第110回感動のラストシーン! 余貴美子演じる百合さんの“ある台詞”がとっても可愛かった

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-08-31 06:00
投稿日:2024-08-31 06:00

第22週「女房に惚れてお家繁盛?」#110

 寅子(伊藤沙莉)たちとの同居がつらいと本心を語り、家を出ようとするのどか(尾碕真花)。そんな彼女に、優未(毎田暖乃)はマージャン勝負を持ちかける。だが勝負あったかと思われたその時、優未にアクシデントが発生する。

 そして、のどかと朋一(井上祐貴)、百合(余貴美子)、航一(岡田将生)、それぞれの気持ちを聞いた寅子は、「家族のようなもの」を休むことを提案し――。


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【本日のツボ】

終わりよければすべてよし

 ※※以下、ネタバレあります※※

 優未のお腹ぎゅるぎゅるで、勝負は中断。みんなが優未を気遣う様子をじっと見つめていたのどかがついに爆発します。「そういうところ、そういうところが嫌。気がつくと真ん中に2人がいる。お父さんも、百合さんも、お兄ちゃんも、み~んなふたりを見ている」。

 ここで一旦、オープニングを挟んで――。

「私の家は賑やかで明るい家じゃない!! 別に仲は悪くないけど静かでベタベタしない、干渉しないそういう家族なの!」と涙ながらに訴えます。

「私の知ってるお父さんは仕事第一で、家族とのつきあいが下手な人なの! お祭りも海も行かないし、入学式の写真で子どもと手を繋いだり、散歩に誘ったりしない!!」

 ついに本音を吐き出します。兄の朋一も「それは僕も思ってた。正直、嫉妬もした」と本音を口にしますが、「でも寅子さんたちがお母さんの願いを叶えてくれて良かったって。お前も言ったじゃないか」と。

「願い?」航一が反応すると「お父さんを甘えさせてあげてって」と生前、母に託されたことを告げます。妻の願いと子どもたちの想いを知った航一、「お父さんは仕事で、戦争のあることに携わって、ずっと自分を責めてきた。だから、お前たちとも距離をとって全てを百合さんに押しつけてしまった」と心の内を明かします。

 そう言われた百合も、「家族を支えることが私の誇りなんです」とその想いを語ります。

「でも優未ちゃんの方がいいんでしょ? いつも寅子さんと優未ちゃんといるとニコニコしてる」と責めるようなのどかに、「それはたくさん褒めてくださるから。時々は褒められたいの。のどかさんと一緒で私も自分を見て欲しいのよ」と百合。誰だってそう。みんな自分を見て欲しいのです。

家族のようなメンバー全員で食事の準備

 小橋(名村辰)の「誰かが見てくれているから」にも繋がりました。星家の人たちがそれぞれの想いを吐き出す場面、よかったですね。

 そして、とどめはラストです。みんなで話しをしながら食事の準備を手伝っているのを見て、感動しました。おかげで楽になった百合さん、「私、やろうかしらベビーシッター」と秋山(渡邉美穂)の子どもの世話係に立候補。「お給金もいただけるんでしょ?」「実は憧れだったのよ。誰にも気を使わず、自分のために使えるお金を持つことが…」と。

「お給金が出たら、じゃあ。皆さんに鰻ご馳走するわ」と言うところがとっても可愛かったですね。


桧山珠美
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TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

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