女性の「更年期と老化の受け止め」に3パターン。休むのはわがまま? 更年期休暇も求む!

小林久乃 コラムニスト・編集者
更新日:2024-11-27 15:03
投稿日:2024-11-20 06:00

求む、更年期休暇!

 最後は「自分が更年期だと堂々と話して、理解を得よう系」。これが私だ。まだ「おばさん」だと自称することが憚れることもある昨今。「更年期です」なんて言うと、

「どんなふうに返して良いのか分からないから、おばさんだ、更年期と言われたら困りますよ…」

 そう男性から言われたこともある。いや、同情して欲しいわけでもなく、本人の意図しないところで、体調が悪いのだから「病気ではないよ」という宣言だと捉えて欲しい。目の前にいる人が突然汗をかいたり、眩暈で辛そうにしていても、心配は無用なのです。

 最近、企業でもやっと月経に関する理解が深まってきたと聞く。女性なら分かると思うけど、1回につき20~140mlの経血量があれば休暇を取って、寝ていてもおかしくはない。男なら、血液量に驚いて死ぬ。

 そのほかにもPMSなど日常生活の弊害は数多あるのに、男性の前では口にできない「恥ずかしいこと」だったと思うと、モヤっとする。

 2022年のNHK(※)によると、およそ5300人(女性4296人・男性1038人)に取った調査では、更年期症状によって仕事にマイナス影響が女性で15.3%、男性で20.5%出ていると聞く。

「仕事を辞めた」「雇用形態が変わった」「労働時間や業務量が減った」「降格した」「昇進を辞退した」などの影響は大きい。中でも更年期離職によって、年間6300億円の経済損失もあるそうだ。

 こんな状況なのだから、そろそろ日本も更年期休暇を作ったほうがいい。体温調節もできず、だるくて、精神がイライラしているのに仕事ができるのかと言えば、無理。休むことはわがままではない。

 ホルモンに関わることは生活へ影響が大きいのに、我慢を強いられるのは、おかしい。これは女性だけではなく、男性も同じだ。恥ずかしいことではなく、全てが生理現象だと思い出そう。

「今日は更年期の症状がしんどいので、午後から休みます」

 そう言って、許可をしてくれない上司がいたら、この連載のURLを水戸黄門の印籠のごとく突き出して、休みを勝ち取ってほしい。

(※)参考資料

 次回(#7)へ続く。

小林久乃
記事一覧
コラムニスト・編集者
出版社勤務後、独立。2019年「結婚してもしなくてもうるわしきかな人生」にてデビュー。最新刊はドラマオタクの知識を活かした「ベスト・オブ・平成ドラマ!」(青春出版社刊)。現在はエッセイ、コラムの執筆、各メディアの構成と編集、プロモーション業が主な仕事。正々堂々の独身。最新情報は公式HP

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


昭和生まれの40女LINE、不適合にもほどがある?「おばさん構文」なのネ
 時代の流れは、移り変わりが激しいですよね。ファッションや食べ物、話し言葉だけでなく、現代ではLINEの送り方の流行りも...
我がスナック人気NO.1イケオジの回答 イライラMAX時に“凪”になるコツ
 まあまあの確率でお客さんのグチを書き連ねる私ですが、実はそれ以上にお客さんから人生の教訓を教えてもらっています。  ...
メンタル限界!子なし夫婦の帰省が憂鬱すぎる件、回避策は?
 子なし夫婦にとって、お正月や夏休みの長期休暇に実家に帰省するかどうかは悩みの種ですよね。なぜなら、子なし夫婦には実家に...
要警戒!「40代地雷女」の5大特徴 人の振り見て我が振り直せ
「地雷女」という言葉を耳にすると、地雷系ファッションをして歌〇伎町付近にたむろしているメンヘラな若い女性を思い浮かべるか...
一般家庭でも“お抱え占い師”がいる!占いを信じる台湾人、旅で試すなら?
 突然ですが、あなたは占い師のお告げって、信じてしまいますか?  2年ほど台湾に住んでいた筆者が、とてもびっくりし...
2024-03-14 06:00 ライフスタイル
「大きくなぁれ」ほわほわかわいい“たまたま”の成長を祈る
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
目からウロコ!白菜、大根、ブロッコリーも菜の花になるの?
 猫店長「さぶ」率いる愛すべき我がお花屋は、神奈川のカントリー風情たっぷりな立地にあります。  そんな土地柄なので、春...
「人はひとり」だからこそ「みんな」が楽しいんだろうね
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
シンママのお泊り出張事情 子どもの世話どうする問題に5つの選択肢
 夫がおらず、一人で働きながら子育てをするシンママ。でも、職種によっては、お泊まり出張が入ることもあります。そんな時、世...
初の顔出し告白!1日最高40万円稼ぐ 格闘技好きギャラ飲み女子の私生活
 経営者や著名人、人気のインフルエンサーも利用する「ギャラ飲み」なるサービスって知っていますか? 東京都内のみならず、全...
カメラマンの執念の1枚! 完璧な見返りポーズの“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
上州の春、いいね。
 青空に染まり流れる利根川。  彼方には赤城山を望む。  まだまだ冷たい上州の春の空気の中、走る自転車はとて...
大谷翔平選手の出身地「姉体(あねたい)」の由来は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第69回「ブンブンブン イェ キバタン」
【連載第69回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
ハンカチ貸しただけで?いちいち細かいお礼LINEが面倒くさい
 誰かにお礼をされて嫌な気持ちになる人は、あまりいないですよね。  でも、お礼を大切にする人の中には、些細なことで...
既婚の女友達「37のおばさん」マウント&失礼の破壊力…少し気遣って。
 天然で言っているのか、それとも意味を持たせて言っているのか分からない“失礼なLINE”が送られてきた経験はありませんか...