犬を飼いたいと思ったら…救える命があることも知ってほしい

東城ゆず ライター・エディター
更新日:2019-08-17 06:00
投稿日:2019-08-17 06:00

犬を飼いたいと思ったら「里親」の選択肢も

「犬を飼いたい」と思ったら、住環境やこれからの家族プラン、家族の同意や経済的負担を念頭に、多くのことを悩む必要があります。物理的なことが解決されたのなら、犬と生活すること自体は、それほど難しいお世話を伴いません。犬は利口でしつけ次第では、最高のパートナーになってくれるはずです。しつけについては、ネット通販を利用すれば多くの本が手に入る時代ですし、ネットで調べることもできます。

 それから、飼育に必要な知識や迎え入れる準備をするのも、飼い主の大事な役割となります。次にその家族をどこから迎え入れるかも大事な判断になります。

 環境省のデータによれば、平成29年に殺処分された犬は「8362匹」とされています。減少傾向にある殺処分ですが、まだまだ多くの犬が殺処分をされている状況です。殺処分が行われる前のギリギリの環境に身をおく保護犬がこれより多いことは容易に想像できるでしょう。

 だからこそ筆者は、これから犬を飼いたいと思っている多くの人に「里親」という制度を知ってほしいと思っています。

私が3匹目に出会った老犬とのお話

 私が3匹目に出会ったのは、ブリーダーの元からやってきた老犬のチワワでした。当時12歳という高齢なメスの白い犬。たくさんの子を産み、母犬としての役割を終えた犬です。老犬であるため行動は落ち着いており、穏やかな彼女は躾も入りやすく、すぐに懐いてくれました。少し人を怖がる性格ではあったものの、噛んだり吠えたりすることはない利口な犬でした。私が横になっていると、布団におもむろに入ってきたのを覚えています。

 誤解がないようにいうと、捨てられた犬を引き取るにもお金がかかります。「じゃあ、里親になり犬を飼うメリットは?」と思われる気がするので、その話をしようと思います。

「犬を飼いたい」ならペットショップ以外の選択肢も

「犬を飼いたい」と思う理由は、人それぞれでしょう。例えば、血統書付きの犬を飼うことにステータスを感じる人もいます。結論から述べれば、このような人は里親には向かないでしょう。子犬で血統書付きの犬は、里子には出ていないことがほとんどだからです。

 ただ、もし「家族としていてほしい」とか「同じ犬なら命を助けたい」と思うのなら、里親が向いていると思います。

 多くの子犬からシニアまでの犬が、様々な事情を抱えて里子に出されています。引き取る時にお金がかかるとしても、ブリーダーやペットショップで購入するより、安いはずです。健康状態の明示もしっかりとされている子が多く、安心して譲渡会に参加することができると思います。経済的なこともメリットですが、何より「救える命が増えること」は最大のメリットと言えるでしょう。

 しかし、犬を飼うなら飼いたい犬種や、毛の色など希望があるのが本音だと思います。ネットで探せば、多くの里子犬から簡単に探すことができますし、「預かり日記」といって性格が記されている里子犬もいます。こうしてみると、ペットショップで犬を探すことと大差ないことに気づくと思います。

 里親で犬を引き取ることを決めれば、トライアル期間をもうけているところもありますから、実際に家族の相性や先住犬との相性を確認することもできます。

 だから、もし「犬を飼いたい」と思っているのなら、里親のサイトをせめてチェックするだけでもいいです。そうすれば、ペットショップにいる犬と大差がないことを理解してもらえると思うのです。

犬を飼いたいと思ったら里親も視野にいれて

 その後も、その老犬と多くの時間を共有しました。ペットショップで購入した犬と比べても、なんら遜色ない素敵な犬だったことを、今でも鮮明に思い出せます。

 家の近所にあり、思いつけばすぐにでも見に行けるのがペットショップ。街中で「運命的な出会い」をするのも否定はしません。でも、もし「犬を飼いたい」という購入段階で悩んでいる人がいたら……。その時は是非、“里親になること”も検討していただければと思います。

 一人一人が飼い主としての自覚を持ち、救える命があることを知る。そうすれば、犬にとっても、人にとっても、生きやすい社会を作ることができると思うのです。

東城ゆず
記事一覧
ライター・エディター
1994年生まれ。11歳の頃からブログを運営。ライターやエディターとして、女性誌メディアや地元新聞のコラム枠まで幅広く活躍中。恋愛やママ友問題、介護士であった経験からリアルな介護問題まで幅広い知見がある。年子兄弟を連れ離婚の経験があり、現在は再婚に至る。

ライフスタイル 新着一覧


意外に難しい「ミモザの鉢植え」を成功させたい! ほっぽらかし園芸好きの花屋が教える5つの失敗と対策
 暦の上では3月、ポカポカを通り越して半袖脇汗が止まらない日中があれば、突然寒くなり雪が降る…これは本当に三寒四温なのか...
想定外しかない商店会ワーク。文句ばかり言うおっさんにブチ切れ寸前、寅さんの名台詞で堪えました
 本コラムは、地元の“幽霊商店会”から「相談がある」と言われ、再始動の先導役を担う会長職を拝命することになったバツイチ女...
ぎっくり腰再発かも…? 運動不足解消のため、水泳を始めた中年おばさんの“まさか”
 女性なら誰でも通る茨の道、更年期。今、まさに更年期障害進行形の小林久乃さんが、自らの身に起きた症状や、40代から始まっ...
“春ピンク”は女性ホルモンを刺激!【調香師が解説】指先から幸せになるピンクフラワー香り術
 色とりどりの花が咲く春は、気分も明るくなって幸せな気分になりますね。花の色に多いピンクですが、女性ホルモンを刺激する色...
40代の同窓会はどこで差がつく? モテる人とモテない人それぞれの共通点
 若かりし時代を一緒に過ごしたクラスメイトと、定期的に同窓会を開いている人は多いですよね。でも、40代にもなってくると見...
ダイニングテーブル上の「キレイのコツ」5選 すぐに物が散らかり、ぐちゃあ~とするのなんで?
 家族みんなが団欒する時に欠かせないダイニングテーブル。食事をしたり、コーヒーを飲んだり、宿題をしたりと大活躍ですよね!...
「かかってこいや!」攻撃待ちの“たまたま”が余裕の挑発? プロレス開幕の予感にワクワク
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
第一印象が悪いという悩み。好印象に近づく「メラビアンの法則」を知っていますか?
 ビジネスでも恋愛でも、第一印象は大切。第一印象が悪いとビジネスでは取引や契約に悪影響を与え、恋愛では恋人候補から外され...
変わらない、変われない。
 街は変われど、変わらない変われない一本松。  一体、何を視つづけてゆくのだろう。
【漢字一字探し】悔の中に梅はどこ?(難易度★★★☆☆)
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「校閲婦人と学ぶ!意外と知らない女ことば」では、女性...
昭和生まれが驚く令和の卒業式あるある7選。直後に美容院GO、卒業証書のポンポン音はなし
 いよいよ卒業式のシーズンが到来しますね。昭和生まれの40代からすると、令和の卒業式は驚きの連続かもしれません。  今...
40代が身に付けたい「叱り方上手」のコツ。パワハラ上司5つの特徴にドキッとしたら要注意かも?
 職場には、年齢も性格もさまざまな人が働いています。中には誰もが敬遠するパワハラ上司もいるはず!
ほっこり&まったり♡ 癒しの“たまたま”8連発で心のコリほぐしましょ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 2025年に入ってからご紹介したもふもふ・カワイイ・ちょっとは...
「なるほどですね」を多用する会社後輩に言いたい。LINEで相手をイラッとさせるNGな口癖3選
 自分の口癖は、なかなか気付けないものですよね。感謝や褒め言葉など相手を幸せにする口癖ならいいのですが、なかには相手をイ...