「どうしても頑張りたい」への特大のプレッシャー
過呼吸の経験がある人ならば分かると思うが、「どうしても行きたくない」もの以上に、「どうしても頑張りたい」もの、場所ほど、前日や当日といったギリギリまで「やります」「行きます」と伝える。
それでもその想いの強さから特大のプレッシャーに押しつぶされたり、うまく行かなかった時のことを想像して身体が動かなくなってしまうことがある(もちろん全員そうではないが)。
発作から失神にまで至る過呼吸だけでなく、心身の不調を持つ人のこうしたギリギリまで頑張っての“断念”は、普通の人のワガママなドタキャンとは区別されるべきだとも思う。
もう10代ではなく23歳なのだから、と彼女自身の管理不足を指摘する声もあるが、彼女の才能を買って起用する側に対し、彼女をマネジメントする側こそが、完遂出来るようサポートするべきだったのではないだろうか。
こだわりの強い完璧主義とワガママは紙一重
また、“こだわりの強い完璧主義”とワガママは紙一重でもある。平手が17歳時に映画初出演にして初主演した18年の映画「響 -HIBIKI-」でも、彼女がより良い作品にしたいという思いが強いために、脚本にダメ出しをして書き直してもらったエピソードがある。それはバラエティ番組で、月川翔監督から後日談として明かされた。
彼女に才能がなければワガママになったかもしれないが、月川監督は彼女を信じ、結果、原作者も納得させ、平手は数々の映画新人賞を受賞した。“こだわりの強い完璧主義”の平手を信じた月川監督とは、その後も長く深い親交があることが彼のSNSで伝えられてきた。
新事務所候補社長の"平手拘束"投稿は賛否を呼んだが…
彼女の新天地としては、歌い手・Adoが所属する音楽芸能事務所「クラウドナイン」の代表取締役社長・千木良卓也氏がXで、彼女を“拘束”した画像と共に、
「私が知る平手友梨奈は待ち合わせの10分前には必ずいるし、他人を大切に出来る子です」
「彼女はいま健やかに拘束されながら次の準備をしていますので、もうしばらくお待ちください」と投稿していることから、同事務所が有力と見られている。
千木良氏は23年12月のインタビューで、顔を出さず歌い手のままメジャーデビューするという前例のないAdoのブレイクの経緯について、「ただ好きなことを全力で行った彼女とそれに全力で寄り添ったスタッフ達がヒットの背景に繋がった」と明かしている。
私が知る平手友梨奈は待ち合わせの10分前には必ずいるし、他人を大切に出来る子です。
— 千木良卓也 (@chigira_takuya) August 15, 2024
ただ、今後を考えドタキャンされたら困るので拘束しておきました。
彼女はいま健やかに拘束されながら次の準備をしていますので、もうしばらくお待ちください。 pic.twitter.com/B93CEkLL4W
職人タイプへの理解度
また、SNSが苦手でもひとつのことに対して脇目も振らずに没頭出来る人を「職人タイプ」とし、独自性は出しやすいが世の中にはその才能が見つかりにくいことから、「もっと職人タイプが世に出られるような場を作っていきたい」とも語っている。
平手は前述の通り自身ではSNS発信もほぼしてこなかったが、作品創りについては妥協せず突き詰める「職人タイプ」なのだろうから、同事務所の方針とは相性が良さそうだ。
欅坂46のパフォーマンスでもあったように、何度倒れても、拳を突き上げもう一度立ち上がり、復活の狼煙をあげる、そんな平手を心待ちにしたい。
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