剛力彩芽、唐田えりかもバッシングの標的に
剛力彩芽さんは、2011年1月に出演した月9ドラマ『大切なことはすべて君が教えてくれた』(フジテレビ系)でのセンセーショナルな登場が、いまだ筆者の記憶にあります。彼女のキラキラ感は、豪華な主要キャストを差し置いてテレビ関係者や雑誌編集者、ライターの中でも当時話題になっていました。
しかしその業界評価の高さゆえか、急激に露出が増えてしまったため、視聴者に「ごり押し」の悪印象を与えてしまう結果に…。また、会社経営者との交際も世間からの反発の対象になりました。
唐田えりかさんは、ソニー損保のCMで透明感とその名を知らしめたのち、濱口竜介監督の映画『寝ても覚めても』でオーディションの末、ヒロイン役を勝ち取りました。映画の評判は高く、彼女自身も山路ふみ子新人女優賞やヨコハマ映画祭 最優秀新人賞を受賞。女優として順調な歩みを見せていましたが、その映画で共演した東出昌大との不倫が発覚し、バッシングの標的になりました。
人気女優には出せないリアリティ
『極悪女王』は、見た人誰もがゆりやんさん、剛力さん、唐田さんのリアルを越えた熱演に心を奪われたことでしょう。リングの上で血まみれに戦う彼女たちの苦悶の姿は、「ここまでするのか?」という俳優魂を感じました。
身体の曲線露わなレオタードに身を包んだ、下品で暴力的な描写も多い女子プロレスラーの役――ただそれだけ聞けば、名のあるトップ俳優は避けたいと思うかもしれません。実際、この作品には目を背けたくなるような暴力的で残酷な描写が多くあります。だからこそ、オーディションに臨み、体重を増やし、長い時間身体づくりに取り組んだ彼女たちのこの作品における覚悟は相当のものだと想像できます。
もし、この主要キャストが好感度高く、将来を期待されている旬の女優さんが演じていたのだったらどうだったのでしょうか?
例えイメージ的にピッタリで「本人の希望」だとか「オーディションで選ばれた」などという事前情報があったとしても、見る側に不安を与えかねません。「かわいそう」「本人はこの役を望んでいなのではないか」「ここまでしなくてもいい」「事務所や監督に強要されている」…そんなお節介なノイズがはいってしまったでしょう。
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