40代、ほうれい線が目立つよ…。王道人気のヒアルロン酸は回数限定!?【抗加齢学会正会員の女医が解説】

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2024-10-14 10:33
投稿日:2024-10-14 06:00
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長で抗加齢学会正会員の医師、増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。
 今回のテーマは「ほうれい線」です!

ほうれい線はなぜできる?

 ほうれい線とは俗語で、医学用語では「鼻唇溝(びしんこう)」といいます。読んで字のごとく、鼻と唇を結ぶ溝ですが、その溝は年齢を重ねると線のように伸びて、輪郭まで到達します。

 20~30代のほうれい線は短く、唇まで到達していない場合が多いのですが、徐々に伸びて、40~50代になる頃には口角を超えていくのが一般的です。加齢により頬のお肉が落ち、お肌のハリがなくなり、折り癖(シワ)が刻み込まれていくのです。

 一般的にほうれい線は、口を動かしたときにできる表情ジワで、笑いジワのひとつとも言われており、幸せな証拠でもあります。全くないのも不自然ですし、「刻み込まれないほうれい線」を目指したいところですよね。

 万人にできるアンチエイジングケアとして、まずは最低限、皮膚の保湿をしっかりと行うこと。「保湿は正義!」と肝に銘じておいてください。

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ほうれい線ストップ! 現状維持に効果的な美容医療は?

 まずは進行を止める、現状維持のための美容医療をご紹介しましょう。

 第一に大事なのは、お肉が落ちないように支えている靭帯を弱らせないこと。第1回目の「ハイフって何?」で解説したHIFU治療(高密度焦点式超音波)で、熱での刺激を与え、靭帯を縮めて再生させ、伸びないようにするのです。

 このHIFUやRF(高周波)といった施術は、落ちてたるもうとするメーラーファット(頬のお肉)と真皮層の引き締めにもつながるので、ほうれい線対策には最適といわれています。

 続いて、ほうれい線の原因となる筋肉の動きを弱める施術です。笑うと鼻が横に強く広がる人や、ほうれい線がしっかりと刻まれる人は、小鼻やほうれい線にボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)がおすすめです。

 上唇鼻翼挙筋や上唇挙筋、大小頬骨筋の箇所にボツリヌストキシンを注入すると、笑ったときのほうれい線の食い込みをナチュラルに抑えることができるんですよ。

【年代別】おすすめの改善治療は?

 現状維持でなく、改善させる治療方法は、年代ごとに異なります。20~30代のほうれい線はまだ唇まで到達しておらず、小鼻の横あたりが凹んでいるタイプがほとんどです。この場合は、小鼻の横を底から盛り上げるヒアルロン酸の注入(通称「貴族ヒアル」)がおすすめです。

 ヒアルロン酸は生体に馴染みの良いジェルで1~2年ほどで体内に吸収され、徐々に減っていくので、数年に1度のメンテナンスが必要です。

 同世代で、骨格的に過度に凹んでいる場合は、小鼻の横を盛り上げる貴族手術での治療が効果的だといわれています。

 貴族手術は、プロテーゼ(シリコン)またはご自身の肋軟骨を使い、ほうれい線の根本である小鼻横の部分を盛り上げる手術となり、半永久的な治療が可能です。

40~50代の場合

 40~50代のほうれい線の場合は、皮膚にシワが刻み込まれている(折り癖がついている)ので、皮膚の再生を促す治療が必要になります。

 現状維持や予防で効果的だとされるHIFUやRFの施術に加え、ショッピングリフトと呼ばれる皮膚の浅い層に細かく入れるショートスレッド(3~5cmほどの短い糸)をほうれい線周辺に挿入する治療です。

 とても満足度が高く、私は30代ですが、半年から1年に1回、行っています(20代30代でもお肌にハリが出て、お化粧ノリが変わります)。

増田えりか
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医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

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