよ」メンタル強すぎでしょ! 鋼の心臓LINE3選
「強さ」にはさまざまありますが、特に鍛えたいのが「メンタル」。心が強ければ、小さなことに悩まず、ピンチもチャンスと捉えて...
買い物と恋愛は似てる? 人はなかなか手に入らない物が好き
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
仏人男性が「仏花」を彼女に贈ってしまった…仏壇に供える花の定義とは?
 少し前にフランス人男性が、お仏壇に供える花束だと知らずに日本人のガールフレンドにプレゼントした話がSNSで話題になって...
自虐戦略に乗っかる? ドンキ新業態「ドミセ」のドすべりはなぜ不発だった
 ドン・キホーテ(以下「ドンキ」)の新業態「ドミセ」が話題です。売れると踏んで売り出したオリジナル商品の中で、目標売上額...
ぐにょっとした虫の感触が恐怖! トラウマ級エピと嫌いを克服する方法
 この季節、頭を悩ませるのが「虫」です。特に虫嫌いの人にとっては、生活するのに支障が出るくらい虫の存在は恐怖そのもの……...