老眼鏡かける寅子。「最後はいい方に流れていく」発言にトラツバロス一歩手前…!

桧山珠美 TVコラムニスト
更新日:2024-09-16 14:00
投稿日:2024-09-16 14:00

第25週「女の知恵は後へまわる?」#121

 香淑(ハ・ヨンス)は、原爆被害に遭った外国人への支援を始めることを決意する。一方、寅子(伊藤沙莉)と航一(岡田将生)は、大学院を中退して家中心の生活を始めた優未(川床明日香)を、そっと見守っていた。

 そんな中、朋一(井上祐貴)は最高裁事務総局から家裁への異動を命じられる。ほとんど見せしめともいえる突然の決定に憤慨する朋一。寅子は彼に言葉をかけられず…。


【こちらもどうぞ】夫婦水入らずの何気ないシーンが描いたもの。爆速で進む物語、子どもたちは誰が誰やら…

【本日のツボ】

「本当に、最後はいい方に流れていくわね」(by梅子)

 ※※以下、ネタバレあります※※

 物語は昭和45(1970)年になりました。寅子が集中して読んでいた新聞(老眼鏡姿に注目!)の美位子(石橋菜津美)の尊属殺人をめぐる裁判記事の下、広告欄には「日本万国博覧会 入場券についてのお知らせ」の文字が!

 三波春夫が「♪こんにちは~こんにちは~世界の国から~」と歌っていたあの時代ですね。朝ドラが描く時代が自分の生きてきた世界とリンクするのは嬉しさと同時に、自分も年を取ったなあとしみじみ。

 それはともかく、優未は寅子と航一のお弁当を作り、家のことをやりながら、「笹竹」で働き、さらに雀荘での週2日のバイトも始めるとか、なかなかの働き者です。花江(森田望智)と梅干を漬けたりと、なにかと忙しそうで、当分の間、優未の自分探しの旅は続きそうです。サッカーの中田英寿だっていまだに自分探しの旅に出たままですから。

トラツバ放送残すところ2週間

 汐見(平埜生成)ファミリーにも変化がありました。「笹竹」には寅子と汐見と香淑、娘の薫(池田朱那)の姿が。香淑はよね(土居志央梨)たちの紹介で、原爆被害に遭った朝鮮や中国、台湾の人たちへの支援を始めることになったと寅子に報告。汐見もこれを機に香淑のサポートをする、と。薫も弁護士になって、「家族みんなで支え合って最高の弁護士事務所を作る」とのこと。

 これを聞いていた梅子の「本当に、最後はいい方に流れていくわね」という言葉で、あらためてドラマが終わりに向かっていることに気づかされました。あと2週間。早くもロスになりそうな月曜日でした。

桧山珠美
記事一覧
TVコラムニスト
大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。読売新聞「アンテナ」、放送批評誌「GALAC」、日刊ゲンダイ「あれもこれも言わせて」などで連載中。

関連キーワード

エンタメ 新着一覧


寅子の同級生・崔香淑が「香子ちゃん」として出現!気になるのは…
 家事審判所と少年審判所の合併の話し合いはまったく進展しない。しかし多岐川(滝藤賢一)には今一つやる気が感じられない。 ...
桧山珠美 2024-06-12 16:00 エンタメ
渡部建を“腫れ物”扱いするテレビは古い! めちゃ美味しい“食材”なのに
 2020年6月に複数の女性との不倫スキャンダルが勃発し、活動自粛していたアンジャッシュ・渡部建。活動再開後、徐々にメデ...
堺屋大地 2024-06-12 06:00 エンタメ
太陽とシスコムーンとの共通点にザワッ Z世代に人気のIS:SUEがたまらん
 6月7日、太陽とシスコムーンの楽曲がサブスク解禁され、40代を中心としたお祭り状態になっていましたね。懐かしすぎて私も...
よねと轟の新「相棒」爆誕!男と女“くっつく思考”に冷や水を浴びせた
 花岡(岩田剛典)が違法である闇市の食べものを一切拒否して栄養失調で亡くなったと聞き、衝撃を受ける寅子(伊藤沙莉)。花岡...
桧山珠美 2024-06-10 16:20 エンタメ
“マッチ先輩”近藤真彦がうたコン降臨!ヤンチャ返上?謙虚な発言に驚き
 4日放送のNHK「うたコン」は「作曲家 筒美京平特集」。尾崎紀世彦「また逢う日まで」、太田裕美「木綿のハンカチーフ」、...
花岡死す「栄養失調で死亡」見出しの衝撃…“甘党男子”桂場は和洋イケる口
 穂高(小林薫)は法の道へ導いて不幸にしたと寅子(伊藤沙莉)に謝罪し、新しい仕事を紹介すると言い出す。しかし寅子はむしろ...
桧山珠美 2024-06-07 15:30 エンタメ
公園ランチの約束は叶うのか? 花岡の“しょんぼり言動”が不穏すぎる
 ホーナー(ブレイク・クロフォード)から子供たちにとチョコレートをもらった寅子(伊藤沙莉)は、公園で花岡(岩田剛典)に再...
桧山珠美 2024-06-06 17:00 エンタメ
いよいよ裁判官編。NHK制作陣の遊び心、8時14分過ぎに見たり
 昭和22年3月。新しい日本の憲法に希望を見出した寅子(伊藤沙莉)が向かったのは法曹会館。そこには空襲で被害を受けた司法...
桧山珠美 2024-06-03 16:05 エンタメ
「虎に翼」お宝物件!三山凌輝はピアスにアクセジャラジャラの“チャラ”男
 先週のNHK朝ドラ「虎に翼」第9週「男は度胸、女は愛嬌?」は、ヒロイン・寅子(伊藤沙莉)にとって、悲しみの連続でした。...
刮目!伊藤沙莉“静”の演技、「佐田優三 仲野太賀」表示も期待は泡沫に…
 これまでの後悔と秘密をすべて打ち明けて、直言(岡部たかし)は安らかに亡くなった。  寅子(伊藤沙莉)は何事もなか...
桧山珠美 2024-05-30 19:10 エンタメ
古谷徹は“あの役”降板?声優不倫騒動の後始末、カギは「キャラの私物化」
 レジェンド声優・古谷徹(70)の不倫報道が世間を騒がせている。 『文春オンライン』よって報じられた37歳年下女性...
優三も草葉の陰で苦笑い? 前代未聞な別れの“懺悔”は直言らしい名場面に
 直言(岡部たかし)は栄養失調と肺炎でもう長くはないと診断される。直言が大事なことを隠していたと知った寅子(伊藤沙莉)の...
桧山珠美 2024-05-30 18:50 エンタメ
「見るんじゃない」と直言。ダチョウ倶楽部の“押すなよ、押すなよ”を彷彿
 直言(岡部たかし)の体調が優れない。寅子(伊藤沙莉)と直明(三山凌輝)はマッチ製造の仕事を紹介してもらい、はる(石田ゆ...
桧山珠美 2024-05-28 15:30 エンタメ
視聴率苦戦だから失敗に物申す!山下智久と錦戸亮、5年ぶり民放作の意義
 山下智久(39)が主演を務める「ブルーモーメント」(フジテレビ系)、錦戸亮(39)がキーマンとして出演する「Re:リベ...
こじらぶ 2024-05-25 06:00 エンタメ
「おいしいものは一緒に」出征前の河原デート。はて?初回を思い出すと…
 寅子(伊藤沙莉)は訪ねてきた後輩の小泉(福室莉音)から、女子部が閉鎖されることになったと知らされる。  今年は高...
桧山珠美 2024-05-24 15:30 エンタメ
優三の優しさシャワー全開!寅子のゴロゴロ床入り作戦も大成功だった神回
 昭和17年3月。直言(岡部たかし)の工場は軍からの注文が途切れず、順調に稼働を続けていた。戦時下で食べ物が貴重になる中...
桧山珠美 2024-05-21 15:30 エンタメ