10年分のカネの流れが怪しい。会員数が集まり⼤喜びしたのもつかの間…

フィッシュバーン真也子 コラムニスト
更新日:2024-11-08 15:10
投稿日:2024-10-16 06:00

助さんの怪しい態度に不安がよぎる

 商店会の新たな出発として⾏政への⼿続きを済ませた後、LED化申請のため電気⼯事の事業者と会合することになった。

「いろいろな申請のお⼿伝いはするのでご安⼼ください」と近隣の中規模な電気⼯事の業者さん。

「よかったー、ものすごい資料を作らないといけないと聞いていたので不安でした」と私。

「会計資料さえきちんとしてあれば、⼤丈夫ですよ!」

「…あ、⼤丈夫、俺ちゃんとノートにつけてるからね。ちゃんと10年分あるよ」と助さん。

「え、ノートですか? 会計ソフトは使ってらっしゃらない?」と業者さん。

「俺、ノート派。帳簿ね。⼤丈夫、ばっちりだから。⼤原簿記卒だから!」助さん、謎のアピール。

「なるほどwww。ま、⼿書きでも2年分の収⽀報告書があれば問題ないです」と電気業者さんが⾔った後、おしゃべり助さんが沈黙。この沈黙、嫌な予感…。

申請へのハードルは富⼠⼭級にまだまだ⾼かった!

「収⽀報告書2年分あるんですよね? ちょっと、これから⾒せてもらっていいですか?」と会合の帰り道に助さんに尋ねる私。

「あ、あ、うんうん、あるよある。ま、⼿書きだけど、⾒る? ⾒ちゃう?」と助さん。

 妙におちゃらけた様⼦に不安が増す。「⾒ちゃう?」って⾔葉から予測できる開けてびっくり感が怖い。

 予感的中。確かに収⽀報告書は存在した。そして10年間分の帳簿もあった。が、しかし…。

 これ、このままコピーして公的機関に提出できないよね? というレベルの、殴り書きと⾔えなくもない収⽀報告書であった。適当感満載、エクセルなりスプレッドシートなりに打ち込む必要がどう見たってある。

「せめてパソコンで表だけでもつくりませんか?」と私。

「ほら、俺ノート派だから無理無理」だよね、デジタル弱者だったよね。⾔った私がバカだった。

 このポンコツ商店会には会計係がもう⼀⼈必要なことを⽬の当たりにした。街路灯LED化申請以前に人材を探し、通常レベルの収⽀報告書を作成せねば…。だいたい、この収⽀報告書、合ってるのか?

 申請期限は2カ⽉を切った。うー、前途多難。ハードルは富⼠⼭の如く⾼し…。

 次回(#6)へ続く。

フィッシュバーン真也子
記事一覧
コラムニスト
養生茶カフェ店主。とある都心商店会会長。ちょこっと大家業。

出版社でインテリア誌やファッション誌の編集者として長らく勤務したのち、フリーランスのエディター、インテリアスタイリスト、デコレーターとして活動。現在はメディカルハーブのスペシャリスト、ハーバルプラクティショナーの資格を活かし、養生茶と手作りおやつのカフェ『だんで茶屋』を経営。その他、著述業、不動産賃貸業などを少々営む。

外国人との結婚と離婚、シングルマザーでの子育てなど、タフな経験を栄養にして生きる50代。いい『気』を求めて神社脇に移住。住まいや暮らしを自分流にカスタマイズしながら「空間から得る幸福感」を実践研究している。54歳から建築系大学に再入学、現在大学院にて空間によるコミュニケーションデザインを研究中。

著書に食と旅のエッセイ『笑顔になれる美味しいプロヴァンス』(スタンダードマガジン)、住まいのエッセイ『女ひとり・借金アリ・貯金ゼロからのトーキョー大家さんLIFE』(主婦の友社)

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


眼内コンタクトレンズ「ICL」装着で視力0.1→2.0!最も感動した景色は
 小学生から分厚いメガネをかけていたド近眼人生ですが、37歳で思い切ってICL(眼内コンタクトレンズ)の治療を受け視力が...
【失敗談】人とモメないために重要なのは我慢よりも確認!
 みなさんは人と意見が違ったら、「まあ私が我慢すればいいか」と思うタイプですか?  私はずっと我慢するスタイルで生き...
今すぐやめたい40代のやばい口癖 ネガティブな言葉で人生ダメになる?
 口癖は、なかなか自分では気がつかないものですよね。ポジティブで前向きな口癖ならいいのですが、中にはネガティブすぎてやば...
「空」と「海」と「風」と…すべてが揃った特別な場所
「空」と「海」と「風」と…すべてが揃った特別な場所。  あの電車から、あのヨットからはどんな景色が見えるんだろう?...
セクシーウインクに悩殺寸前! “たまたま”を拝んで正気を保つ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
海外旅行前に確認を!体力・モチベ温存、飛行機内で便利だったアイテム
 コロナ禍が収まりつつあり、海外旅行に出かける人も増えてきました。  ハワイ、NY、パリなどへ向かう長距離フライトに「...
春節に欠かせない「柑橘類」は金運アップの鉄板アイテム!
 まもなく中国圏の方々にとってのお正月「春節」がやってまいります。中国のお正月はワタクシの旦那様がシンガポール駐在時に現...
菜の花を食べると「いけないこと」をしている気分がする
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。  動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシ...
添い寝&ストレス監視!ガーミンのスマートウォッチ「Lily 2」その腕前は
 ストレスや疲れが貯まってくると、口唇ヘルペスができて黄信号を発する我が身体。よくできたヤツめ、と感心しますが、そもそも...
後輩社員の「大丈夫かと」「可能性高いかと」“かとかと”語尾にもやもや!
 誰かと会話している時に、語尾にイライラもやもやしてしまうことはありませんか?  流行り言葉は目まぐるしく移り変...
2024-01-30 06:00 ライフスタイル
遠いあの子を思い出す…センチメンタルな“たまたま”にホロリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
こんな言葉を聴きたくて、僕らは旅に出るのかもしれない
 兵庫県神河町のサイクリングコース「越知川名水街道」にやってきた。  壮大な景色をバックに、あたたかいメッセージに...
P活、頂き女子…「パパ活」のことばも進化し続けている
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第66回「保護猫探偵ハッシー」
【連載第66回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
ホームパーティーの会費どうする?主催するメリット&お招き時のマナー
 気の合う仲間と自宅でゆっくり食事を楽しめるホームパーティー。コロナもひとまず落ち着き、ブーム復活の兆しです。  ホー...
中学受験のプロが推薦 御三家でも新御三家でもない将来安泰の「中堅校」
 今年の中学受験シーズンも真っ只中。首都圏では、1月10日に埼玉県、1月20日に千葉県、そして2月1日には東京都と神奈川...