「鏡も見たくなかった」対人恐怖症の筋肉マッチョが自分を好きになるまで

河合桃子 ライター、ジャーナリスト
更新日:2024-08-16 06:00
投稿日:2024-08-16 06:00

 日本で唯一のコンテスト主催団体による“生涯現役で魅力ある存在を目指す”ミスターコンテスト「Mr. Phoenix(ミスター・フェニックス)」。同コンテストの参加男性らは女性審査員によって、容姿だけではなく教養の深さ、社会貢献への意識を審査されるのだとか。

 この「Mr. Phoenix 2024」の20代部門でグランプリを受賞した上山乃天さん(うえやま・のあ/24歳)はその厳しい女性目線から選ばれし存在。でもコンプレックスと対人恐怖症に悩んだ幼少期があったと言います。

【前編:なぜバキバキ筋肉マッチョはミスターコンテストに挑むのか?はこちら】

地獄を味わった参加者の「深み」を目の当たりに

 これまでボディコンテストを中心に参戦してきた上山さんにとって「Mr.phoenix」の参加はあらゆることが新鮮だったと言います。上山さんは言います。

「普段のボディメイクコンテストでは同年代の男性参加者と共にすることが多かったので、前向きで未来あふれるような青年たちと関わってきました。ですが『Mr. Phoenix』の参加者は40代部門、50代部門と存在するため幅広い年齢層の方の人生経験を伺うことができました。

 リーマンショックで天国から地獄を味わった実業家の方や地震を経験し家業の廃業に追い込まれた方など、これまでの同年代の男性参加者にはない、人生の挫折を味わった先輩たちの深みを目の当たりにしたのです」

 そんな挫折を味わった参加者たちと大会に向けてのスキルアップのための交流を図ることで「人としても成長させてもらった」と言います。今でこそ細マッチョで自信溢れる面持ちの上山さんですが、幼い頃は「ひょろひょろで自信もなく対人恐怖症だった」そうです。

「父はアメリカ人で母は日本人のハーフなんですけど、小学生の頃は体が細くとても華奢な少年だったんです。

 でもこんな顔して山口県の田舎で育ったから、とにかく目立ったんですよね。いろんな人から注がれる視線が怖くて対人恐怖症のようだったし、鏡を見るのさえ嫌でした」

「イケメンだしモテたのでは」という問いにも「それがむしろ嫌だったんです」と言います。

自信が持てず、自分が嫌いだった

「中学生の頃は他のクラスの子からもキャーキャー言われてたんですが、そうなると男性から『なんだあいつは』と疎まれる。だから女性も苦手で、とにかく一人でいたいって思ってました。

 その反動で、男らしく体を大きくしたいと思うようになり、家で腹筋や腕立て、公園で懸垂をしたりして、できる限り体作りをしていました」

 小中高と自信が持てず「自分が嫌いだった」そうです。そんな自分嫌いも「地道なトレーニングや部活のバスケに打ち込むうちに、体がどんどん大きくなり、どんどん解消されていった」と振り返ります。

河合桃子
記事一覧
ライター、ジャーナリスト
1977年生まれ、週刊誌を中心に執筆。大分県の椎茸農家から都内のハプニングバー摘発事件まで幅広く取材。ライフワークはママ友の家庭のいざこざや性愛事情を聞くこと。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「逃げたら干されるぞ」若手芸人が踏み込んだ“後戻りできない”選択。大金と引き換えに失ったキャリア
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
「我が子を可愛いと思えない」産後に心が壊れかけた経験談。私は母親失格だ…なんて思わないで
 出産してから「なんだか最近自分が自分じゃないみたい」などと異変を感じている人は、先輩方の声を参考にしてみるとよいかもし...
義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!
 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼...
芸術の秋!美少年“にゃんたま”の曲線美と薔薇にうっとり♡ まるで絵画みたいじゃない?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
騙された!一見“仕事デキる風”…でも実は? 有能ぶったLINEにご用心。“能ある鷹”の逆パターンも
 世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超有能な人材だった話もよくあります。その一方で、本当は無...
【漢字探し】「鰯(イワシ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
母が急病、社長の「帰りなさい」に涙…一生ついて行くと決めたLINE3選。元カレの言葉にホッ
「この人だけはどんな自分も受け入れてくれる」「この人だけは失いたくない」など、絶対的な信頼や必要性を感じる人に出会えると...
【マジかよ】ごま油×ミルクコーヒーに反響。老舗メーカーの“推しレシピ”にネット困惑「ヤバそう」「勇気でない」
「金印純正ごま油」などで知られる老舗メーカー「かどや製油」。企業公式X(旧Twitter)が2025年10月1日に投稿し...
「夜職だって立派な仕事」それ、本気で言ってる? 水商売への “本心”に気付いてしまったスナック嬢の独白
 最近は本当に“キラキラ夜職”が表に出る時代になりましたね。が、私は本当に危ないと思っています。 「そんなことない...
私が『愛の、がっこう。』に重ねた親との苦しい関係。振り返ってわかる“完璧じゃない”からこそ得られたもの
 フジテレビ系で放送されたドラマ『愛の、がっこう。』を観ながら、ふと「わたしの親も、今で言えば“毒親”だったのかもしれな...
スター猫になれるかな? 夢見るハチワレ“にゃんたま”の練習風景をチラリ☆
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
浮気を警戒したら逆ギレ!?  私が「絶対に謝りたくない」と思った瞬間7選。何でこっちが悪者なの?
「仕方なく謝ったけど…これ私、悪くないよね?」誰しもそんな気持ちになったことがあるのではないでしょうか。  今回は...
30代はご褒美ボディケア、中年女は塗り薬まみれ。色気から進化した風呂上りの「おばケア」事情
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
定時で帰っていいよ→役立たずってことですか!? 職場で出会った「めんどくさい女」図鑑。扱いに困るよ~
 あなたの周りに“めんどくさい女”はいませんか? 今回は体験談を交えながら、接し方に困る女性の7つのケースをご紹介します...
女性の“性”は「下ネタ」なのか? タブー視する社会に言いたい、語り合うことで生まれる安心感
 性の話題は「恥ずかしい」「隠すもの」とされがちですが、思い切って触れてみると、不思議と距離が縮まります。普段は口にしづ...
45歳、いつになれば楽になる? 自由に生きてるはずの私が、定食屋の秋刀魚で涙を滲ませた理由
 踊り子として全国各地の舞台に立つ新井見枝香さんの“こじらせ”エッセーです。いつでも、いついつまでも何かしら悩みは尽きな...