更年期、それはある日突然に…45歳女の体が『倦怠感で満タン』になった

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-11-27 14:56
投稿日:2024-10-16 06:00
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まった老化現象についてありのままに綴ります。第1話は「それはある日突然に…」。

これは更年期の訪れか、否か

 私が最初に更年期の症状を感じたのは、忘れもしない45歳。とても衝撃的だったので、連載初回のタイトルはその時の気持ちにちなんで「それはある日突然に…」にした。ふと昔、『それは、突然、嵐のように…』(TBS系・2004年)という、似たようなタイトルのドラマがあったことを思い出す。

 作品は江角マキコ演じる主婦と、山P演じる超絶イケメン高校生が恋に落ちるという、設定だけで白ごはん3杯いけそうな物語だった。

 ただ本連載は色恋沙汰の話ではなく、ヒト科に生まれたのなら、いつかは訪れる“更年期”について、体験したことを綴っていく。エッセイというよりは予期せぬ事態に備えての、女の避難ガイドかもしれない。


【こちらもどうぞ】プレ更年期って何?デリケートゾーンが痒い!【薬剤師監修】

 とはいえ更年期の症状は千差万別。書かれているものが全て当てはまるとは限らないので、あくまで参考程度に捉えて欲しい。何か調べたいことがあった時に、検索サイトもSNSもさっぱり当てにならない時代になりました。

 上澄みと虚偽ばかり。こんな時こそ信用できるのは、今こそ口コミ。おばさんの井戸端会議に参加しているつもりで読んでもらえたら、喜びの舞でございます。

 さて本題に戻って、45歳の更年期のはじまり。それは「倦怠感に襲われて、横にならずにはいられない」という症状から始まったのである。

横にならずにいられない

 酒の飲み過ぎなのか、常に中性脂肪と格闘してはいるけれど、基本は健康体だった45歳。老眼も来ておらず、中年という言葉とは縁遠い生活を送っていた。ちなみに仕事はフリーランス。とある日、デスクで血眼になってパソコンとも格闘していると、なんとも言えない倦怠感に襲われた。

「…あれ…?」

 体温は平熱。吐き気、痛みもない。突然、ベイマックスが体全体を包み込むように、だるさで私の体が満タンになってしまった。なんとも言えず、息苦しい。何があった、私の体。いや、ひょっとしたら、このままどうにかなってしまうのか。

「…横になりたい…」

 思わず口からついて出た願望。願いを叶えるべく、寝室のベッドに倒れ込んだ。横になると、途端にだるさから解放された。ふう。

 横になりながら、かろうじて動いている脳を動かして、倦怠感の原因をふわふわと考える。先述通り、健康そのもので生きてきたので、小学生の時に朝礼で倒れたような経験もない。

 今さら話だけど、当時は倒れている同級生がうらやましかった。校長のどうでもいい話を聞かなくてもいいし、何よりも暑くない。とはいえ健康そのものなので、病弱なふりをどうしていいのか、皆目見当がつかない。仮病が一発でバレることを危惧して、倒れる演技はできなかった。

30代の時、子宮内膜症と子宮筋腫の診断を受けたが…

 30代から子宮内膜症と子宮筋腫とは診断されたけど、良性なのでこの症状は考えにくい。風邪? 感染症? いやもっと恐ろしい病気か…? 思いを巡らせているうちにそのまま寝てしまった。

 1時間くらい経過後。編集者からの電話で目が覚めた。電話に出た私の声が、あきらかに具合が悪そうだったらしい。

「すみません、寝てました…? って、そんな時間帯じゃないですよね」

「ちょっと、具合が悪くて…でももう大丈夫」

「いや、僕、タイミングが悪かったですよね」

「いいのよ、ブキミくん(編集者愛称)。女にはさ、時々寝てなくちゃいられない時もあるのよ。まだ若いから分からないかもしれないけど」

「はあ…」

 ついさっき「横になりたい」と倦怠感を体験したばかりのくせに、もうベテランのごとく、一端の口を聞く。これぞ、おばさんの回復力の速さだ。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

ライフスタイル 新着一覧


スナックに「客が来なくなる理由」はどこに? バブル時代とは違う、令和のシビアな現実
 みなさん、ぜひスナックに行ってください! 絶対楽しいから大人になったら一軒くらい行きつけのスナックを…!!  と...
ギャー! 旅行先での恐怖体験6選。友人が車窓を見て真っ青に…満面の笑みを浮かべる人物が
 楽しいはずの旅行で、身の毛もよだつような恐怖体験をしたことはありますか?   この記事では、夏の暑さを吹き飛ばす...
大昔から「究極のモンスターペアレント」は存在した!? 激怒した親がトンデモ行動に…盲目的な愛が生んだ悲劇
 職場や近所、SNS界隈に現れる「残念な人」、いますよね。実は今から約2000年前から現在に伝わる「聖書」にも「残念な人...
ダンディな“にゃんたま様”の色気にメロメロ♡ これはもう、ガン見です
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「あなたのためよ」に潰されないで。“優しさの押し付け”と戦うために、私が仕掛けた小さな反撃
 この時期になると、毎年思い出すのは姑のこと。実は、新婚当初、私たちは二世帯住宅で姑と同居していました。とあることがきっ...
見事な“おばさん体型”にショック! 食事は1日3食か、1食か…正解はどっちなの?
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
やる気が見えない…原因はこれかも。若者が “静かな退職”を選ぶ理由「やるべきことだけ淡々と」が主流に?
「ここ最近、入社してくる若い世代の仕事に対する熱量が感じられない…」「部下が仕事のやる気を出してくれない」とモヤモヤして...
カワイイが大渋滞! “にゃんたま”の無防備な寝相、ポンポン尻尾…9連発に癒されて♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年7月にご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかし...
「え、誰?」“親戚ズラ”する義母の親友にウンザリ…39歳女性が撃退した最強のカード
 令和を迎えた今の時代にも、姑の行動に深刻な不快感を示す妻もチラホラ…。一方、激しい対立をするほどの事柄ではなくても妻が...
社長の「お気に入り」で準主役に大抜擢…芸能界の“暗黙ルール”に飲み込まれたタレントの悲劇
 世間を揺るがす芸能界の黒い噂。ニュースとして報じられ、真実が明らかになることも増えました。現在は清浄化が行われている芸...
メルボルンはカフェ天国♡ 噂の「世界一のクロワッサン」って本当に美味しい? オーストラリアで正直レビュー!
 オーストラリア・メルボルンへ3泊6日の旅に出ることに。夜に日本を離れて翌日早朝にメルボルンに着きます。飛行機の時間は1...
港のにゃんたま様「食い損ねたんじゃ!」お目当ての魚を探索中、“たまたま”がチラリ♪
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
服を返品したい→ゴミだけ送られてきた!フリマサイトの「仰天トラブル」体験談
 普段からフリマサイトを利用している人、これから利用しようと思っている人は必見! 今回はフリマサイトでのトラブル経験談を...
「会社行きたくねえ」がマシになる!? BGMは中島みゆき、ログインボーナス…社会人の神ワザ5連発
 職場に苦手な人がいる、業務がきつい、通勤時間が長い…毎日の仕事がつらいとき、あなたはどうやって乗り越えていますか?  ...
【女偏の難読地名クイズ】「女影」って何て読む?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
「でも、だって」の嵐で話が進まん! 距離を取りたい人の特徴8つ。クレームが生き甲斐って楽しみないの?
 皆さん、どのような人を見ると「ちょっとお近づきにはなりたくないなあ」と思いますか?  今回は世間の声とともにその...