会長報酬は月500円。スタバのソイラテ買ったらほぼ終わり…商店会活動は「ご奉仕」です

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-09-18 06:00
投稿日:2024-09-18 06:00

ぶん投げられた会⻑職、⼿始めは会員勧誘

 勢いとその場の流れで商店会会⻑を拝命(←ぶん投げられた?)することになり、まず何から⼿を付けるべきか考えてみた。

 商店会再起動! とこちら側が息巻いても、皆さんが⼊会してくれなければ話にならない。「⼊会=会費収⼊」なわけだから、なんとか⼊会してもらわねば街路灯の電気代が払えなくなる将来が迫っている。区に聞いたところ、商店会として認められる最低会員数は原則20名とのこと。

 そういえば… 以前カルトの元信者が、信者勧誘の仕⽅をネットで紹介していて、「勧誘は、まずは友達になり、⾊々情報を得たら、それをネタに脅して取り込む」という作戦が効果的と⾔っていたのを急に思い出した。

 いやいや、商店会勧誘はそんなことまでしなくても⼤丈夫なはず。普通にいこう、普通に。


【こちらもどうぞ】3万のフレンチ? 1カ月の食費ですけどー!心で泣いた“女子飲み”の誘い

無理強いなし、会費はポッキリ⽉2000円、役員報酬はたったの500円♪

 とりあえず、現状を正直に語り、皆様にこの商店会の現在のポンコツぶりをわかってもらうことが重要だろう。そして、なぜ商店会を再起動させることが必要で、商店会が地域にどう役⽴つのかなど、熱意とともに、諸々説明する必要がある。

 となると、やはり⼊会お願いの⼿紙を作り、⼀軒⼀軒回って説明する作戦しかないだろう。訪問勧誘は少々イメージが悪いけれど、商店会へのお誘いは明るく爽やかに、

「無理強いなし、会費はポッキリ⽉2000円、⽬的は地域に役⽴つため、そして商店会役員には⽉額500円しか払わないケチケチ運営、ほら、カルトと違ってとってもお得♪」

 と、こんなセールストークでいくしかない。冗談抜きで、商店会活動の役員報酬はまさかの⽉500円。地域活動とは「仕事ではなくご奉仕」なのだと改めて気づく私。スタバのソイラテ、トールを買ったら5円お釣り、グランデは買えない…ちーん。

⼊会願いの⼿紙は「同情&期待票獲得」作戦

 10年以上前、この商店会がまだ正常に起動していた頃、当時の商店会会⻑さんは割と上から⽬線で、「この地域で店やるなら⼊って当然」といった印象だった。が、しかし、今の時代そんな態度では誰も商店会なんぞに⼊会しない。

 そこで、⼊会お願いのお⼿紙は「この商店会って、こんなにダメなんです、どうかどうかお助けくださいまし」⾵の情けない⽂⾯にし、「この⼈たちなんだか可哀想」とか「⼀から始める新しい商店会なら⼊会してみようかな」とか、そんな思いを持ってもらえるようダメ感をアピール。

 また、⼿紙には会費に関してもあらかじめ明記し「⼈⼿不⾜のため年払いに」「年払いは1,000円お得♪」などと年払いをプッシュし、先に現⾦収⼊を得られるよう策を講じてみた。

いざ、ポンコツ商店会再起動部隊、出動!

「ポンコツ感アピールしちゃったけど、過去の会員さんだったおじーおばーは⼤丈夫かな?」と私。

「⼤丈夫ですよ、おじーおばーがやってた頃の商店会をポンコツって⾔ってるわけじゃないんですから」と元酒屋さん。

「何やってもどうせ⽂句しか⾔わないんですよ、あの年寄りたちは。気にしないでどんどんいきましょ」と過去の商店会会⻑たちと不仲な床屋さん。

 私はポンコツアピールをしすぎたか? と⼀抹の不安を覚えたものの、とりあえずお⼿紙をプリントし、床屋さん、元酒屋さん、私の商店会役員3⼈組は会員募集⾏脚に旅⽴った。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


減塩食がまずい…塩分が少ない食事に使える4つのテクニック
「食事が嫌い」と思う人はほとんどいないはず。そのくらい、毎日の生活に食事は必要不可欠ですよね。もちろん、生きていく上で必...
辛く悲しい 人間関係にストレスを感じる人が試すべきこと4つ
 日常のふとした瞬間に、「会社に行きたくないなぁ」とか「〇〇さんに会うのが嫌だ」など、人間関係のストレスを感じる人は多く...
仕事が忙しいカレに遠慮して誘えない! どうすればいいの?
 2020年になりましたっ。みなさま、あけましておめでとうございます。今年も一年、仕事も恋愛も友情も、緩めるところをダラ...
今年も脱力&ポロリ…幸せな日々はコロンと寝転がって待つ
 バンザイ猫年! あけましておめでとうございます。  今年は昨年にも増して、脱力&ポロリ、  お空からマタタ...
目標を必ず達成するには? 新年の抱負を叶える4つの方法!
「一年の計は元旦にあり」と言いますが、まさに今、「今年はこんな1年にしたい」と、気持ち新たに新年の目標を立てている方もい...
ストレスはスマホのせい? 気軽に「デジタルデトックス」を
「仕事をしているとき、なんだか集中力が続かない」「睡眠が浅い気がして疲労がどうも抜けない」――。それ、もしかしたらデジタ...
初詣は神社とお寺どっちが良いの? ご利益アップの方法♪
 普段は神社やお寺に行かない人でも、新年の始まりに「初詣」に向かう方は多いでしょう。でも、「初詣は神社とお寺どちらが正し...
思わずキュン…男が遊び目的の女子に言う危険なセリフとは?
 男性に弱みを見せられると「キュン!」ってしちゃいますよね。でもそのキュン、実は遊びたいだけの男性が利用している場合があ...
番組タイトルを考えながら実力を磨きチャンスをつかんだ日
 誰だって一度は「こんな仕事がしてみたい」「こんな世界で働いてみたい」と夢を見る。でも実現できる人は多くはないし、それで...
年末の大掃除でうっかり処分…断捨離して後悔したもの4選
 12月は大掃除の季節。窓掃除に換気扇拭き、床磨き、そして断捨離に踏み切る人も多いでしょう。 「来年こそミニマリストに...
来年は絶対幸せに!福を呼ぶ縁起物「正月花」をゲットして
 ブサかわ猫店長率いる我がお花屋さんは、毎年お正月に使う竹の伐採のため竹林に参ります。  毎年お世話になる竹林の持...
福袋でガッカリするのをやめたい…失敗しないで楽しむコツ!
 お正月の楽しみの一つに福袋があります。「2万円の福袋の中身に10万円分! こんなにお買い得なのは福袋だけ!」ーー“限定...
「万年猫年にゃろー!」ねずみ年に物申す茶トラ“にゃんたま”
 年の瀬も近づき、今年もたくさんのにゃんたまωに感謝して振り返る時期となりました。  きょうは、モフモフな鈴カステ...
2019-12-26 06:00 ライフスタイル
拒薬という問題…高齢者が薬を飲まない時に試したい方法3つ
 一昔前まで、薬は“化学物質”という認識が強く「体に良くないもの」という概念があったような気がします。ところが近年では、...
20代だけじゃない パパ活市場でアラフォー女性が人気のワケ
 女性が男性と食事やデートをし、その対価としてお金やプレゼントをもらう「パパ活」。ほとんどの場合、20代前半の女子が若さ...
本命クンを狙いつつ…ハンター女子に必須の“合コン後”の行動
 合コンや忘年会などのイベントが多い年末。ちょっと気になる人がいても、宴会の最中は動けなかったり……そんな経験はありませ...