会長報酬は月500円。スタバのソイラテ買ったらほぼ終わり…商店会活動は「ご奉仕」です

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-11-08 15:08
投稿日:2024-09-18 06:00

ぶん投げられた会⻑職、⼿始めは会員勧誘

 勢いとその場の流れで商店会会⻑を拝命(←ぶん投げられた?)することになり、まず何から⼿を付けるべきか考えてみた。

 商店会再起動! とこちら側が息巻いても、皆さんが⼊会してくれなければ話にならない。「⼊会=会費収⼊」なわけだから、なんとか⼊会してもらわねば街路灯の電気代が払えなくなる将来が迫っている。区に聞いたところ、商店会として認められる最低会員数は原則20名とのこと。

 そういえば… 以前カルトの元信者が、信者勧誘の仕⽅をネットで紹介していて、「勧誘は、まずは友達になり、⾊々情報を得たら、それをネタに脅して取り込む」という作戦が効果的と⾔っていたのを急に思い出した。

 いやいや、商店会勧誘はそんなことまでしなくても⼤丈夫なはず。普通にいこう、普通に。


【こちらもどうぞ】3万のフレンチ? 1カ月の食費ですけどー!心で泣いた“女子飲み”の誘い

無理強いなし、会費はポッキリ⽉2000円、役員報酬はたったの500円♪

 とりあえず、現状を正直に語り、皆様にこの商店会の現在のポンコツぶりをわかってもらうことが重要だろう。そして、なぜ商店会を再起動させることが必要で、商店会が地域にどう役⽴つのかなど、熱意とともに、諸々説明する必要がある。

 となると、やはり⼊会お願いの⼿紙を作り、⼀軒⼀軒回って説明する作戦しかないだろう。訪問勧誘は少々イメージが悪いけれど、商店会へのお誘いは明るく爽やかに、

「無理強いなし、会費はポッキリ⽉2000円、⽬的は地域に役⽴つため、そして商店会役員には⽉額500円しか払わないケチケチ運営、ほら、カルトと違ってとってもお得♪」

 と、こんなセールストークでいくしかない。冗談抜きで、商店会活動の役員報酬はまさかの⽉500円。地域活動とは「仕事ではなくご奉仕」なのだと改めて気づく私。スタバのソイラテ、トールを買ったら5円お釣り、グランデは買えない…ちーん。

⼊会願いの⼿紙は「同情&期待票獲得」作戦

 10年以上前、この商店会がまだ正常に起動していた頃、当時の商店会会⻑さんは割と上から⽬線で、「この地域で店やるなら⼊って当然」といった印象だった。が、しかし、今の時代そんな態度では誰も商店会なんぞに⼊会しない。

 そこで、⼊会お願いのお⼿紙は「この商店会って、こんなにダメなんです、どうかどうかお助けくださいまし」⾵の情けない⽂⾯にし、「この⼈たちなんだか可哀想」とか「⼀から始める新しい商店会なら⼊会してみようかな」とか、そんな思いを持ってもらえるようダメ感をアピール。

 また、⼿紙には会費に関してもあらかじめ明記し「⼈⼿不⾜のため年払いに」「年払いは1,000円お得♪」などと年払いをプッシュし、先に現⾦収⼊を得られるよう策を講じてみた。

いざ、ポンコツ商店会再起動部隊、出動!

「ポンコツ感アピールしちゃったけど、過去の会員さんだったおじーおばーは⼤丈夫かな?」と私。

「⼤丈夫ですよ、おじーおばーがやってた頃の商店会をポンコツって⾔ってるわけじゃないんですから」と元酒屋さん。

「何やってもどうせ⽂句しか⾔わないんですよ、あの年寄りたちは。気にしないでどんどんいきましょ」と過去の商店会会⻑たちと不仲な床屋さん。

 私はポンコツアピールをしすぎたか? と⼀抹の不安を覚えたものの、とりあえずお⼿紙をプリントし、床屋さん、元酒屋さん、私の商店会役員3⼈組は会員募集⾏脚に旅⽴った。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


【動物&飼い主ほっこり漫画】第104回「夢でもいいからアエルトイイナ」
【連載第104回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽの...
【漢字探し】「梛(ナギ)」の中に隠れた一文字は?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
誕生日にめちゃ嬉しい♡ 斬新な“たんおめLINE”3選。「宝探し開始!」お茶目な姉の仕込みにキュン
 大切な親友や気になっている人など、あなたにとって特別な相手へ“誕生日おめでとう=たんおめLINE”を送るときは一工夫す...
スマホ社会にゾゾッ…。65歳童貞、アナログ人間に世間は厳しい? 僕が“鉛筆”にこだわる壮大な理由
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(65)。多忙な現役時代を経て、56歳...
「息子の結婚相手はこんな人がいい!」8人の姑が“理想の嫁像”とリアルな本音をガチ告白
「息子の結婚相手はこんな人がいい」という理想の女性像を、姑の立場になる方たちに語ってもらいました。結婚を決めるのは本人た...
義母vs実母の“初孫”バトル勃発! マウント合戦に巻き込まれた新妻の叫び「私たちは代理戦争の駒じゃない」
 幸せなはずの新婚生活に影を落とす、姑との問題。令和の時代でも根強く残る嫁姑トラブルに直面したケースをご紹介します。
おやつにワクワク♡ 猫の尻尾がピン♪ “にゃんたま”の勝利ポーズが尊すぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
子どもを思うほど胸が痛い…ひとり親家庭が抱える“見えない苦労”。差別や偏見とどう向き合う?
 2024年に離婚した夫婦の数はなんと18万組にのぼるのだそう。なかには「ひとり親家庭」となる人もいるでしょう。子どもと...
コンクリ貫通の生命力!「タカラジェンヌ」が由来の高貴なお花、寒さに弱いはずが“3度の冬”を越えたわけ
 今年の夏も暑かった!、我がお花屋の店先では、暑さにめっぽう強い見上げるほど大きく育った「南国生まれの貴婦人」が見ごろを...
効いてくれよ、スタバ1杯分! 更年期女がすがる心のお守り。すべてはプラシーボ効果と気づいても
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
この夏もやらかした! 女たちの“反省エピ”7選。「自分史上最も夏を無駄にした」「大出費でクレカを直視できない」
 毎年のことながら、終わってから「もっとこうしておけば…」と思うのが夏休み。今年も例に漏れず、反省を抱えたまま日常に戻っ...
「逃げたら干されるぞ」若手芸人が踏み込んだ“後戻りできない”選択。大金と引き換えに失ったキャリア
 世間を揺るがす芸能界のさまざまな噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。  現在は清浄化...
「我が子を可愛いと思えない」産後に心が壊れかけた経験談。私は母親失格だ…なんて思わないで
 出産してから「なんだか最近自分が自分じゃないみたい」などと異変を感じている人は、先輩方の声を参考にしてみるとよいかもし...
義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!
 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼...
芸術の秋!美少年“にゃんたま”の曲線美と薔薇にうっとり♡ まるで絵画みたいじゃない?
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
騙された!一見“仕事デキる風”…でも実は? 有能ぶったLINEにご用心。“能ある鷹”の逆パターンも
 世間では仕事ができない風に見えるLINEを送ってくるのに、実は超有能な人材だった話もよくあります。その一方で、本当は無...