「僕の母親への感謝が足りない!」そんな女を妻に選ぶ53歳男の再婚への打算

並木まき ライター・エディター
更新日:2024-11-02 06:00
投稿日:2024-11-02 06:00

別に結婚したいわけじゃない

「僕はね、佳奈と何がなんでも結婚したいわけじゃないんです。今の生活になんの不満も不便もないですからね。

 でもこれから一生ずっと独り者でいるってなれば母が心配するだろうし、老いていく母に僕の世話をしてもらい続けるわけにもいかないじゃないですか。

 それで婚活を意識し始めたときに出会ったのが、佳奈なんですよ。

 浪費家だった前妻と違って堅実で性格もいいし、妻にするならこういうタイプが安心だと思ったんですよね。それで、僕からプロポーズをしてOKをもらいました」

 ここまで話したあとにハヤトさんは、佳奈さんと実母の関係には一抹の不安を抱いていると続けます。

なぜ母親に感謝しない?

「僕はね、佳奈がウチの母に感謝の気持ちを持っていないことが気になっています。

 だって、僕たちが外でデートをして遊んでいる日にも母は家事を全部してくれているわけですよ。深夜にお腹が空いたらかわいそうだからと、夜食までこしらえてくれているときだってある。

 それなのに、母の気遣いに対して、佳奈から感謝の言葉はありません。それどころか、ちょっと迷惑そうにしているフシもある。

 佳奈は人としておかしいんじゃないの? って思いますけどね…。僕も50代ですし、特に文句も言わず、佳奈はそういう残念な人なんだなって、諦めています。

 ハヤトさんは不安を抱いていると言いながらも、このまま結婚へと進めていくつもりだと強調します。

高望みはしないけれど、本音は…

 その最大の理由は?

「年齢ですよ、年齢! 僕は50代、両親も80代ですから。これから介護とか色々考えると、人手は多いほうがいい。

 佳奈も結婚後は自分の実家よりも、ウチの実家との付き合いを優先するでしょう。当然ですよね。そもそも彼女の実家は新幹線で2時間の距離ですし。

 今後を考えたら、佳奈がもっと僕の母親と親しくなってくれないと困りますけど。

 まぁ、贅沢は言いません。自分の年齢を考えると、高望みをしちゃいけないっていうのはわかっているし。

 もうね、このトシになると『結婚する』となっても、冷静に現実を見ちゃうわけですよ。だから僕は再婚が決まった今も浮ついた感情なんて、これっぽっちもないですね!

 結婚すれば、僕から意見しやすくなりますし。佳奈の考え方について僕が正してあげるしかないでしょうね」

 ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


“6単語”小分け送信で通知音ハンパねえ!LINEにみるイマドキ男子の生態
 大人になればなるほど、年下男子にキュン♡ とするのではないでしょうか? 母性本能が強くなり、年下男子が可愛く思えるよう...
恋バナ調査隊 2023-02-25 06:00 ラブ
「寄生された…」1円も出さない図々しい同棲彼氏に苛立つ女
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-02-25 06:00 ラブ
「高収入なのに金出せってイミフ」自らの女運を憐れむヒモ男
「冷酷と激情のあいだvol.131〜女性編〜」では、事実上の同棲中の恋人・トモキさん(仮名)に対して、お金にまつわる違和...
並木まき 2023-02-25 06:00 ラブ
「カップル旅行あるある」お金で喧嘩するのは目に見えている
 付き合いはじめて3カ月のラブラブな時期に旅行に出かけるカップルは多いとか。旅行中は相手の性格か見え、相性がハッキリわか...
恋バナ調査隊 2023-02-25 06:00 ラブ
男性のうざい武勇伝は強制終了が正解!ベストなあしらい方
 男はかっこつけようとする生き物。目の前に気になる女性がいるとしたら、その意識は格段と強まります。  そこでやらかしが...
恋バナ調査隊 2023-02-24 06:00 ラブ
宅飲みに誘われた!付き合っていない男だよ、上手な断り方は
 まだ付き合っていない男性から、宅飲みに誘われたらどう断っていますか?「もう少し相手のことも知りたいから、断って嫌われた...
恋バナ調査隊 2023-02-24 06:00 ラブ
40代彼女の“草”発言にゲンナリ…「あ、無理」と感じる男性たちの本音
 今回ご紹介するのは、40代の彼女を持つ男性の不満。直接彼女には言えないけれど、ひそかに「そこ無理!」と思っていることが...
恋バナ調査隊 2023-02-23 06:00 ラブ
優良物件!妻や彼女を大事にする「いいマザコン」の見抜き方
 恋愛や結婚相手を選ぶ際、あなたは何をNG条件にしていますか? 人それぞれとはいえ、きっと「マザコンだけは避けたい!」と...
恋バナ調査隊 2023-02-23 06:00 ラブ
「僕からは動きません」マッチングアプリで急増する“定型プロフ”に要警戒
 コロナ禍以降、すっかり市民権を得たマッチングアプリ。その中には首を傾げたくなるようなプロフィールをアップしている男性も...
内藤みか 2023-02-23 06:00 ラブ
デートのお礼LINEは二の矢三の矢を!「また今度」の社交辞令回避テク
 素敵な男性とせっかくデートまでこぎつけても、2回目につながらずフェードアウトしてしまう恋はたくさんありますよね。実は、...
恋バナ調査隊 2023-02-22 06:00 ラブ
本命彼女になりたい…男性を沼らせて手放せない女になる方法
 いつも彼女になれず、都合のいい女止まりになってしまう。彼女になっても全然大切にされない……。  男性になかなか大事に...
若林杏樹 2023-02-22 10:58 ラブ
既婚者マッチングアプリで出会った男性と“お寿司ランチ”した
「コクハク」の本コラムで、「既婚者マッチングアプリって?実際に使ってみた感想と注意点」を書いたのですが、今回はさらに深掘...
豆木メイ 2023-02-21 06:00 ラブ
黒歴史!借金、束縛、浮気常習…別れてよかった元カレ大集合
 交際中に「この人しかいない」「絶対結婚する!」と、相手に執着してしまう女性もいるでしょう。でも、もしかしたら“別れたほ...
恋バナ調査隊 2023-02-21 06:00 ラブ
マンネリ打破に!夫婦のラブホテルデートはメリットだらけ
 新婚の頃は夫への愛情でいっぱいだったのに、結婚生活が長くなり、子供が生まれてみると、すっかりときめきがなくなってしまっ...
恋バナ調査隊 2023-02-20 06:00 ラブ
サレ妻が浮気夫に復讐!ダメージ100倍・スカッと1000倍エピ
 世の中には、浮気や不倫をして、愛していたはずの妻を「サレ妻」にしてしまう夫が存在するようです。でも現代において、黙って...
恋バナ調査隊 2023-02-19 06:00 ラブ
私のテクじゃつまらない? 交際1カ月でのレスに悩む37歳女性
 男女の関係では、交際相手や配偶者の態度に悩む人も少なくありません。愛し合っている男女間でも、価値観や物事の判断には個人...
並木まき 2023-02-18 06:00 ラブ